大津びわこ競輪:運営も勝負時 改善の試金石
高松宮記念杯始まる
2009.6.19 「毎日新聞」


 ◇5年連続赤字

 5年連続で赤字となる見込みの大津びわこ競輪=大津市二本松=で18日、年間売り上げの7割強を占める高松宮記念杯(宮杯)が21日までの4日間の日程で始まった。

同競輪は04年度に初めて赤字に転落後、累積赤字は約14億円にまで達する見込みで、今大会は今後の経営の行方を占う正念場となる。

初日の18日には4603人の入場者があり、運営する市公営協議事務所の杉本広延所長は「イベントで競輪場に足を運んでもらえるよう工夫し、経営改善につなげたい」と話している。

 同競輪の昨年度決算は1億7800万円の赤字となる見込みで、一昨年度よりさらに赤字幅が拡大するなど不振が続く。

市は昨年11月、単年度収支を09年度に黒字化し、12年度以降は、営業収支で1億3000万円前後の黒字体質に安定化させる収支改善計画を策定した。

計画達成への試金石となる今回の宮杯では、関西で初めて重勝式車券「チャリロト」も導入し、昨年度比6%の売り上げ増を目指す。

 土日曜の20、21日には、家族連れ向けアトラクションやお笑いステージ、ネイルアート、似顔絵コーナーも企画。

中央スタンドでは、専属女性スタッフによる初心者向けの競輪の説明なども準備し、幅広い層への来場を呼びかけている。【安部拓輝、稲生陽】