【注1】  
 『うつほ草紙』文庫版1巻の注によると、乳母とは「同時期に出産した健康な女性」がなるということですから、俊華牙と春音は同じ年になります。

【注2】  
 作中ではレイの滅亡は俊華牙とセライ・ナジャが出会ったときの10年前となっていますが、 実際には13世紀にモンゴルに滅ぼされるまで繁栄していました。

【注3】  
 作中では俊華牙の出国後すぐに「右大臣キヨハラナツノって人も 奥方も殺されて-- ほかのキヨハラ家の人達も みんな役を解かれてちりぢりバラバラ」(『うつほ草紙』第7話 生命樹の楽)、清原家は断絶しています。しかし俊華牙の父とされている清原夏野の実際の没年は837年。833年に『令義解』を完成させる等の仕事を残しています。 清原家自体も途絶えることなく続いています。(『うつほ草紙』では仲忠が復興させたのですね。)

【注4】  
 いささか唐突な事項ですが、作中にも「この10年あまり天変地異続きでの」(『うつほ草紙』 第12話 織女風の楽)というせりふがあるように、ハレー彗星も天変地異と思われたのではないか、と思って入れてみました。