平成20年7月7日 反りの調整

 今日は仕上げの様子を書いておきます。

 今年の焼き入れで仕上げられそうな刀が何口か出来ましたので、今は仕上げの仕事をしています。(もっとも、私は近くに迫った講演の台本書きと、資料画像の整理で手がいっぱいですが。)焼きの入った刀に、車砥をあてて仕上げられそうだと判断された刀は、合を取り(焼き戻し)反りの調節をします。方法は至って簡単で、銅の塊を赤めて刀の棟にかませると少し刀が反ります。反りが強すぎる時は鎬地を鎚で叩いて締めてやると刀は少し伏さります。


銅の塊を刀の棟側にかませている所。

 反りの調整が終ると、左右の曲がりも刃鎚で叩いて直します。次に茎の部分を火床で赤めて焼きをもどし、茎の反りや曲がりも直します。これで刀の姿が決まります。見ていると簡単そうですが、これで刀の反りが最終的に決まってしまいますから、時間をかけて丁寧にやっています。


反りの調整の終った刀

 後は茎の余計な肉ををヤスリとセンで削り、鍛冶押しへと進めます。

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