平成20年4月26日 春の弟子の仕事

 今日は和田君の春の仕事の様子をちょっと紹介いたします。彼は去年の今頃は、自分の部屋の床張りなどの内装をやっていましたが、今年もまた大工仕事をやっています。


大工仕事中の和田君

 で、出来上がったのは、こちらの研ぎ台と水桶などの道具一式。私の工房では自分で使う道具は基本的に使う人が自分で手作りしています。そうすれば、壊れた時に修理が出来ますし、作り直す事も出来ますからね。


完成した研ぎ台と水桶などの道具一式

 写真では分かりにくいですが、この水桶は立派な槙の木?だったかの一枚板から切り出した材料で作られています。銘木屋さんへ行けば、かなりの値段がつくと思うのですが、私のお客様でもある工務店の社長さんが持ってこられた物で、どんどん使って下さいとの事でした。ああもったいない!! でも、これらの仕事の仕上がりはなかなかの物で、社長さんから和田君へは「鍛冶屋より大工にならないか?」とのお言葉を頂きました。いつもはちょっと口の悪い社長さんですが、これは最大級の褒め言葉だと思います。
 という訳で、私も和田君に研ぎ台を一つ作ってもらう事にしました。(下仕事を言いつけるのは親方の特権です。)


同時に作ったセン台

 更にこちらは、セン台と付属品。このセン台に使われている木は欅で、木口の様子からも分かる様にとても立派な代物です。これも社長さんから頂いた木で、古い大きな家の大黒柱だったとか。それをこのように切って使っているのですから、こちらもまたもったいない話ですが.....。私の使っているセン台など、弟子時代に隣のおじさんが邪魔になる木があるので切ってしまったが、要るなら持って帰ってもいいよと言われて頂いた木です。一応欅ですが、直径は25センチもなく、かなり反っていました。それをなんとか挽いてもらって、セン台に仕立てていまだに使っています。なんだか弟子に差をつけられてしまった感じがしますが.....。でもこれらの道具は一生物の道具ですから、大事に使えば素材の値打ちを十分発揮出来ると思います。

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