平成19年10月21日 今年もたたらを始めました

 このサイトをいつもご覧の方は既にご存知かと思いますが、今年から妙見山麓遺跡調査会の企画で、何回か私の工房の見学が計画されています。そして先日はたたらの見学の日だったのですが、遠方からも多くの人が見学に来られました。


たたらと、ペレットを作っている和田君

 私のたたらの目的は出来た地鉄で刀を作る事に有ります。ただ単に鉄が出来れば良いというものではなく、出来た地鉄には刀を作るのに十分な品質が要求されます。それも採算が合うレベルでの仕事でなければいけません。ですから、砂鉄と木炭を使い、出来るだけ低い温度で銑鉄を効率よく作る事が要求されます。この問題を解決する為に、今はこの写真の様に、現代の手法も取り入れた炉を使って銑鉄を作っています。

 でもいつかは、古いたたらを再現する様な手法で銑鉄を作り、それで刀を作りたいと考えています。ただ、多額の資金を出して其の為の施設を作り、昔の様な効率の良くない操業方法で銑鉄を作っていては、どう考えても採算が取れそうに有りません。昔の鉄は、今とは比べ物にならないほど高価な素材だったという事が容易に想像出来ますね。そんな材料で刀を作るとという事は、結局、作品の価格に反映させなければいけなくなりますが、私にとっては、そこがまた難しい問題なんですね.....。

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