平成19年9月15日  千種見学旅行

 15日は、地元のNPO法人妙見山麓遺跡調査会の勉強会のお付き合いで、兵庫県の西の端、宍粟市千種町にある、「天児屋たたら公園」やその付近の史跡見学へ行ってきました。このNPO法人では月に二回ほど播磨風土記の購読会や、昔のたたらや銅の生産に関わるの勉強会、見学旅行等を行っていますが、今回は日本のたたらの発祥の地との言い伝えの有る千種へ出かける事になりました。

 この日は、朝8時に集合して最初に「天児屋たたら公園」へ行きました。ここは昔たたらを吹いていた場所で、今は公園として整備され、傍らには資料館も建っています。


公園内に有る資料館

 天児屋たたら公園は、本線から少し外れた谷間の細い道を入った山の斜面に有ります。今は建物は無く芝生が植えられて、きれいな公園になっていますが、まるで山城のように石垣が整然とくまれていて、昔のたたらの山内の様子が想像出来ます。また、資料館には復元ジオラマや説明ビデオが設置してあり、たたらに関する資料が展示してあります。ここは温泉施設も有る千種高原ネイチャーランドの入り口に位置しますので、遊びに行ったついでに、ちょっと見学をしに寄るのも良いかもしれませんね。

 次に千種の岩鍋辺地区に有る石碑を見学しました。神話では、高天原から鉄造りの神様、金屋子(かなやご)神が最初に地上に降り立って、鉄作りを伝えられたとの言い伝えの有る地です。


日本の製鉄発祥の地の記念碑

 金屋子神はその後白鷺に乗って、出雲の比田村黒田に行かれたと言い伝えられていますが、この谷筋にも先の天児屋と同じ様なたたら跡が整備されずに眠っています。千種には他にも砂鉄の採取場所だった鉄穴流しの跡など沢山残っていて、一帯の山は製鉄遺跡だらけです。でも夏場はマムシが沢山いるそうなので、勝手に山へは入らない方が良いみたいですが.......。

 それからこの日は、帰りに波賀城史跡公園に寄りました。千種町からは山を一つ越えた国道29号線沿いに有る小さな山城です。城は恐ろしく急な山の上に有りますが、車が通れる道が付けてあり、駐車場から更に徒歩で10分ほど登った所にお城の建物が有ります。


波賀城史跡公園の山頂に有る城

 この城は室町時代から存在していた麓の城を、16世紀中頃に更に堅固な城にする為発展的に築城し直したものだそうです。その後、何度か改修されたようですが、現在有る建物は最近復元されたもだそうです。登るのは少し大変ですが、流石に城からの眺めはなかなか良いですね。

 更に国道29号線を南へ少し下ると播磨国一の宮の「伊和神社」が有ります。全国でも珍しい北向きの社殿が有り、神代の昔から多くの言い伝えに彩られた神社です。


播磨国一の宮の「伊和神社」社殿

 なにせ土地柄の古い地域ですから、この辺りの昔話は書ききれませんが、興味の有る方は宍粟市観光協会のサイトを参考にしてください。

http://www.shiso-kankou.jp

 何だか、宍粟市の観光案内の様な内容になってしまいましたが、今回はこういった所を見学して、郷土史家の先生方からお話を聞きながらの見学旅行でした。なお、NPO法人妙見山麓遺跡調査会の勉強会に興味の有る方は、妙見山麓遺跡調査会のサイトに案内が書いてありますので参考にしてください。

http://www.geocities.jp/myouken_iseki/

妙見山麓遺跡調査会では、私の工房の見学会も企画しています。

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