平成19年8月17日  不発弾

 この時期に不発弾とはちょっと危なっかしい話ですが、実はこの背嚢の事です。去年は個展の後始末で夏場の修行に行けなかったので、今年こそはとかねてから準備していたのがこの背嚢です。


この夏の不発弾

 今年の修行の目的地は富山、長野、岐阜県境付近にある「高天原温泉」。最寄りのバス停から「徒歩2日」の超山奥の温泉で、途中、少なくとも山小屋に一泊しなければたどり着けない黒部川源流地帯の秘境の温泉です。行くだけでも往復に都合4日、出発は前日から夜行で行きますので実質5日はかかります。一昨年に行った時は、長野県の上高地から入り、槍ヶ岳、双六、三俣蓮華、鷲羽、水晶と縦走して、この温泉で2泊し、帰りは雲ノ平でのんびりとお散歩をして、三俣蓮華、双六、弓折から鏡平を通り、新穂高温泉へ下りる8日間の贅沢な修行で大満足でした。(この時の日記はかなり書き進めたのですが、あまりにも長く、途中の記憶が少しあやふやになったので、掲載を諦めてしまいました。)中でもこの高天原温泉は特に気に入ったので、今年も一週間を当てておおいに修行をするつもりだったのです。

 所が、夏休みの初めに安請負をした仕事のおかげで、少し出発が遅れてしまい、いよいよ出発しようとしていたら、今度は家の事情で2日早く帰ってくるようにと釘を刺されてしまいました。日程の前一日、後二日削られて修業期間が実質四日半になってしまいました。それでも夜から出て、最短距離を通れば高天原温泉へは行くだけならなんとか行ける距離なのですが、最低でも一日、谷川に掘られた露天風呂につかって、ゆくり麦酒を飲む事が目的だったので、それがちょっと無理かなと思うとなんだか急に気力が萎えて来てしまった。昔なら、すぐに目的地を変えて他へ走って行っただろうに、最近少し老いぼれてしまったか?

 結局この不発弾を残して今年の夏場の修行は沙汰やみとなってしまいました。お盆も終わり、下界の度外れた暑さにへきへきしながら、消化不良の夏休みが終わろうとしています。(山の上は日中でも20度くらいなんだけどなあ。)

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