平成18年6月5日 6月の東下り2

  5日の朝、昨日し残した仕事が有り再度佐野美術館へ顔を出し、午前中にお江戸へと向かいました。今日の仕事は宮入一門会の会合に出席し、お付き合いのある刀剣商のお店やお客様を回り営業活動をする事です。せっかくお江戸に出て来たのですから、いつも出来るだけ時間を無駄にする事なく色々な所に顔を出そうと思っています。月給取の皆さんもこんな感じでお仕事頑張っておられるのかなと思ったりもします。でもそこは自営の鍛冶屋ですから、結局こちらはタガの緩んだ営業活動になってしまうのですが.......。

 まあそう云う事で、最初に行ったのは新宿にあるホテルで、ここでは宮入一門会の会合がひらかれます。この会合は毎年この時期に開かれていて、出る議題もそれほど難問も無く、会は短時間のうちに和気あいあいと終わり、すぐにホテルの食堂での親睦会へと移ります。まだ昼の2時過ぎだというのに皆さん麦酒を飲んで、仕事や展覧会の話に花が咲き上機嫌です。刀鍛冶はいつも昼間っから酒を飲んでお気楽にやっている訳では有りませが、なにせ展覧会は刀鍛冶の年に一度のお祭りで、今日はその前夜祭みたいなものですから特別です。結局この会は食事をしながら5時頃にお開きとなりました。

 でも私は展覧会など関係ないし、これから営業活動もしなければいけないのに断り切れず?? 麦酒をもう4杯も飲んでしまっているし.......。時間は中途半端でこの時間から本格的に飲みに行く訳にもいきません。でもそこはちゃんと良い営業先を考えてあります。それは私のお客様でご注文を頂いている方がこの新宿でお仕事をされているのです。今回はその職場の方へ行かせてもらう事にしました。ちょっと非常識ですか? ほろ酔い気分でお客様の職場へ押し掛けるなんて........。でも大丈夫です。その職場とは新宿にある居酒屋のチェーン店で、お客様はそこの店長です。この前から寄らせて頂いているのですが、ここならほろ酔い気分で行こうが、お客様の前でお酒を飲んでも失礼になりませんからね。何せこちらも店のお客ですから。てな訳でこの店で今度は腰を据えてちびりちびりと始めます。そうこうするうちに店長さんもその日の仕事を切り上げ一緒に飲み始めました。勿論ここは私の接待ですから私のおごりです。昨日のお店とは違う意味で従業員のサービスもまた上々でした。

 そんなこんなでウダ話をしながら飲んでいると、関の刀鍛冶の悪友から早く浅草へ来いと催促の電話です。時間は9時前くらいか? 浅草の店としてはやけに早い出勤ですが、まあどうせ今日も浅草で泊まる事になっているので、ここで場所を変える事にしました。当然、店長さんも一緒です。地下鉄を乗り継ぎ浅草へ、観音様の横を通り抜け、宿に荷物を置かせてもらい、行きつけの飲み屋へ着いたのは10時前頃か? 悪友は既に出来上がっていていい気分です。店長さんを紹介して今度は濃縮麦酒を本気で飲み始めます。しかしこの辺りで細かな記憶は少しづつ消えてくる。12時過ぎた頃だったか飲んでばかりいるとお腹も減って来るので、そろそろ切り上げて少しお腹に物を詰め込む事にした。

 これまたこの界隈の行き付けの居酒屋へ移動。ここでお腹のふくれるモツ煮込みやなんかを注文。でもそれだけ食べる訳にもいかず酎ハイも注文し、またウダ話を始めるが店長さんがダウン。どうも毎日のお仕事でお疲れの様子。激戦区の居酒屋の店長さんてかなりきつい仕事のようだ。私など軟弱の輩にはとても勤まりそうにない。1時を過ぎた頃か、こちらもそろそろ話のネタも尽きて、くたびれて来たので今日はお開きということになった。店長さんも一緒の宿に泊まらないかと勧めるが、何と彼は取り敢えず店へ帰ると言い出した。彼のお店はまだ営業中なのである。何と凄まじい職業意識であろうか!! 結局店長さんはタクシーで店へ帰り(本当に店へ帰ったかは不明)我々は向かいの宿へ這う様に帰り就寝。結局この日は中休みを取りながら12時間仲間との情報交換や営業活動の接待をして飲み続けた事になります。今日も沢山お仕事と肝臓の鍛錬をしてしまいました。ちょっと明日が心配だけど、おやすみなさい.....。

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