平成18年5月18日 最後のあがき

 いよいよ個展に出品する作品の仕事も大詰めになりました。この太刀はちょっと頑張って精一杯の彫り物を施してみました。私の習った親方の所では樋の彫り方は習ったものの刀身彫刻はやっておらず、私も習わなかったのですが、独立してから無理矢理、有名な先生の所に押し掛けて、少し手ほどきをしてもらいました。(習いに行ったのは3日間だけでしたが....。)

 若い頃はそれほど刀の注文も無いし、暑い夏の間、火を使う仕事もしたくないので、最初は時間つぶし程度にやっていたのですが、慣れて来るとこれはこれで面白く、半分我流でここまで来ました。ですから、玄人の人達にはあまり見てほしくはないのですがね.....。

 
彫り物の全形と梵字の部分の拡大写真

 相州伝に限らず、刀は姿・地鉄・刃文の調和が重要です。刀身彫刻もその中に有って納まりを考えて彫るのが重要なのですが、刀鍛冶が彫る場合は、刀の火造りから刃文を決める焼き入れの段階まで、全ての構成を自由に考える事が出来ます。ですから、こう云った作品も自分の思う様に作れる所が楽しいですね。相州上工の作品によく梵字や素剣を彫ったものが有りますが、そう云った作品を見ては、いつかは自分もこんな作品を作りたいと真似事をしている訳です。

 これも研ぎが間に合えば個展に出品したく思います。研ぎ師さん後は宜しく.......。

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