平成18年5月3日 松田さんの火入式

 また千葉に来ています。今回は刀鍛冶の松田さんの鍛錬場の火入式です。

 去年の日記にも書いていますが、松田さんは千葉市の郊外のご自宅の裏に新しい鍛錬場を作られました。今回はそのお披露目を兼ねた火入式です。私は別にこれといってお手伝いをする訳でもないのですが、(前の日から浅草寺裏辺りで飲んでいて、二日酔いでお手伝いする気にもなれませんが....。)まあ強いて言えば、仕事着を着てうろうろする通行人の様な役割ですかね。

 火入式では一般的な神事の後、打ち初めと言って鉄の棒を叩いて火をおこし、先手を使い大槌で玉鋼を打ち延ばす鍛冶屋独特の神事が有ります。大槌を振るのはもっぱら弟子や独立したばかりの若い刀鍛冶がやります。(二日酔いのおっさん鍛冶屋にはちょっと無理。)これが鍛冶屋の火入式の最大の呼物で、お集りの方々は、神主さんを含め初めてご覧になる方も多く、仕事場の中は大変な混雑でした。


沢山の人で仕事場の中の撮影は出来ませんでした

 そんな中、私が感心したのはお越しになっているお客様の顔ぶれです。刀剣関係はもちろんの事、儒学者? のえらい先生から金属工学の先生他、そのお付き合いの広さと深さに驚かされました。お江戸に出て来る度に深酒をして、二日酔いで火入式に来る様な田舎の刀鍛冶とはえらい違いです。私ももうちょっと真面目に修行しなければ............。肝臓の鍛錬なんかは得意なんですけどね。

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