平成17年11月7日

 今度は本格的な親方のたたらです。大きさは弟子のたたらの数倍は有ります。羽口(空気を炉内に送り込む口)も4つ有ります。この炉では「けら」(鉄の塊)ではなく「銑」(ずく=ドロドロに溶けた鉄で、一般には銑鉄(せんてつ)と呼ばれています。)を作っています。

たたらの様子

 こちらは「のろ」(鉄を作る時に出来る不純物を含んだ滓)を流しだしている所です。調子の良い時はドロドロに溶けた溶岩の様に流れ出てきます。

のろが流れ出る様子

 そしてこちらは出来た銑の塊です。銑はとろとろに溶けた状態で出てきますが、それを容器に受けてこの様な型に流し込みます。江戸時代の玉鋼の作り方とはかなり様子が異なりますが、現在では、室町時代やそれより古い時代では、この銑を作るのが製鉄の主流だったと考えられるようになって来ています。私の工房でも、より古い時代の鉄を作る事を目指して、製鉄方法を研究しています。

まだ冷めきっていない出来たての銑

 今年はこの様にして合計150キログラムくらいの鉄を作りました。これで1年間は十分刀を作る事が出来ます。

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