平成17年6月8日

 平成17年新作刀展覧会を見て来ました。今年はこれと云って驚く様な作品は有りませんでしたが、いつもの人が特色のある作品を出していました。その中でも文化庁長官賞の松田さんの作品の小乱れの刃文は流石で、古備前の雰囲気が良く出ていました。ただ、ガラス越しでしか見る事が出来ず、地鉄の状態や映りもはっきり見る事が出来ないのが残念でした。

 他に、今年で2年目の工藤君の太刀も素晴らしい出来でしたね。彼は最近群馬県で仕事場を開いたばかりですが、太刀の姿の美しさや、上手に鍛錬された地鉄、直ぐ刃の刃文もむらが無く、その作品には、かなり古手の刀鍛冶の様な落ち着きが有ります。仕事を始めていきなりこう云った作品を出されると、私達はちょっと困るのですがね。

 それから今回初出品の河内一平君の作品も良かったですね。師匠の宮入小左衛門行平さんや、兄弟子の川崎昌平さんの仕事をしっかり勉強しているのが良くわかる作品でした。これからどんな仕事をして行くのか楽しみですね。

 なんだか身内の事ばかりかいてしまいましたが、刀身彫刻の橋本さんの作品は、とても密度が濃くすごい迫力が有りましたし、刀装具の鍔やなどの作品も最近はレベルが高く力作が沢山出品されていて見ごたえが有りました。興味が有る方は是非見に行って下さい。

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