平成17年1月8日

 後口の悪いレポートで終わるのは気分が良くないので、お口直しを一つ二つ。

 最終日はハワイで一番高い山マウナケアに登るツアーに参加しました。標高4205メートル!! 富士山より高い!! 日本に居ては絶対に行ける高さでは有りません。山歩きの好きな私は最初から狙っていたスポットです。

 でもこの山、日本の山とはだいぶ様子が違います。ハワイ島全体が粘度の低い溶岩が吹き出して出来た盾状火山のため勾配が緩やかなので、山頂まで車で行く事が出来るのです。しかし空気は薄く、海面近くに比べると山頂は60パーセント位しか有りません。普段私たちの行く登山では、ゆっくり歩いて登りますから、それほど感じないのですが、一気にこの高さまで車で登ると高山病にかかってしまいます。ですから、途中で休みを取りつつ、高山病を防ぐ為に水を飲みながらのドライブ登山?? となります。

オニヅカ ビジターセンター

 スペースシャトル チャレンジャーの爆発事故で亡くなった地元出身のパイロット オニヅカさんの名前の付けられたオニヅカ ビジター センター(標高2800メートル)で早い夕食をとり、そこから4200メートルの天文台の集中するピークへ一気に駆け登ります。

左端の金色に輝いているドームが日本の「すばる望遠鏡」

 そこには前から見たかった日本の「すばる望遠鏡」も有ります。世界の国々の望遠鏡のドームが銀色に輝くその眺めは壮観で、なるほどここが世界で一番宇宙に近い場所だと納得出来ました。

 

 しかしここは寒い!! あたりは雪が降り積もり、スノーボーダーが美しいシュプールを残していますが、既に日は傾き気温はどんどん下がり、雪はアイスバーンとなり氷の様に硬くしまっています。私は日本から持参した防寒着を着込み、ここからすぐ近くの本当のこの山のピークへちょいと登山をしました。同行している女性陣は備え付けの分厚い防寒着を着ていますが、とてもそんな気にはなれそうにない様子で、すぐに車に戻ってしまいました。

 古い読者の方はご存知かと思いますが、私は時々日本アルプスに登ります。でもこの高さの山は初めてです。冬山装備とまでは行きませんが、ブレスサーモの下着や厚手のスエットシャツ、ダウンのベスト、冬用の革の手袋、夏山で使うレインジャケットなど、携帯に便利なかさの低い防寒着を何枚も重ね着してのピークアタックです。

 本当の山頂は駐車場の直ぐそばなのですが、かなり短時間でここまで来ていますから、体が十分慣れていないと思われますので、急な運動はとても危険です。日没が迫ってきましたが、慌てずゆっくり歩いて隣のピークへ登りました。稜線や山頂付近は強い風で雪は吹き飛ばされて、石ころが露出しています。この山の山頂一帯は昔、氷河に覆われていたそうで、日本の高山に有る様なガレ場の様相を呈しています。でも石は全て黒褐色の溶岩ですが。

マウナケア山頂での記念写真
(人に撮ってもらったのでピンぼけになってしまった。)

 そんなガレ場を歩いてやっと日没前に山頂にたどり着きましたが、風が非常に強く、ものすごく寒く感じます。殆どのツアー客は強風と寒さのあまり、日没を待ちきれずに車へ帰ってしまいました。私は愛用の登山装備のおかげで何とか我慢出来ましたが、露出している顔面は凍り付いてしまうかと思う程で、ハワイに来て生まれて最強の寒さを味わう事になってしまいました。

祭壇の向こうに沈む夕日

 山頂にはハワイの原住民の人たちの祠と云うかケルンの様な祭壇が有り。四方に木の柱が立ててあります。よそ者の私がここに立たせてもらう事を許してもらえる様に、一応、心の中でお祈りをしてから、海の彼方に沈み行く荘厳な夕日を堪能させて頂きました。(日本語でお祈りしたので通じなかったかな??)

戻る