水仙について

水仙は、地中海岸原産で、中国を経て日本に来ました。漢名は「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」という中国の古典に由来します。
学名はナルキッソス(narcissus)。ギリシャ神話の美少年ナルキッソスにちなんんでいます。ナルキッソスは、美しいが為にさまざまな相手から言い寄られます。しかし、高慢にはねつけ反感を買い、復讐の女神ネメシスにより、水鏡に映った自分自身に恋してしまうようになります。彼はそのまま憔悴して死に、その後に咲いたのが水仙。たくさん種類がありますが、その時の水仙は早咲き水仙(ガリル)だといわれています。花をやや下に傾けている姿は、水面を覗き込むナルキッソスの面影を思わせます。花ことばには「自己愛」「うぬぼれ」などがあり、「ナルシスト(自己陶酔者)」という語もこの神話から生まれました。
育て方
植えつけ適期は秋(霜の降りる前)です。日当たりと通気のよい所が最適です。庭植えでは球根の2〜3こ分の深さに植えます。植えつけ時から開花までは、リン酸分の多い肥料を施しましょう。窒素分の多い肥料(油かすなど)を施すと、花つきが悪くなることがあります。開花後は、カリ分の多い肥料を与えて、葉と茎が枯れるまで切らずに置いておきます。葉を切り取ると球根が大きくならず、翌年の花が期待できませんので、絶対に切らないようにしましょう。葉は、6〜7月頃に自然に枯れてきます。