ハベラさんからの頂き物 ToHeart SS (^^

闘え!来栖川執事 セバスチャン 第38話 〜古本屋前の激闘〜


これまでのお話:来栖川執事セバスチャンは芹香お嬢様を護る為に、日々肉体を駆使して戦い続けるのであった!

「ねぇねぇ、俺達と遊ぼうぜ?」

「いいだろ?ねぇちゃん」

「………」

どこぞのこわっぱどもに囲まれて、困惑の表情を浮かべている芹香お嬢様。

男達はニタニタといやらしい薄笑いを浮かべて、彼女に迫っている。

が、そんな事をあの男が黙ってみている訳がない。

「待てぇい!お嬢様から離れんか!このこわっぱどもめ!」

「だ、誰だ!?」

「来栖川執事、セバスチャン!助けに参りましたぞぉぉっ!お嬢様!とおぉぉぉっ」

しゅたんと唐突に現れるセバスチャン。

「どこから現れやがった!?このジジイ」

「やっちまおうぜ!」

3流悪役のような台詞を吐き捨て、セバスチャンに迫りかかるこわっぱども。

が、そのような相手がセバスチャンに勝てるわけもない。

「こざかしいわぁぁっっ!愛のセバスチャンアッパァァァァァッッ!」

先陣を切ってセバスチャンに飛びかかる男の顎にアッパーが見事に決まる。

アッパーを食らい、男は綺麗に弧を書いて地面に叩き付けられた。

もちろん失神している。

どこが愛かどうかはこの際気にしない。

「お、おい大丈夫か?」

男の片割れが声をかけるが返答はない。

白目をむいてがっくりと意識を失っていた。

「ふんっ。今なら地面に頭をすりつけるような土下座の上に前歯の2、3本折った上に、奥歯ガタガタ言わせ、

肋骨が1本足りなくして、顔が変形して分からなくなるくらいで許してやらんでもない。私も鬼ではないからな」

「鬼じゃねぇか!どう考えてもっっ!!」

にやりと鬼神のような笑みを浮かべるセバスチャン。

どうやら男に降伏などという言葉はすでに存在していないらしい。

「クソっ。ぶっ殺してやる!死ね!ジジイ」

ポケットから取り出されるバタフライナイフ。

ナイフの刃がぬらりと不気味に光を反射している。

まるでこの男の心情を読みとるかのように。

「ヒカリ物を出せば恐れをなすと思うくわぁぁぁっっっ!!!」

セバスチャンの身体が一回りくらい大きく見える。

その気合いにビクリと身体を縮める男。

が、それは一瞬で、狂ったかのようにセバスチャンに飛びかかってくる。

ナイフを握りしめたまま。

「貴様などに生きる資格もないわっ!セバスチャン、正義の逆水平!」

男の持ったナイフを折り、セバスチャンの逆水平が男の胸に突き刺さるようにヒットした。

ぐらりと倒れる。

「止めぇぇぇっっ」

倒れた男の腹部を体重の乗った拳でおもいっきり殴る。

ビクンと身体を痙攣させたと思うと、その男は動かなくなった。

表情には苦悶がありありと現れている。

この際、倒れた男が泡を吹いているなど些細なことでしかない。

「ふんっ!芹香お嬢様に手を出そうなどとはっ!」

吐き捨てるようにそう言い切ると、セバスチャンはくるりと背を向けた。

目線の先には芹香お嬢様。

「…………」

「え?やりすぎではないですか?と?おおっ。なんとお優しいっっ。このセバスチャン感激の嵐でございますっっ」

持っていた白いハンカチで涙を拭き、感激している。

その涙は土留めなく、セバスチャンの頬をぬらしていたが、意識があれば男達は別の意味で涙していたに違いあるまい……。

今日も夕日が綺麗だった。



次回予告:またしても現れるお嬢様に忍び寄る魔の手。セバスチャンはそれを振り切ることができるのであろうか!?

次回 闘え!来栖川執事 セバスチャン 愛のニックネームの秘密!

次回もしっかりチェックせよ!悔しかったら愛のニックネームを手に入れろっ!

 

つづく?



ハベラさんより頂いたHP開設記念SSです(^^どうもありがとうございました!!
来栖川家に仕える忠実なる執事セバスチャンの華麗なる日常を描いて、はや38話!!(笑)
39話はあるのか?そして37話まではどこに行ったのか?私にもわかりません(爆)