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1.電流と電圧
電流は,『導線の中を単位時間中に通る電気量(クーロン)』と定義されています。クーロンの単位は(C)で,1C=1A×1秒となっています。電気分解においては96500Cの電気量であたる1F(ファラデー)が流れると,1グラム当量の物質が析出します。電子の数に換算すると,1Fの電気量でアボガドロ数個(6.02×1023)が流れたことになります。つまり,電流は流れた電子の絶対量に比例し,電流こそが電気そのものといえます。小学校の学習も,初めに電流ありきで進みます。
2.電池スタンドの特徴 そこで,斜め縦型の開放型トレー構造とした,作りやすく使い易い「電池スタンド」を工夫しました。。 (1) 斜めV型トレーによって,覆いのない開放型構造となり電池の出し入れが簡単。 (2) 縦型であるため,電圧を高さでイメージできる。 (3) 開放型であるため,電池の存在を目で簡単に確認できる。 ・電源電圧が,同じ実験グループメンバーの誰からでも常に見える。 ・電源装置と違って電圧が,1.5V→3.0V→4.5V→6.0Vと段階的に変化するため実験結果を大雑把につかみやすい。 ・6V以上が必要な場合は,複数台を直列接続すればよい。2台目からは棚に置いて高くすると,なおよい。 (4) 簡単な構造で壊れにくく,製作や補修が簡単。 (5) 用いる乾電池は,消耗を気にしなくてよい単一型とした(単二型も使用可能)。 「接点について」
「並列つなぎについて」 「黒板掲示用の電池スタンド」
3.100V電池スタンド 斜め縦型の電池スタンドは,1981年に棚用のアングルを用いて作ったものが最初です。30cmサイズのアングルの端を斜め外側に曲げて,板にねじ止めしました。分厚い鉄を曲げるのは難しく,1実験室分の24台作るだけで大変でした。 100V版の縦型電池スタンドは,2m40cmのアングルを2本つないで(間は2本の皿ビス留め)作り,床から天井へ斜めに立てかけて実験しました。電池を積み上げるに従って普通の100V電球が見事に点灯して感激しました。乾電池に異常(発熱など)はありません。 この実験をあちこちで紹介しましたが,ほとんどの先生が「乾電池では100V電球が点灯しない」という予想をされました。「電池の内部抵抗が大きすぎる」という理由や,逆に「大きな電流が流れて乾電池が爆発する」という意見が多く,楽しい議論ができました。いろいろな応用が可能で,興味深い授業ができます。 (注意)100Vは危険で,生徒実験には適しません(演示実験に限ります)。 |