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1.はじめに
贈呈版「パスカル電線(S-cable)Ver.2」用パーツパネルの製作紹介です。アクリル板加工の実際を見ていただき,教具製作自作の参考になればと思います。 アクリル板(キャスト)は,昇降盤での切断やボール盤での穴開け,ヤスリ仕上げなども可能で,アルミ板より量産加工に向きます。ただ,ガラスのように割れやすく,鋭利な破片の飛び散ることがあります。しっかりした工作機械と手馴れた方の指導・助言は必須です。 贈呈版「パスカル電線(Ver.2)」は,ある程度の数をこなす関係でアクリル板を用いましたが,少数の製作なら電子工作用のアルミシャーシを加工したほうが簡単で安全だと思います。手近なプラ容器でも可能ですが,穴開け加工時の割れに注意が必要です。 パーツパネルには,アクリル板に「ターミナル」2個と「±切替中点OFFスイッチ」を取り付たものです。図1のように一般的なトグルスイッチを用いると,丸穴を開けるだけで済みます(作業は楽です)。しかし,当初よりスライドスイッチに拘りました。電流の流れる向きがわかり易いからです。 (最近,図11のような大型スライドスイッチの入手は難しくなり,図1のようなトグルスイッチ仕様を試作中です。)
※ここで取り上げた工作による「パスカル電線(S-cable)Ver.2」贈呈は,こちらのページ→「パスカル電線(S-cable)」概要からご覧ください。 2.パスカル電線(S-cable)Ver.2のパーツパネルの製作 『拘り続けたスライドスイッチ!』 アクリル板に細長い「ツマミ穴」を開ける必要があり,少しやっかいです。数個ならボール盤で穴を開け,やすり仕上げでも可能です。しかし,数が多くなるとルーター(簡易なフライス盤)という機械を使うことになります。 (1)加工位置の作図 指定寸法(220×26mm,厚さ3mm)のアクリル板は,netで業者発注できるようになって助かっています。
(2)溝彫り作業 ルーターという工作機械で溝を彫ります。M6のルータービットを用いました(図3)。 ルーターがなければ,ボール盤で穴を並べて開け,ヤスリで不要部分を削り取ります。
(3)穴開け加工 穴開けは,ボール盤で行えます。刃は鉄鋼用が使えます(図7)。
(4)ざぐり加工 スライドスイッチはビス留めします。ざぐり穴を開けて皿ビス留めすると出っ張りがなくてきれいです。 3mmの皿ビスの頭の直径は6mmですから,M6の刃でざぐります。ボール盤のストッパーでざぐる深さを規制しますが,精度を出すために保護紙をとり下板もなしで作業します。少しのゴミがあっても精度がでません(図8)。 スライドスイッチのツマミ用細長い穴の角落としは,専用器具を用いました。直径の大きな長い刃が必要となるからです(図9)。
(5)パーツの取り付け パーツパネルに,「ターミナル(赤と黒)」と「スライドスイッチ」を取り付けると完成です(図10,11)。
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