★ 近況(2008年1月〜4月)★ 

  

2008年1月2日(水)  「新年」
昨日,今日と,身内での会食が続きます。そろそろ転職や退職を考える方が増えるとともに,健康も気になることがあって,微妙な変化を感じます。また,昨年末は,「不幸で賀状を失礼します」というはがきが,毎日のように届きました。そんな中,とにかく,新年を迎えられたことに感謝します。
2008年1月11日(木)  「カルメ焼き」
新春早々,もう,講座の開催。テーマの一つのカルメ焼きは手馴れているはずですが,担当者は少々苦戦。どうやら,気温が関係しているようで,表面が早く冷えて膨らみにくいようです。考慮しなければならない新たな条件に気付くことになりました。いろいろと悩まされますが,そこがおもしろい。
2008年1月12日(土)  「研究会」
昨夜,出発し,朝から名古屋市での研究会に参加,いろいろと交流しました。午後は,「でんきの科学館」の視察。多くの見学者が訪れており,整備された展示品に感心します。特に,琥珀から始まる電気の科学史をきちんとした展示しているのは見事です。特定分野の展示で網羅された企業展示は,上手くまとまっているところが多いようです。また,科学館の正面には雰囲気の良い喫茶スペースが位置し,同じフロアーにステージという素敵な組み合わせです。ステージ上の,最も見晴らしがよいところに実験工作スペースがあるというのも,見事な配置です。展示場に入る前に,ファンにさせられます。
2008年1月26日(土)  「アクア・トトぎふ」
サービスエリアにある公園で,個人では何度も訪れています。今回は,そこにある「アクア・トトぎふ」の研修ツアーですが,バックヤード見学もあって,とても楽しめました。最も印象的だったのは,K水園上流の壮大な張りぼての石組み‥あまりの見事な出来栄えに唖然とします。s午後は「内藤記念くすり博物館」見学です。ここは,薬の充実した図書館があり,資料を送付してもらったことがあります。以前来たときは,「蘭引き」を「購入し,タイ国IPSTの所長へのおみやげとしました。江戸期の家庭に蒸留技術が普及していたということは,驚くべきことで,歴史の見方が一変するほどです。
2008年1月31日(木)  「プリンタ新発売」
本日,新発売のプリンタ(A3ノビ対応)を購入しました。前のプリンタの不調が理由ですが,日進月歩のパソコン用品は,修理をする意欲をなくさせます。全くエコロジーでは無いのですが,結局は,生きの良い最新機種の購入となりました‥多少,気持ちが引っかかるのですが。前と比べた画質は,全く別物と言ってよい派手なもので,写真は記録からアートの世界になっていくようです。
2008年2月8日(金)  「KBS京都出演と恩師」
水曜日の夕方に,KBS京都から,突然の出演要請。そして,本日の12時35〜55分に生放送出演となりました。夕方,高校の化学部の後輩にあたる方が訪ねて来られました。放送で 恩師の「藤原秀夫先生」に触れたことで,感激され,その報告でした。実は,私も,先生の名前を出すだけで涙が出てきたのです。お互い,素晴らしい(いつまでも頭の上がらない)恩師に出会ったことは幸せでした。
2008年2月15日(金)  「作業机」
娘の陶芸用作業机が納入されました。特注で,1ケ月ほどかかってしまいました。菊練りに耐えるに特別丈夫な造りで,大満足‥私が使うのではないのですが。退職した男どもは,蕎麦打ちか焼き物といった練り物がお好きなようです。私も,昔からやってみたいジャンルです。
2008年2月21日(木)  「みょうばん」
2月11日の日経新聞で,別府大学のT先生が,みょうばんの秘伝の製法を復活したということを知りました。みょうばんは,児童・生徒の結晶作りの定番ですが,本来の用途が知られていません。ましてや,昔の製法は話題にもならない‥そして,私も知らない。これではいけないと,調べ続けて数十年‥ようやく光が見えました。早速,T先生の連絡すると,丁寧な資料を送付していただきました。ありがたいことです。長年も止め続けてきたことが見事に記述され,ようやくすっきりしました。多くの先生に伝えようと思いますが,用途や製法など,ほとんど話題になっていませんでした。ここに,大きな問題を感じます。
2008年2月24日(日)  「京都自然科学教育研究集会」
京田辺市で,理科教育の研究会が開催されました。いつもは,京都市内だけでものごとを考えがちですが,京都は広いですね。
脳科学の講演を聴きました。脳科学は,人の本質を解き明かすだけでなく,科学技術の方向も脳を目指していることは,よく知られています。それだけに,興味深い内容でした。ただ,漠然としていて,よくわからない部分も多いようです。
2008年2月29日(金)  「共同研究」
今年の共同研究は「ろうそくの化学」。何とか,まとまってしまうもので,優秀なスタッフに感謝します。いつも新テーマで,オリジナリティを大切にすると,不安な研究となります。穴だらけで厳しい評価になることは予想できますが,光るものがごろご出てきます。自己評価としては,毎年のことながら,よくやっていると感心(いや,感動)します。
2008年3月2日(日)  「カラブーン」
タイ国でいただいた「カラブーン」の写真を撮影し,水曜日にあるテーマ別研究発表会用のパワーポイントに貼りこんでいました。タイ国では樟脳の利用が進んでいると思っていましたが,簡単には見つかりませんでした。なんと,防虫剤より芳香剤としての用途が一般的であることが原因でした。それが,「カラブーン」でした。IPSTの副所長が教えてくれましたが,彼の車の芳香剤だったのです。しかし,樟脳ボート遊びの文化はないようでした。
2008年3月5日(水)  「研究発表会」
昨日は,共同研究発表会,見ていただく学術顧問の先生は,所長をはじめ著名人ばかり‥片手間の研究でたいしたことは出来ていませんが,エっと驚かせる内容を用意したつもりです。本日は,テーマ別研究発表会。内容は,実に多様多彩で,多忙で厳しい中にも関わらず,多くの発表があります。義務ではない発表の機会というのは貴重で,センターのエネルギーの源泉のような発表会です。
私は,樟脳ボートの総仕上げといった発表‥幼い頃の天神市での出会い〜樟脳化学工業〜消滅〜復活へと,実に50年ほどの思いが詰まっています。タイで披露したので,そちらでの普及の方が早いかも知れません。
夜は,懐かしい教え子からのメールが来ていました。3人の娘がいるそうです。あの頃が,ずいぶんと昔のことになったようです。
2008年3月6日(木)  「巨大ダイコン」
農業をしている友人の先生にお米を注文し,奥さんが届けてくれました。美味しく安いお米であるだけでも感激なのに,たくさんの野菜をいただきました。その一つが,初めて見る超巨大ダイコン‥なんと5kgもありました。味は大丈夫?と不安になりましたが,とても美味しい。感謝!感謝!
2008年3月9日(日)  「法事」
母の23回忌,父の7回忌,案内状を差し上げた方々は遠方が多く,小さな法事になると思っていたら21名の参加となりました‥ありがたいことです。昼食の後,天神さんに案内し,最盛期の梅の花を観賞しました。ここは幼い時の遊び場で,亡き父母と過ごした地でもあります。思い出は,つい昨日のことだったようでもあり,夢の中の出来事だったようにも感じます。お寺に遺骨を納めるため,父の白い骨を取り分けたのは昨日‥軽く,簡単に壊れました。
2008年3月16日(日)  「即売会」
以前に娘の卒業した陶芸の訓練校の即売会。生徒が,この一年間に製作した作品が一斉に即売されます。手作りの微妙な味わいは素敵で,知ってしまうと夢中になるよさがあります。1時間半前に到着すると,8番目でした(奥さんは9番目)。安価こともあり,片っ端から購入したい衝動にかられます。しかし,本当は,購入するより私が作りたいのです。生まれ変わってからのことか,まだ,間に合うのか‥
2008年3月19日(水)  「雨」
夜になって雨が降り続いています。明日はお彼岸,16日にお墓参りへ行っておいてよかったです。10時頃になって夜遅くまで開店している書店へ出かけました。何となく手当たり次第に本を見ていると,「杉原先生ですか?」の声‥子供の顔つきの変化は早く,ほとんど思い出せませんが,名前を聞くとわかりました。いちばん最後の教え子だったとしても20年前のこと‥当時を思い出すだけで胸が一杯になります。生徒はもちろん,私も大切な青春のひと時だったのです。
2008年3月24日(月)  「出張」
R大学で企業による環境教育の授業実演があるというので,参加しました。少し期待していたのですが,残案ながら,地球温暖化の危機を煽る脅し教育のようなもの‥これでは,次代に担う若者はたまったものではありません。人は,今より良くなるから頑張るわけですが,その努力が報われても過去のある時点に戻るというだけです。本来,地球温暖化は大人のミスで,その後始末をするのが君らの使命だと訴えるのは,何ともひどい話です。国家の膨大な借金の肩代わりを,若者に押し付ける構図と似ています。小中学生あたりは素直に反応してくれるのですが,高校生あたりになって深く認識するようになると,環境教育は面白くない重苦しいものと考えます。
教育界では,こういった困難な状況をベースに,どうすれば前向きな環境教育になるかを工夫しているわけです。しかし,今日の模擬授業は,ゴアさんを真似た世界各地の状況説明の後,急に身近な3Rの説明へと移り道徳教育風の締めくくり!?。さらに,実験器具は,2個の赤外線電球で空気と二酸化炭素の入った容器を別々に照射するというもの‥同一条件にするのは無理で,不正操作が不可欠となります。これが,超有名企業の企画かと思うと悲しくなります。
セミナー参加者は,企業,教育界の草々たるメンバーで,彼らがどう評価したのか不安になります。その場で手を上げて指摘すべきですが,講演者は大真面目で頑張っておられるのは確か‥発言できませんでした。
2008年3月30日(日)  「法事」
伯父さんの一回忌。一年の過ぎ行く速さを,このようなことで認識します。法事の最中にボヤーとすると,伯父さんを探していることに気付きました。人は,恐らく,死んでいるより生きていることのほうが不思議なんですが,そのことに気付く貴重な機会でした。誰もいない岐阜の我が家は,スイセンの白い花で一杯で,びっくりするほどきれいです。父母が,私たちを歓迎してくれているようです。
2008年4月1日(火)  「新年度」
朝刊に,奥さんの退職が掲載されています。どちらが先に退職するか相談していた結果で,次は私の番‥奥さんの仕事が先に終わりましたが,これは,出発点でもあり,通過点でもあり,また,記念日?‥判断で迷うのは,私自身に置き換えて考えるからでしょう。しかし,そんなことを意識している余裕はありません。今日から新年度‥新しい所員さんを迎え,そのことで気分一新なのです。新しい実験準備は,遅々として進みません。その前に,どこまでやらねばならないのか?,めども立っていません。
2008年4月2日(水)  「タイ国の豪華本に掲載」
タイ国の教育省が116年目を迎えて刊行した記念の豪華本に,先日の講演会のことが写真と共に掲載されているという知らせが大隅先生から届きました。結果として不十分なことを反省していますが,それだけに,嬉しさが込みあげてきます。添付ファイルで掲載ページのコピーが届きました。表紙は,今年の1月に逝去されたタイ国王の姉君ということです。
2008年4月9日(水)  「懐かし!」
午後,かつての教え子がかわいい子供を連れて訪問してくれました。いろいろなことがあったと思いますが,昔とほとんど変わっていない様子が嬉しかったです。久々に気分の良い日となりました。
2008年4月13日(日)  「大原」
5日,12日と休日出勤があり,気がつくと,桜も散り始め‥大原なら間に合うだろうと出かけました。大原は寂光院と三千院が有名ですが,さまざまな名所があり,とても興味深い里です。今日は,奥さんと二人で,「宝泉院」の見事な額縁の庭園,そして山中の「音無の滝」などを楽しみました。
2008年4月15日(火)  「伏見康治先生」
先日(4月8日),元日本学術会議会長の伏見康治先生が逝去されていたことを知りました。先生には,東レ理科教育賞の授賞式でパスカル電線を絶賛していただき,これをきっかけに自信を得たのです。穏やかにして力強い先生の口調が忘れられません。先生と写した写真を取り出し,しばらく眺めていました。ご冥福をお祈りします。
2008年4月23日(水)  「新学習」
新しいセンター学習を初めて担当しました。今回も,新開発内容を含む画期的なもので,自画自賛ながらかなりの自信があります。体が不調続きで,いつまでも仕事が出来そうにありません‥それだけに,求めるものは高くなります。今回は,以前に開発した電気ペン染色をアップグレードしたもので,考え始めてから10年ほど経つだけに感慨ひとしおです。このような喜びを感じることが出来るのは,あと少しのようです。
2008年4月25日(金)  「腰痛」
コルセット,湿布薬,痛み止めの飲み薬‥寝返りもうてない状況ながら,かろうじて立ち上がって出勤‥これが最後の薬でしたが,病院へ行く時間的余裕はありません。ところが,帰宅すると薬があります‥奥さんがもらいに行ってくれたのです。ありがたいことです。明日は,「JSTイノベーションプラザ京都」での実験講座‥ぎりぎりの日々を送っています。
2008年4月26日(土)  「樟脳ボート」
JSTイノベーションプラザ京都で「親子科学体験教室」を行いました。学生時代から興味をもっていた「樟脳」,幼稚園のころから不思議だった「樟脳ボート」が,ようやくまとまったものになりました。完全復活どころか,新しい展開であり,会場名の「イノベーション」に適した内容だと思っています。いずれにしても,もう少しレポートを充実し,全国へ紹介したいと思っています。
2008年4月27日(日)  「雑草」
昨夜に出かけ,岐阜の別宅で雑草とりをしていました。理科では「野草」といって自然観察の愛すべき生命ですが,現実は,どう考えても雑草,人類の敵ですねえ‥。こういった解釈が出来るほうが,自然に近い生き方をしていると思います。
いつまでも独身で心配していた甥が,ようやく伴侶を見つけました。あまりに歳の違う若い素敵な奥さんです。お祝いを届けることができほっとしましたが,ウーン(-_-;)。
2008年4月29日(火)  「休日出勤」
休日は駐禁という指示で,徒歩と地下鉄での通勤となりました。朝は本を読む余裕もでき,それなりのよさもあります。しかし,疲れた帰宅時は辛いもので,肩にかついだ荷物で一歩ごとにギシギシと腰に痛みが走ります。地下鉄の駅に迎えに来てくれた奥さんの車に倒れるように乗り込みました。いつまで勤務できるのか,先行き不安です。