それは、月の綺麗な晩だった。

 その月の美しさにも負けない、二人の女性がリビングで優雅に紅茶を飲んでいたとき、それは起こった。

 

 カチャ…

 

「いい月だな、化物共」

 そう言って入ってきたのは、むさ苦しい眼鏡のおっさん…ではなくて、メイド服を着た少女だった。

「…いきなりご挨拶ね、那美」

 この屋敷の主…月村忍は、さすがにカチンときたのか、こめかみをヒクヒクさせながら、そう言った。

「えっと…神咲那美さん…で、間違いないはずよね、忍?」

 記憶にある少女とのあまりのギャップに、もう一人の女性…綺堂さくらが忍にそう聞いた。

「その通りだ。夜の一族の狼」

 でも、答えたのは那美?だった。

「ノエルはどうしたの?」

 この那美の異常に、まっさきに気づくはずの、この家のメイド頭…ノエルのことを忍が聞いた。

「とうの昔に始末したよ。

 とんだ雑魚だった、楽しむ間すらありはしない」

 とそう言うと、そんな笑い方いやー!!と、那美ファンが涙を流すこと間違いなしの、壮絶な笑顔を浮かべる。

「残っているのは、貴様らだけ」

「…ちょっ、本気でどうしたのよ?」

 さすがにただ事ではないと思い、そう忍が声をかけると同時に…

 

「シィィィィッ!!」

 

 と懐から小刀を取り出し、そのままダッシュをかけて…

 

 …ずべしゃあ!!

 

 …盛大に転んだ。

 

「…えっ、えっと、なんなの、一体?」

「私が知るわけないでしょ、忍」

 後に残されるのは、盛大に取り残されてしまった、美しき夜の一族の二人だった。

 

 

 ちなみに、ソファでうとうとと眠っていた那美に、丁度同じように眠っていた久遠がどこからか拾ってきた電波な夢を移したのが、原因のようだ。

 ノエルも、もちろん始末なんてされてるはずがなく、そのころは庭の見回りの最中なだけだった。

 

「ようするに、退魔師な夢を見て、その気になったものの…所詮、スペックは那美のままだったってことね」

「ううー、実際の私も退魔師ですぅ(しくしく)」

 

 

                              ちゃんちゃん

 

 

SSというより、パロディだね(苦笑)

元ネタは、おいらが面白いようにはまってるヘルシングです。

 

 

うーむ、更新できる日がくるとは、思ってませんでした(爆)

いや、短いね♪

 

 

 

 

 


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