Dolly  黒猫カトリーヌ
母子家庭で母親が水商売をし、夜と男の世界に溺れていく。 
そんな母親を暗い部屋で1人待ち続けている子供を描いた話と解釈しました。 

【黒い猫と踊り明かそう悲しみのタンゴ】 
黒い猫=黒猫のぬいぐるみ 
寂しさを紛らわす為に猫のぬいぐるみ相手に遊んでいる様子 

【嫌いだったお月様が浮かんでく】 
夜になるとママは僕を置いていなくなってしまう。 
寂しくて孤独で長い。だから夜は大嫌い 

【膝を抱え、独りぼっちのトリカゴのなかで】 
トリカゴ=暗くて孤独な狭い部屋の中。 
寂しくて眠る事も出来ず膝をかかえてひたすら母親の帰りを待っている 

【ママが好きなオルゴールのゼンマイを巻いて】 
まだ母親が夜と男に溺れる前の幸せだった、僅かな日々を、
母親から貰ったオルゴールの音色と共に思い出している。 
そしていつか母親と2人で一緒に
このオルゴールを聴きながら眠りにつける事を夢みてる 

【黒い猫と語り明かそう憎しみのタンゴ】 
「ママはどうして僕を1人ぼっちにするの?
 いつになったら頭を撫でておやすみって言ってくれるの?
 もう愛してくれないの…?」 
猫のぬいぐるみを相手に孤独で辛い気持ちをぶつけている様子 

【嫌いだったお月様が浮かんでく】 
大嫌いな長い夜がまたやってきた 

【机の上、最後の言葉「さよなら、ごめんね」】 
夜と男に溺れ死に、病み、そしてこの世に絶望した母親は
子供を置き去りにして家を出ていってしまった。 
一言置き手紙だけを残して… 

【遊び飽きたオルゴールと未練燃やします】 
その手紙を見た瞬間。1人ぼっちで寂しくて辛かった想い、
いつか母親とまた普通に暮らして、一緒に眠ったり笑ったりする
「愛される幸せ」を期待していた事。 
それらの希望を全て壊されたような気がして、悲しみに狂った主人公は
唯一母親との思い出が残るオルゴールを床に叩き壊して全て忘れ捨てようとした。 

【白と黒で綺麗な四角い鍵盤が】 
オルゴールは壊したけれども、頭の中であのメロディが流れている。 
そしてモノクロで色褪せた。けれども綺麗なままの母親との思い出が
そのメロディと共に甦る。 

【「まぁだだよ…」って背中を押してくれました】 
その思い出が「全てを捨てるにはまだ早すぎる。幸せを掴む事をまだ諦めないで」 
って[前]へ背中を押してくれた気がした。 

【さよなら…黒猫のカトリーヌ】 
主人公は猫のぬいぐるみと共に過ごした孤独で寂しい日々に別れを告げた。 
そして母親を追い掛けて家を飛び出した。 

【トランクに詰め込んで出掛けよう、】 
母親との幸せな思い出を胸に詰め込んで、主人公は母親を探す為にネオン街へ出た 

【月の無いイロトリドリな世界】 
もう、孤独で寂しい長い夜を過ごす事のない、幸せな日々を掴むんだ。 
ママに会ったら素直にこの気持ちを伝えるんだ。 
「もう1人にしないで」って…そしたらきっと抱き締めてくれるよね…? 

【さよなら…黒猫のカトリーヌ】 
ここでのさよならは母親が子供に向けて言っている。 
猫は愛しい我が子に例えている。 
「ちゃんと愛してあげられなくてごめんね…」 

【トランクを抱え込んで、】 
母親は全ての思い出と主人公が希望を持った「これからの思い出」を連れて。 

【アスファルトに咲いた赤い薔薇】 
ビルの屋上から飛び降りた… 
赤い薔薇=母親が飛び降りた時にアスファルトに広がった血痕

【赤と黒で潰した四角い鍵盤が】 
主人公は偶然それを目撃してしまう。 
母親との綺麗だった思い出が、綺麗だったオルゴールのメロディが、
目の前に広がる血(赤)とアスファルト(黒)で紅黒く染まっていく… 

【「もぅいいよ…」って背中を押してくれました】 
そして「もういいよ。もう希望を持つ事はないよ。」 
って[死]へ背中を押してくれた気がした 

【さよなら…黒猫のカトリーヌ】 
主人公は大好きだった黒猫のぬいぐるみに別れを告げた… 

【トランクに詰め込んで出掛けよう、】 
そしてそのぬいぐるみに寂しく辛かった想いを全部しまい込み、
母親が飛び降りた屋上に立った

【月の無いイロトリドリな世界】 
暗くて孤独で長い夜もない。永遠にママと一緒にいる事の出来る世界へ 

【さよなら…黒猫のカトリーヌ】 
今までの日々よ、醜い世界よ、さようなら。 
今度こそママは僕を愛してくれるはず。 

【トランクを抱え込んで、】 
猫のぬいぐるみを抱き締めながら 
トランク=思い出や想いを詰め込んだ猫のぬいぐるみ 

【沈んで沈んで沈んで…】 
主人公は落ちていった。 
(母親を追い掛けて飛び降りた) 

【アスファルトに咲いた黒い薔薇】 
モノクロになった世界。 
アスファルトには主人公の血と黒猫のぬいぐるみが綺麗に咲いていた。 

【ちっぽけなボクは 
ちっぽけなこの世界に生まれて 
ちっぽけなボクは 
ちっぽけなこの世界に殺された】 
小さくて弱く、母親の愛にすがる事でしか生きられない僕。 
そんな小さな愛も与えてくれない冷酷な世界に意味もなく生かされて。 
そしてそんな残酷で無責任な世界に僕は殺された 

オハナシ 
【「チクタク…チクタク…」 
ちっぽけな世界の秒針が 
冷たく笑う】 
冷酷で醜い世界。 
そんな世界は僕に悲嘆する事もなく残酷に時を刻み続ける。

607 名前: 黒猫カトリーヌ [sage] 投稿日: 2008/12/20(土) 04:15:46 ID:g4UVXcUsO