水玉模様のテーブルに片付けられない君の声 拾い集めてはまたひとつ描く →水玉模様のテーブルを見るたびに思い出す君の声 思い出しては悲しくなる 木漏れ日が溜まるグラスに遊ぶ一輪のトケイソウ 泳ぐ秒針は君に巻き付き鍵をかける →木漏れ日が照らすグラスに生けられた一輪のトケイソウ 君の時間は止まったまま動かない 覚めても覚めても再構築されない約束 それでもそれでも夢の中へと潜る →いくら時がたっても約束が叶うことはない それでもいつか叶うと信じていたい 窓枠を象るパステルに描いた幾つモノ願いは 叶うこともなく煌めいて消える →あのころ窓を見ながら2人で願ったたくさんの願いも 叶うことはなく僕を苦しめる 冷めても冷めても再融合されない体温 それでもそれでも強く重ねた掌 →この気持ちが冷めればいいのに それでも掌を重ねる。温もりはもうもどらないのに 君を敷き詰めたベッドの傍で項垂れたトケイソウ 竦む秒針は頭の中で君を食べる →君が寝ているベッドの隣で枯れそうなトケイソウ 君がいなくなれば・・・と思ってしまう 静かに流れる針音は君だけを残して 何度も何度も僕だけを刻みつける →音もなく過ぎてゆく月日は君だけを置いていく 何年たっても君は目覚めない さよなら深く眠れる森 燃える花に燻る想い 冷たく月へ手を伸ばして →さよなら深く眠れる君 まだ命はあるとわかっていながらも、 僕は生命維持装置へ手を伸ばす さよなら 淡く犇めく森 騒ぐ樹々のフュネラル・マーチ 物憂げに響く君の声 →さよならたくさんのおもいでたち 楽しかった、幸せだった日々。 君の声だけが忘れられない。 止まった君の秒針は二度と動かないけど ずっと僕だけは時を数えてあげるから →君はもう二度と目覚めることはないけど、 僕はずっと、きみを忘れない 散りゆく白い君の欠片 月に触れて蛍みたいに優しく帰路を照らす →月のように白くなってしまった君は僕の背中を押してくれる さよなら 深く眠れる森 君の色で犇めく森 翠色の夢に幕を下ろす →さよなら 深く眠れるきみ 君のいた、幸せだった日々 願いも約束も叶うことなく君は死んだ 文字盤の花は今もあの部屋で赤い涙を咲かせて →トケイソウは2人の思い出の部屋で今もパッションフルーツを実らせる
109 名前: Nana [sage] 投稿日: 2007/12/20(木) 20:39:01 ID:HZi+1pSY0