”僕”=”君”と考えた場合の解釈です。 無邪気な君というのは女の子。 ”僕”っていうのは成長して大人になった自分を 客観的に見ている人格なのかな、と。 どうか聞いておくれ 眠りについた いつかの無邪気な君 →もう今は私の思い出の中にしか存在しないいつかの無邪気な私へ。 荒れ狂う海へ 流れ出る前に一つだけ この夜に →今夜はあの日と同じどしゃ降りだから、 特にあの頃の私を思い出してしまいます。 明日になるとまた朝が来て、辛い社会へ出ることになります。 だからお願いです。今夜だけはあの頃の私を思い出させてください。 どしゃ降りの日曜日 街へ来た一団を おどけたピエロを 泣きながら見てた →あれは今夜のようにどしゃ降りの日曜日のことでした。 わたしは両親と一緒にサーカスを見に出かけたのです。 周りの大人たちはサーカスに心奪われ とても楽しそうにしています。 しかし私はピエロの笑顔がなぜか怖くて怖くてたまらなくて。 ずっと泣いてばかりいました。 いつも暗い夜が怖くて mamaのベッドにもぐり込んだ 窓をたたく雨 サーカスの時も 同じように降ってた →それからというもの、私は暗い夜が怖くなりました。 一人で眠るのが怖くてママのベッドにもぐり込みました。 そういえば、窓をたたく雨は サーカスの時も同じように降っていました。 ピエロに対してわたしが感じた恐怖が、 「どしゃ降りの真夜中」という条件と結びついてしまったのでしょう。 だから私はこんなにもどしゃ降りの真夜中を 怖いと思うようになってしまったのです。 過ぎゆく季節に 無邪気で無垢な笑顔も 大人びたね もうあの頃の様に サーカスが怖くて 泣いたりしやしないさ →月日がたち、私も大人になりました。 TVや雑誌でサーカスを見かけたとしても、 得体の知れぬ恐怖に苛まれ泣いて取り乱すような事は無くなりました。 時には誰かを 傷つける事さえも 時には自分を 裏切る事も →自分の利益のためならば、時には誰かを傷つける事も、 時には自分の本心を裏切る事もする、醜い大人になりました。 行きかう人ゴミの中で 僕の僕の生まれた訳を 誰も教えてはくれはしないから 泣いちゃだめだよね →どうして私はこんな大人になってしまったのでしょう。 嘘つきで醜い自分が嫌で嫌でたまりません。 しかし、周りを見渡せば行きかう人々は私と同じような大人ばかりで。 本音で生きている人なんて一人も見当たりません。 純粋なだけでは生きていけないのがこの社会なのです。 誰もがみな、その事を妥協し社会に順応していきます。 そうやって社会的に正しいとされる大人になっていくのです。 きっと心の中に本音や悲しみや苦しみを 押し殺している大人たちはたくさん居ます。 当たり前の事なのだから、わたしも泣いてはいけないのです。 幸せになりたくて 笑っていたくて 君を好きでいたい 何が起きても →純粋だった頃の私を忘れてしまえば、少しは楽になれるのでしょうか。 でも、私はこれからもずっとあの頃の私を大切にしておきたいのです。 たとえそれによってこの先もっと辛い思いをする事があったとしても。 あの頃の私を忘れてしまったら、 幸せの意味も、本当の笑顔すらも忘れてしまうように思えて……。 どしゃぶりの真夜中に 都会の真ん中で おどけたピエロ達が 何か叫んでる →きっとこの街は大きなサーカスそのものなのでしょう。 私たちは本当の気持ちを、作り笑顔という メイクの下に隠したピエロなのです。 いくらおどけてみせても、明るい心を作っても。 どしゃぶりの真夜中にはメイクはボロボロに崩れ落ちて ピエロたちの本音が零れ落ちます。 何もわからぬ子供達でさえも ピエロの流す涙に気付く どんな人もサーカスに心奪われ 愛されて 夢見て →どうして幼い頃の私がピエロを怖いと思ったのか、 不気味だと感じたのか。 その理由は、大人になってようやくわかりました。 私は無意識の内にピエロの隠していた 悲しみを感じ取ってしまっていたのです。 ピエロと言っても人間。 ステージに上がるまでには様々な苦労や辛さ葛藤があるでしょう。 それらの感情を笑顔のメイクの下に隠し ピエロはおどけて見せるのです。 幼い頃の私にはその矛盾が理解できなかったのです。 だから怖くてたまらなかった。 大人になって、私はピエロが押し殺しているであろう気持ちを 理解できるようになりました。 だからもうサーカスは怖くありません。心から楽しむ事ができます。 今も昔も、理由は違えど私にとって サーカスは心を奪われる特別な空間です。 いつも暗い夜が怖くて mamaのベッドにもぐり込んだ たとえ明日が また暗いどしゃぶりでも 逃げたりしないさ あの時の雨がこの胸に降っても →いつも暗い夜が怖くて、わたしはママのベッドにもぐり込みました。 今思うとそれは逃げであったのでしょう。 私には一人で恐怖と戦う勇気が無かったのです。 でも、もう逃げるわけにはいきません。 一度社会に出てしまえば逃げ場所など無いのですから。 たとえ明日がまた暗いどしゃぶりだったとしても、 私はもう逃げたりなんてしません。 あの頃の私に必死にしがみ付いたりなんてしません。 あの時の事を思い出し、切ない気持ちになったとしても。 どうかこの夜に 眠りについた いつかの無邪気な君 荒れ狂う海へ 荒れ狂う海へ…… →今夜、再び眠りについたいつかの無邪気な私へ。 私はもう大丈夫です。だから安心して眠っていてください。 私はこれからも頑張って生きていきます。 色々無理やりな所もありますがこんな感じに解釈しました。 でも”僕”って言うのは女の子の恋人とも考えられるし、 お父さんとも考えられると思います。 バンドスコアの曲紹介には確か 「お父さん的な視点」の曲という風に書いてあったはず。 あとSOPHIAに当てはめてみると、SOPHIA=ピエロ=僕。 LIVE=サーカス。君=ファンなのかな、と。 対象を変えるとガラッと解釈が変わる曲だと思います。 また『little circus』は収録曲の歌詞が繋がっているので 、他の曲と繋げて考えるとわかりやすいかと。 「CIRCUS」の場合なら特に「ポトス」「Hungry life」あたりと 繋げると解釈しやすかったです。 「ポトス」の君=「CIRCUS」の君。 「Hungry life」の彼女=「CIRCUS」の僕。という風に。 長々と失礼しました。
163-166 [sage] 投稿日: 2006/10/17(火) 23:56:59 ID:joxuLckq0