Shulla  砂時計
漏れ的解釈。 

ある夜恋人に急な別れを告げられた
僕は怒りと悲しみに暮れて人には見せられぬような泣き腫らした目と
涙でぐちゃぐちゃの顔で帰宅する。 

幸せだった日々も今となっては只哀しい想い出でしかなく
想い出の品に火をつけて燃やしてしまおうとした時
月明かりに照らされた机の上に砂時計があった。
 
この砂時計は本当はもう随分前から置いてあったのだが
主人公は乱雑な机の上に置いてあった為すっかりその存在を忘れていた。 
故に僕はまるで突如現れたかのように錯覚する。 

振られた直後ということで僕の精神状態は相当酷かった為幻聴が聞える。
若しくは聞えた気がした。 

それは恐らく無意識的な自己防衛であるのだが
僕は気付かずそれが神の声であると錯覚する。 
砂時計は本当は空っぽではないのだが極度の鬱状態により幻覚を見る。 

「君の思い出をこの中に入れなさい」 

鬱状態により作り出されたもう1人の自分(別人格?)が告げるその声を
神の声と信じた僕は小瓶を見ながら君と過ごした日々を思い出す。 

君との日々を思い出して苦しみに囚われた時、
僕は小瓶を持って自分自信を見つめてみた(鏡をの前に立った、を解釈)。 

じっくりと色々な形をしている砂に君の沢山の表情がダブって見える。 
またも幻聴が聞こえ 

「君の思い出がこの中にありますよ」 

無意識的でも本当は自分自身の言葉なのだが
気付かず主人公は君との思い出に浸り切ない気持ちになる。
 
まだあなたへの思いは大きすぎて断ち切れそうに無い。 
もうかけがえの無い君と過ごしたあの日々には戻れない。 
重力のままに真っ直ぐ落ちていく砂を見つめながら過ぎていく時と移ろい易い人の心を嘆く。 
もう2度とあなたとの思い出が増える事は無い(もう2度と愛されないから)。 

この砂時計は不思議な程に僕の気持ちを落ち着かせる。 
只の砂時計が僕にとっては神のくれたものに思える。 

長文スマソ 
「僕」って言葉はどちらかというと 
第三者的な言葉と(名前みたいな)捉えて頂けると嬉しいです 

砂時計 :03/02/04 19:00 ID:h/SvnKtS