L'Arc-en-Ciel  海辺
失恋の歌とか恋人を亡くした歌とかと言われていますが 
私はこれは、生まれてこなかった子供のことを歌ってる詞だと思いました。 

「柔らかなその頬へとふれて 優しい時間に浸されていたい」 
〜していたい、とは願望のことなので、果たされなかったこと。 
つまり、生まれてきた赤ちゃんの柔らかな頬にふれてみたかった。 

「もう一度あの海辺に戻り ただ何事もなかったかのように」 
母なる海とか、出産が満潮干潮に関係すると言われることから 
海辺とは胎内の意味。 
もう一度、何事もなかったかのように
(彼女の)胎内に戻ってくれたらいいのに。 

「君の声に気づきもせず季節は過ぎ去り 硬く重い幕は降りたよ 
さよならも無くて」 
君というのは、赤ちゃんの事。硬く重い幕とは、人生の幕のこと。 
胎内にいる赤ちゃんの存在に気づかないでいるうち、 
その小さな命の幕が降りてしまった。 
さよならっていう言葉も話せないうちに。 
胎児が言葉を話せないからさよならが言えないというのと 
自分がさよならと言うこともできなかったという二重の意味があるのかも。 
そして、気づきもせず、ということから、もしかして 
彼女が黙って中絶してしまったのかもしれない。 

「予期せぬほどに影を落とした 色づく前に摘み取られた果実」 
色づく前っていうのは、この世に生まれてくる前。 
この世に生まれてくる前に、小さな命が奪われてしまったことが 
想像もしなかったくらい自分の心に影を落とした。 

「不意に心を染め上げて行く まるで時間が戻ったかのように」 
あの時のことを思い出すと、いつもあの絶望した瞬間が何度でもよみがえる。 
つまり、この話の主人公は、今子供を失ったわけではなく 
失った昔を思い出している。 

「君は嬉しそうにはしゃぎ海辺に溶け合い
 眩しすぎた陽射しの中を泳いでいった」 
海辺に溶け合うっていうことは、胎内に溶け合う。 
眩しすぎた陽射しの中を泳いでいったということは、
胎内から消えるってこと。 
何も知らずに無邪気に胎内を泳いでいたあの子が、溶けて消えてしまった。 

「幾ら歳月が過ぎても記憶は刻まれ 決して消えずに 僕を悩ます」 
これはそのまま。 
どんなに時が経っても、赤ちゃんを失ってしまったことは忘れられない。 
僕って言ってるということは、この話の主人公は男性。 

「許されるのなら微笑みかけてよ 許されるのなら 
あの夏まで歩いて波打つ砂浜へと帰ろう」 
神さま、もし許されるなら あの子の笑顔に会いたい。 
あの子を失ってしまった夏まで戻って、あの子にもう一度 
自分のところに帰って、今度はちゃんと生まれておいでと言いたい。 

「君は嬉しそうにはしゃぎ海辺に溶け合い
 眩しすぎた陽射しの中を泳いで行った」 
でもあの子はやっぱりこの世に生まれてくる事無く
去っていってしまった。 

「この道を通るたびに君が突き刺さるよ
 まるで胸から流れるように あふれだす」 
ちょっとナマナマしいけど、この道っていうのは胎内に続く道。 
つまりこの詞の主人公は男性なので、相手の女性の胎内に続く道を 
自分が通るたび、と言っているので、つまり性行為のこと。 
性行為をするたび、あの時失ってしまった子供のことを思い出してしまう。 
それはまるで胸から血があふれるくらい、苦しい。 

321 名前: Nana [sage] 投稿日: 2008/04/09(水) 11:04:08 ID:bOrXZJtb0



>>319-321 
その発想は思いつかなかった…!! 
私も彼女を亡くした歌なんだと思っていたけど、
それだとどうにも理解し辛いところとかあって…。 
解釈を読んで納得した。有り難う。 

326 名前: Nana [sage] 投稿日: 2008/04/20(日) 01:45:24 ID:stkmdutTO