花葬は、恋人が死んだ主人公が自殺する課程と、その儚さなどを歌った歌だと思う。 ●「ばらばらに〜永遠の恋をうつし」 「ばらばらにちらばる花びら雫は紅」、花びら、雫とは血のこと。 つまり主人公はリスカなどの外傷を伴う死に方をした。 「欠けた月」は不完全な状態の表現、 つまり主人公とその恋人は、若く、結婚なども無く死ぬ。 「永遠の恋をうつし」より、その不完全な状態で永遠となった 二人の生前の恋を満月でない「欠けた月」に重ねた。 ●「瞳あけたまま〜春を待てずに」 「瞳あけたまま 腐食してゆく身体」は だんだん死にゆく主人公を表現している。 「鮮やか」で血を流す主人公をあえて綺麗に表現したことで 死が主人公にとって悲しいものではなく むしろ前向きなことだったことを表している。 「この意識〜春を待てずに」で、 春は別れや出会いなどリセットの季節であるから、 この場合は春=死かと思う。 つまり、生き物である限りいつか死ぬことは避けられないのだが 主人公はいつか訪れる死を待たなかった。 ●「愛しい貴方はただ〜いつものように」 「愛しい〜冷たくなって」より、主人公は恋人の死を看取った。 「夢の淵で呼んでる」とは恋人が 主人公にも死んで欲しいと思っているのでは。 「いつものように」から、生前に二人は"死ぬ時は一緒に"的な約束をした。 つまり「夢の淵〜」は"約束を果たして"というようなことを 恋人が言っていることを表している。 ●「くるい咲いた〜せめてもの餞」 「くるい咲いた夜」とは恋人が死んだ夜。 「眠れぬ魂」は主人公の死を待つが故に成仏できない恋人の魂。 「闇に浮かぶ花」は主人公の血。 よって約束を守るために成仏せずに待つ恋人を追って主人公は死ぬ。 血を餞として。 ●「たどりついた〜死んだ世界」 「生まれ変わりの痛み」より、二人は生まれ変わってもまた 愛することを約束したのではないか、 そのために一緒に死ぬがそれには少なからず痛みが伴う。 「飲み込まれる〜結ばれていった約束」で、二人は土葬される。 そして生前の約束が果たされた。 ●「今宵はもう〜閉じた瞳」 「夢うつつ」とはぼんやりとした状態や正気でない状態のこと。 「やがて閉じた瞳」で完全に主人公は死んだ。 ●途中の語りの「重力は〜ただそこにあるばかり」 「互いに相容れぬまま」、「ただそこにあるばかり」から、 お互いの死を受け容れないまま死んでいくことの儚さを嘆いている。 "共に死ぬ"約束と"生まれ変わっても愛し合う"約束を守るために 主人公は恋人の後を追って死ぬ。 永遠の愛はとても美しいことではあるが、 死は死でしかないという儚さや無意味さも 存在することを歌ったものだと解釈しました。
290-295 投稿日: 2006/12/04(月) 02:11:48 ID:jEB+3wvgO