ムック  空と糸
真っ白い小さな花 赤く染まって今風に揺れている 
目を閉じて 眠るまで 
⇒曲の半ばまで聴いた最初の解釈は漠然と“花=猫”で、
 血だらけで死に掛けているようなイメージ。 

ギザついた両耳浮き世 嘲、嫌う 
中指のように尻尾を立てて歩く 
⇒猫が雑踏を歩いている描写。世の中に冷め切って心まで凍えたような、
 誰も寄せ付けない雰囲気を持つ。 

今降り止まぬ雨に濡れ 
涙の様に枯れ果てたくて 
孤独な明日にただ震えてた 
君に出会えた日まで 
⇒雨=世間の冷たさや苦しみ、孤独をイメージ。 
 冷めた目をして強がっていても本当は苦しくて寂しくて、
 もう出なくなった涙みたいに命まで枯れて(死んで)しまいたいと
 思っていた、君=少女に出会うまでは。 

しつこくまとわりつく 無口な少女 
飽きもせず毎日ここへ足を運ぶ 
⇒なぜか自分に会いに来るようになった少女は、
 無口だが自分を傷つけるようなことも言わない。
 なぜ?と理解できずにいたが、毎日会ううちに少しずつ
 凍っていた気持ちが解けだしていく。 
 しかしそれを認めたくは無いのでそっけなく振舞い続ける。 

今降りやまぬ雨に濡れ 
慈愛のふりで差しのべたエゴ 
あの日の様に全て奪うなら 
何も与えないでくれ もう何も 
⇒雨=苦しみや孤独は猫には勿論少女にも容赦なく降りかかる。
 慈愛を建前に、自分が手を差し伸べたようでいて本当は自分が
 少女を必要とし、それを認めざるを得なくなった。 
 過去にも心寄せ合える人間がいたが、その人は理不尽な理由で
 亡くなってしまっている。 “あの日の様に全て奪うなら”という表現から、
 突発的な事故と解釈。 
 あんな苦しみを味わうくらいなら、もう何もいらないと思っていた。
 これこそが少女を受け入れない本当の理由だったが、
 矛盾すると分かっていても少女を必要とする気持ちはもう止められない。

どしゃ降りの雨の中 傘もささずに一人で立ち尽くす少女 
泣いているのか?痛むのはどこだ?言えよ 
⇒ある日猫は、雑踏の中で立ち尽くす少女を見つける。
 苦しみを一人背負って耐えているように見えた。 
 その時初めて、いつもとは逆に猫の方から少女に歩み寄った。
 苦しみは言葉にして自分に言えばいい。 

いつもみたいに笑うまで 側にいてあげよう 
⇒いつものような笑顔が戻るまで、自分が側にいて受け止めるよ。
 君は一人じゃないよ、と猫が寄り添う。 

雨が全てを洗い流した 
いつでも来いよここにいるよ 
さよならのキス 照れる野良猫は足早に道を渡る 
⇒猫の心を凍りつかせたのも孤独なら、それを乗り越え少女に心寄せる
 勇気をくれたのもお互いの孤独だった。猫は、孤独を憂い、
 少女の孤独を目にすることで一歩を踏み出せた…と少々苦しい解釈。 
 いつもそっけなくしていたが、次会うときからは違う。
 “いつでも自分はここで君を待ってるから”と、キスを残して
 照れ隠しのように道を渡る猫。 

ブレーキノイズ 一時の間に 
体は重く空はキレイで 
君によく似た小さな花が悲しげに揺れていたいつまでも 
⇒そこへ車が突っ込んでくる。それは一瞬だけれども
 時間の流れはひどく緩やかで。撥ねられた体はもう動かないけど、
 孤独が晴れた心は不思議と澄んでいて穏やかだ。 
 ここで初めて雨以外の空の描写が出てきたことから、空=心と解釈。
 でも花=少女は悲しみ泣いている。 

ここで冒頭に戻り、 
“真っ白い小さな花 赤く染まって今風に揺れている 
目を閉じて 眠るまで” 
は、穏やかに眠るように死んでいく猫の体を抱いて、
その血に染まりながら泣いている少女、という解釈に変わる。

本スレで話題になっていたので投下してみました。 
かなり強引で分かりにくい解釈ですが、自分の中ではこんな感じです。 

救われたのは猫の方で、それなのにやっと心寄せ合えた少女を
孤独の中に置いて先に逝ってしまったんだなと思いました。 
最終的に、猫は過去に自分を遺し“奪われて”しまった人と
同じ立場(多分亡くなり方も同じ?)になってしまい、
それがこの曲の皮肉なところかなと個人的には思います。 
タイトル“空と糸”は“心やそれを結びつける他者との絆、
あるいは繰り返す運命の糸”みたいな感じかなとぼんやりイメージ。 

雑誌等のこの曲に関するインタビュー記事は一切読んでないので、
まるで的外れだったらごめんなさい!

644 名前: 空と糸/ムック [sage] 投稿日: 2009/01/29(木) 23:28:16 ID:ov+8ll+J0



ある日一人の男が交通事故で亡くなりました 
彼は白い野良猫を可愛がっていました 
とても綺麗で人に懐かない猫でしたが彼には甘えた様子で擦り寄ってくるのです 
彼がその白い彼女に会うのは彼が事故に合ったその場所でした 
彼女は彼がもう居ないことを知りません 
毎日毎日足を運びました 
ですが彼の優しい大きな手が彼女を撫でる事は二度とありません 
いつしか彼女は気付き始めます 
彼はもう居ないのだ と 
雨のなか歩く彼女に手を差し延べる人がいました 
ですが彼女は思うのです 
どうせまた居なくなるのでしょ 
だったら何も欲しくはない と 

彼には最愛の人がいました 
彼女は彼が居なくなってから毎日彼が奪われた場所に花を持って訪れます 
そこで毎回白い猫を見掛けます 
手を伸ばしてもいつもそっぽを向き何処かへ行ってしまうのですが綺麗な猫だと 
思いました 
そして彼がいつの日か自分にしか懐かない猫のことを話していたことを思い出し 
ました 

彼が遠い所へ旅立ってからどの位たったでしょうか 
ある雨の日 
彼女は白い花を持って彼に会いにきました 
そこにはいつもの白い猫が座っています 
無性に悲しくて彼女は涙を流しました 
涙なんて渇れたと思ったのに… 
雨の中立ち尽くす彼女に白い猫が擦り寄ってきました 
その姿がまるで慰めてくれているようで愛おしく彼の姿を重ねたのです 
彼女は気付きました 
彼はずっと側に居たのです 
彼女の心の中に 
また明日から笑えそうだと思えました 
そしてここで悲しみに耽ることもないだろうと 
心なしか白い猫も本来の美しさを取り戻したように見えました 
立ち去る白い姿に彼女は自分を重ねました 
明日からはあの仔に会いに来よう 
そう思いました 

彼女が立ち去ろうと猫とは反対に足を進めた時のこと 
後ろからブレーキの悲痛な叫び 
振り向き目に入ったソレは 
赤く染まった白い花のようで 

あの日の繰り返し 
何故なの 
私から全て奪うなら初めから何も与えないで… 


いつの間にか雨は止んでいて 
彼女と小さな彼女だけが残されました 


みたいな感じかと

647 名前: 空と糸 投稿日: 2009/02/03(火) 15:15:36 ID:Hx6IS7PQ0