ムック  夜
漏れ的には虐待の記憶を持つ少年少女の歌かな、と。 

両親に虐待された過去を持つ少年は、 
ある時同じように虐待の経験を持つ少女と仲良くなる。 
でも、虐待の記憶がある故に精神状態がまともじゃない少年、 
少女に「僕が壊れて(死んでも)もねぇわからないでしょ?」 
と言い自殺未遂を繰り返す。 
もう精神が壊れかけていて、
もう君の気持ちを考える余裕もなくなってしまった、と。 
完璧主義者(両親)の欠陥商品(期待に応えられなかった子供) 
少年少女はお互いよく似ているから
同じような境遇だったんじゃないかと勘付いていた。 
そしてお互い虐待の記憶を打ち明け、
やっぱり似たもの同士だったんだ、と苦しみを分かち合った。 

臆病な仔猫が自分と重なる。 
爪を立てる=只一度だけ反抗して、少年は孤独に陥った。 
その時の記憶が何故かはっきりしないけれど、
両親に捨てられてしまったのだと少年は少女に話した。 
虐待されて、それでもそれが唯一の親子の繋がりだった。 
少女もまた同じだった。 
時間が流れて、全て忘れてしまえればいい、と思う。 
耐え切れず少年は顔を覆うが、指の隙間から虐待を受けた夜の記憶、 
孤独な夜の記憶が蘇って、幻覚に襲われる。 
「帰りたくない」その事情も告げぬまま少女に縋り付く少年。 
こんな夜は眠ってしまいたいのに、何故だか眠れなくて 
壊れていく精神、少年の良識が夜にとけていく(理性を失っていく)。 

窓の外を見ると綺麗な三日月、眺めながら綺麗だけれど所詮は石の塊であることに気付く。 
綺麗な物も汚い物も、その正体はさして変わらないのだと少年は思う。 
少年は、ずっと少女に憧れていた。 
同じような境遇だろうに、何処かが絶対的に違うのだ。 
そんな少女を綺麗だと思い、ずっと汚い自分と比較して劣等感に押し潰されそうだった。 
そして少年は確かめたくなった。少女も自分となんら変わらないのだと。 

三日月の夜、少年は少女を殺した。 
もう既に発狂している。 
虐待の記憶、孤独な夜の記憶、殺したときの感触・・・ 
全てが脳から溢れ出して止まらない。 
少女の死体にゆるしてほしいとつぶやき続ける少年。 
街頭(少女)の明かりだけを頼りに無様に生きていた自分に気付き 
後悔と自責の念に捕らわれる。 

少年は、少女に嘘をついていた。 

いや、正確に言えば少年も気付いていなかったのだが。 
はっきりしない、只一度反抗した夜の記憶。 
少年は両親に捨てられたと思っていたが、そうではなかった。 
少年は、両親を殺したのだ。 
丁度こんな三日月の夜に。 

夜 :03/05/18 14:09 ID:H4oi88Xm



漏れは僕と君は双子なのかなーと思いますた。 
もう1人の自分とも言える双子の片割れが両親の歪んだ愛情ゆえの 
虐待を受ける様子を部屋の隅で
指の隙間から見てた僕は君の姿を自分と重ねる…って感じで。 

Nana :03/05/18 21:56 ID:leUtMEk3