>拝啓。 君は元気ですか?初めて手紙なんか書きます。 僕はなんとなく元気です。 ⇒まず、主人公は手紙など書いていないだろう。 連絡をとる勇気がないから、胸の内で想いを手紙と化している。 >独りにも少し慣れました。 帰り道、夜の公園が満開の櫻だったんで、 君の事を想ったりしてます。 ⇒一年前の春、櫻の咲く頃に別れた恋人が 今も忘れられず、想い続けている。 思い出は事あるごとに蘇り、そんな僕に、 周りの人間は段々遠ざかっていった。(自閉したから) そして今、少し余裕が出来、周りが見えるようになると、 もう誰もいない。好きでいる君も、側にはいない。 そんな独りきりの日々が続くと、孤独も苦ではなくなってきた。 >まっ黒い空にうかんで櫻はあえいでいるようです。 世界の微熱があがるから景色が歪んで見えてきます。 それが恋のせいなら、きっと、いつか僕らは虫の息。 最期の蕾がひらいていきます。 ⇒夜桜。暗い景色にうかんで見える櫻。とても綺麗である。 風が吹き、揺れ落ちる其れは、まるで己を見ているかのようで。 世界の微熱というのは僕の体温。 景色が歪んで見えるのは零れ落ちる僕の涙。 >ハローハロー聞こえますか? 僕は僕でいれますか? ⇒僕にはもう何もないから、死んでしまいたいと思う。 そんな感情が怖くなり、自分は 自分のままで居続けられるだろうかと不安が込み上げる。 (一時の感情に任せ、自傷行為を繰り返す癖があるとする) >祈る手に花びらです。君に触れたようです。 ⇒無謀だとは分かっていても、またあの頃のようにと願ってしまう。 触れたのは君ではなく花びら。 まるで君が僕を撫でてくれているかのように思えた。錯覚。 >あざやかな色で音をたてて櫻が咲く。 君の声を追いかけてく。こぼれてくる恋のカケラ。 見上げたなら、花降る春。 ⇒目を瞑ったまま君を想うと、櫻が肌を触れ、落ちてゆくのが分かる。 それがまるで音を奏でながら落ちていっているように思え、 君が僕を撫でているかのように思え、 ふと手を伸ばしてしまいそうになる。 眺めれば眺めるほど、忘れ去ることの出来ない、幸せな過去。 >あったかい風が吹いてきます。もうすぐ春の嵐がきます。 狂ったように咲いてるけど、いずれは散りゆく運命です。 それが恋にもよく似ていて、いつかの僕らにそっくりで、 思い出し笑いしてしまいます。 ⇒そろそろ散る頃だろうか。今は綺麗に咲いているけれど それもいつか、全て散ってしまう。 僕らに永遠などない(有村の場合、同性だと考える)のだから いつかは別れる運命にある。それが、散る櫻と照らしあわされる。 >ハローハローどこですか? 僕に何ができますか? 探す手に花びらです。君に触れたようです。 ⇒僕には何が残っているのだろう。 自分の存在理由を探しだすことは出来るだろうか。 >あざやかな色をたてて櫻が咲く。 繋いだ手が離れていく。こぼれてくる千の願い。 見上げたなら、花降る春。 ⇒繋いだ手というのは、絡めた自分の指。→祈る それをゆっくりとほどき、瞑った目を開くと 君が目の前に立っている。 手を伸ばし、必死に君を掴もうとするが いくら伸ばしても、君には辿り着けない。 >舞い散る櫻で君の顔が見えなくなる。 淡い夢が覚めてくから、こぼれるのは涙で―――。 ⇒春の嵐は訪れたか、花びらで段々と視界が遮られる。 もう一度君を探してみるけれど、…錯覚だ。 君がいるはずなどない。 >あざやかな色で音をたてて櫻が咲く。 大切だったものは全部、この木の下に埋めて行くよ。 目の前には、別れる春。 見上げたなら、花降る春。 ⇒大切だったものとは、思い出。 丁度櫻の時期に別れたのだろう。 二人で見た春が、終わりを告げようとしている。 また一年が経つのだ。 >僕の上に、僕の上に、そっと――――。 ⇒もう胸はいっぱいだ。 だからその上に思いを重ねて、重ねて、重ねて、 君への想いを忘れてしまおう。 引きずらないと、この木の下で決意をし 新しい人生へと歩んでゆく。
206-209 [sage] 投稿日: 2006/10/31(火) 21:11:35 ID:aJx/zXst0
私は『君=死んで仕舞った恋人』だと思った。
214 [sage] 投稿日: 2006/11/03(金) 23:58:02 ID:rnrxZIWWO
私も恋人が亡くなった歌だとオモタ。 で、後を追って自分も死ぬ、って感じの遺書のような歌だなって思ったよ
215 [sage] 投稿日: 2006/11/04(土) 00:16:33 ID:vHqDqA7NO
>>215 漏れも恋人が死んだような歌には聞こえたが、 最初と最後から察するに「僕」が歩き出す歌に感じたな。 ただ、世界の微熱が〜〜のくだりの「僕ら」が解けない。
Nana [sage] 投稿日: 2006/11/06(月) 21:27:12 ID:AiHcYogdO
前向きになろう、歩き出そうとする歌なのかなーと思った。 解釈してみたので投下ー。 >拝啓。 今はもう居ない、大切な「君」へ。 >君は元気ですか? 「君」を思い出している。 >初めて手紙なんか書きます。 「君」が死んで仕舞ってから、初めてちゃんと「君」との事、これからの 事を考える。 >僕はなんとなく元気です。 本当はまだ、「君」が居ないと言う哀しい想いを引き摺っているけれど、 「君」を心配させたくない気持ちがあって強がる。 →「なんとなく」 >独りにも少し慣れました。 当たり前の様に「君」が居た昔とは違う。 >帰り道、夜の公園が満開の櫻だったんで、君の事を思ったりしてます。 「君」とよく「夜の公園」へ「櫻」を見に行った。 その事を思い出して、少し優しい様な、淋しい様な気持ちに成る。 >まっ黒い空にうかんで櫻はあえいでいるようです。 櫻が風に吹かれて夜空で揺れている。 >世界の微熱があがるから景色が歪んで見えてきます。 「世界の微熱」=公園に居る他の恋人達を見て、かつてそうだった 「僕」と「君」と重ね合わせる。 そんな時代が懐かしいし、その恋人達を少し羨む気持ち。 >それが恋のせいなら、きっと、いつか僕らは虫の息。 そんな風に思って仕舞う僕は、やっぱりまだ立ち直れない。 >最期の蕾がひらいていきます。 もうこれ以上に咲く事は無い。 →「君」と居た頃の「僕」にはもう戻れない事を悟る。 >ハローハロー聞こえますか? 今はもう居ない「君」に必死に問い掛ける。 >僕は僕でいれますか? 「僕」の大部分を占めていた「君」が今はもう居ないから、きっと 「僕」は変わって仕舞う、変わりたくない。 >祈る手に花びらです。 君に触れたようです。 「花びら」=「君」が答えてくれている。 >あざやかな色で音をたてて櫻が咲く。 「櫻」=「『君』の事、『君』との思い出など」を思い出そうとする。 >君の声を追いかけてく。 時の流れで忘れかけて仕舞っている「君の声」を必死に思い出そうとする。 >こぼれてくる恋のカケラ。 「君」をまだ愛しく想う気持ち、「君」との楽しかった思い出などが どんどんと溢れて来る。 >見上げたなら、花降る春。 「僕」の心だけ、「君」と居た頃の春に戻っている。 >あったかい風が吹いてきます。 もうすぐ春の嵐が来ます。 また「春」がやって来た。 >狂ったように咲いてるけど、いずれは散りゆく運命です。 櫻は満開で、花びらが無くなる様にはとても想えない。 →「君」との別れの形がこんなんだったとは想像出来なかった。 >それが恋にもよく似ていて、いつかの僕らにそっくりで、 思い出し笑いしてしまいます。 あの頃はこんな事(=「君」が居なくなって仕舞う)に成るとは思っても みなくて、毎日が「満開の櫻」の様だった。 >ハローハローどこですか? 「君」に答えて欲しい。 >僕に何ができますか? 「君」が居ない今、どうしたら良いのか未だに分からない。 >祈る手に花びらです。 君に触れたようです。 「花びら」=「君」が答えてくれている。 >あざやかな色で音をたてて櫻が咲く。 「君」の事、「君」との思い出をどんどん思い出していく。 >繋いだ手が離れていく。 「君」の最期の瞬間を思い出す。 >こぼれてくる千の願い。 死んで欲しくない、一緒に居たい、などの叶わなかった願いが溢れる。 >見上げたなら、花降る春。 「僕」の心が現実に戻って来た。 >舞い散る櫻で君の顔が見えなくなる。 >淡い夢が覚めてくから、こぼれるのは涙で───。 >あざやかな色で音をたてて櫻が咲く。 「僕」の中で少し変化が起きた。 >大切だったものは全部、この木の下に埋めていくよ。 「君」との思い出、「君」への想いなど、前に進むために「君」と 最期に見た櫻の木の下に置いていこう。 >目の前には、別れる春。 過去に縛られたままの自分とサヨナラをする。 >見上げたなら、花降る春。 そんな「僕」を「君」が見守っている。 >僕の上に、僕の上に、そっと───。 だけど、例え前に進み続けても、「君」との事を忘れたりしない。 「世界の微熱が〜」の部分。 有村さんはよく、恋とかの感情の高まりを「微熱」だとか、「熱」って 表現をするんだけど、でもその場合、よく「僕の」って言葉が前に付く から、今回はそういう意味じゃないのかなーとも思って。 だとすると、「微熱」=「君」との思い出で、思い出して泣きそうに なる=「景色が歪んで見え」るのかなぁとも。 でもそうすると、後に続く「それが恋のせいなら〜」との辻褄が 合わないかなぁと思って。
214 [sage] 投稿日: 2006/11/08(水) 14:32:59 ID:6pnQdusqO
>帰り道、夜の公園が満開の櫻だったんで、君の事を思ったりしてます。 『櫻』と『僕ら』をシンクロさせていく →僕はいつの間にか思いに浸っていく この後の解釈は『櫻』と『僕ら』の2通りある >まっ黒い空にうかんで櫻はあえいでいるようです。 櫻→まっ黒い空の中、櫻の花びらが舞っている 僕ら→まっ黒い空は精神的なものか病的なものか あえぐと言う事は『苦しんでいる』 >世界の微熱があがるから景色が歪んで見えてきます。 櫻→世界の微熱があがるということは春から夏へと向かう季節のこと 景色が歪んで見えるのは櫻の季節が終わってしまうことへの悲しみ 僕ら→世界の微熱があがるということは『不安定になる』 景色が歪んで見えるのは『泣いている』もしくは『倒れる』 >それが恋のせいなら、きっと、いつか僕らは虫の息。 ここで櫻とのシンクロが解けて『僕ら』のことへ 「それ」とは『不安定になり泣いてしまう』こと 「虫の息」は「あえぐ」という部分と繋がっていて 『あえいで苦しそうだった呼吸が 今にも絶えてしまいそうな呼吸へと変化してしまう』ということ つまり『不安定なのが恋のせいならこの恋はいつか終わってしまう』 >最期の蕾がひらいていきます。 世界の微熱があがったことにより櫻も僕らも最後を迎えようとしている >祈る手に花びらです。君に触れたようです。 ここから先の歌詞は僕が『櫻の花びら』を『君』にシンクロさせていく >あざやかな色で音をたてて櫻が咲く。 >君の声を追いかけてく。こぼれてくる恋のカケラ。 鮮やかなほど鮮明に思い出せる君の声 思い出していくと君への思いが溢れてこぼれてくるほど >繋いだ手が離れていく。こぼれてくる千の願い。 『君』とシンクロさせている『櫻の花びら』が 僕の手から風で流されてしまい『君』と繋いでいた手が 離れてしまったような錯覚に陥る 強く願った思いが溢れてこぼれていく >舞い散る櫻で君の顔が見えなくなる。 >淡い夢が覚めてくから、こぼれるのは涙で―――。 しばらく『櫻の花びらの君』に浸っていたが ふと気が付くと目の前には『櫻の花びら』ばかりで 『君』は何処にも居ない。 『君』が居ないことにふと気が付いたとき涙がこぼれていた 一応、解釈に苦しみそうな部分を重点的に解釈してみました。 千の願いが何をさすのかが少し曖昧です。
239-240 [sage] 投稿日: 2006/11/11(土) 19:47:21 ID:qbXEuuaD0