15万カウントおめでとう企画  No.3 バッシュ夢






「そろそろ言う気になったか?」

汗ばんだ肉体を起こし狭い部屋に低く響く声。
男はゆっくりと手を伸ばし相手の首を捕らえるように掴んだ。
途端ひくっと掴まれた喉が震え、身体はわずかにうごめく。
最初に声を発した男の眼下には肌をさらした女がいる。
ふくよかな胸を揺らして息を荒げ、意識も徐々に崩れつつあるその女の汗ばんだ肌には無数の赤い痕がこれでもかと言わんばかりに散らばっていた。
震える脚の間には男の象徴が埋め込まれ、男が少し腰を動かすと女の身体はビクンッと跳ねた。
それと同時に手足に絡まる鎖がジャラッと鳴った。
「く・・・ぅ」
かすかに声が洩れ同時にキュゥと締め付けてくる感覚。
はじめの頃より確実に堕ちてきている女の反応に男バッシュは少し目を細めた。
「名前は?」
「・・・・・・」
「どこの国から来た?」
「・・・・・・」
「誰に命令された?」
「・・・・・・」
もう飽きるほど何度も繰り返した質問。
しかし何十回と質問されようとバッシュの望む答えは女の口から紡がれない。
「体力はもう限界を超えているはずだ」
バッシュが指摘する通り眼下の女の身体は悲鳴を上げている。
背中に無数に走る鞭の痕からはじわりと血が滲み、手足には火傷を負った痕。
2人がいる大きめのベッドの脇から伸びる頑丈な鎖は女の手足を拘束してバッシュから逃げることを許さない。
肉体的拷問に対する訓練を受けていると早くに気付いたバッシュは快楽的拷問へと変更した。
こればかりは訓練でどうにかなるものではない。
人は誰しも快楽に膝を折る。
しかし何か強い意志があるのか、女は肉体の悲鳴を上げても精神の悲鳴は上げようともしなかった。
女を捕らえてもう半日は経つ。
いつ気を失ってもおかしくない状態にまで容赦なく追い詰めたが、それでも女は何も言おうとしない。

それもまた与えられた命令なのだろう。

察したが、限界を超えてガクガク震える身体を見るのは痛々しい。
バッシュから与えられる快楽にもうすでに苦痛を感じているのは確かだ。
本来ならば女性にこれほどまでの無残な行為とうてい考えられない。
苦しみ、血を滲ませてまで鎖を外そうとする姿を見れば普通身を引いてしまう。
だが、そうするわけにはいかない。
自分は今、この女に拷問を与え尋問しているのだ。

「もう一度聞く。 陛下を暗殺するよう命令したのは誰だ?」

己の立場と国の情勢を考えればこれは必要悪だとバッシュは凄みを増した声色で容赦なく女に再び詰問した。
アルケイディアに敗れたこの国はこれから帝国と調印式を結ぼうと話が浮かび始めたばかりだ。
調印式のためナブディスに向かう為の準備をしていた矢先での深夜の事件。
幸いラミナス国王に怪我は無かったが、引き換えに忍び込んだこの女が捕らえられた。
国の情勢からかんがみれば帝国から差し向けられた者だと推測できた。
だが女の身からはそれを証明するものが一切無かった。
着ていた服も装飾品も防具も武器もすべてここラバナスタで生産されているものばかり。
ならば、この女の口から自白させる他アルケイディアからの刺客だと証明できる方法は無い。
そこから始まった尋問と口を割らせるための拷問。
拷問官のやり方には耐えられず自我を失うだろうと危惧してバッシュ自身が拷問と尋問役を買って出たが、その心配は全くいらなかったようだ。
時間を追うごとに度合いを厳しくしていったが悲鳴や嬌声を上げても許しを請う言葉など微塵も出てこない。
それほどまでに国や与えられた命令を重んじて自分の身を後回しにする姿勢にバッシュは頭が下がる思いに駆られる。
屈服する気配のない姿に健気さまで感じ、感動すら覚える。
相手が敵国の刺客でなければ、必ず良い友となれたはずだ。

だがバッシュは頭をわずかに横に振り、その生まれた想いを消す。
これから自分はこれまで以上に酷い行為を女に与えなければならない。
すべては国王の身のため、国のため、未来のために―――

バッシュは女から身体を離すとベッドを降り、サイドテーブルへと歩み寄った。
置かれている白い紙を手に取り、丁寧に折り目を開くと視界に映るのは白い粉。
動きを止めて時間が経つというのに未だ息を荒げ意識を朦朧とさせている女へと近づき、ベッドへ腰掛けると女の顎を遠慮なく掴んだ。
「っ!!」
突然掴まれ、意識を引き起こし抵抗するその姿をものともせず、バッシュは手の握力で女の口をこじ開けると手に持った白い粉を女の口に流し込んだ。
何かが口の中に入ってきたことに驚く女の姿を目の端に止めながらバッシュはサイドテーブルに置かれた水を口に含むと、女の唇に自分のを重ねた。
白い粉と同様、女の口に水を流し込むと顔を離し、すぐさま大きな手で女の口を塞ぐ。
「飲むんだ」
鋭い視線で女を捉え、命令を下すようにゆっくりと言い放つ。
「自白剤だ、嫌でも飲んでもらおう。 飲まないつもりなら器具を用いて別の場所から注入するだけだ」
拘束された女に薬を与える方法などいくらでもある。
そう言うように脅しをたっぷり含んで言えば、ようやく女性らしく女の瞳が恐怖に震えたのが見えた。
観念したのか、ごくりと喉が鳴り薬と水を飲む音が聞こえる。
確実に飲み干したことを確認してから手を口から離すとバッシュは再び女に覆い被さった。
「あと1時間、機会をやろう。1時間何も吐かなければ君の身体は部下達に与える」
拷問の訓練を受けていれば毒の訓練も受けている。
自白剤も確実ではないため、バッシュは最後の選択を女に与えた。

まだ自分一人ならいい。
だが群がる兵士達に投げ落とせば、今度こそ確実に精神を壊すかもしれない。
投げ落とせば、それがこの女の最後だということになる。
それこそバッシュの時以上に休みなど一切なく、常に触られなぶられかき回され、そして引き裂かれていく・・・
仮に心が壊れなかったとしても、身体は使い物にならなくなるのは絶対だ。

どうかそうなってしまう前に自白してほしい。
バッシュにとっても、この女に休息を与えてあげたいと思う。
だが自白しない以上、休みは与えず逆に奪っていかなければいけない。

再び女の脚を割り、抵抗を無視して無理矢理侵入すると女の口から痛々しい悲鳴が上がる。
「苦しいのは分かっている。もう休みたいはずだ。 口を割ればすぐに手当てをして休ませてやろう。 だが、いつまでも強情を張る気なら―――」
言葉のタイミングに合わせて奥へと押し込むと、裂くような声が上がる。
「―――君が確実に壊れるまで、続けるのみだ」
真実を語らせるため、楽に殺してやることもできない。
死は与えず、気が狂うほどの快楽を延々と与え続けるだけ・・・


だから、どうか語ってくれ。
もう自分を労わってやってくれ。



そして、どうか―――私から鬼の仮面を外させてくれ



そう心で強く願いつつ、バッシュは女の胸に噛み付き激しく動きを再開させた。







☆ちょこっとあとがき☆
リクエスト第3号です!
匿名の方からのリクエストで、内容は「主人公とS気味バッシュでエロを!!」でした。
モロにえっちぃ描写はできないので嬌声を書かずにSバッシュを書けるシチュエーションを模索して結果このようなストーリーになりました。
「S気味」ということなので完全なSではありません(笑)
酷いことをせざるを得ない状況ということでバッシュ心を鬼にしています。
主人公とバッシュが仲間だとしたらちょっとこのリクエストは話が長くなりそうだったので、敵同士ということにしました。
ちなみに主人公に暗殺を命令したのはガブラスです(笑)
1度暗殺があれば2度目の暗殺計画(ナブディスでの暗殺)はないだろうとバッシュ達が気を緩ませると踏んでの策略です。
そういう設定を前程に書きました。
だからこのバッシュはまだダルマスカの英雄将軍です。
このあと主人公がどうなるのかは皆さんの想像に任せます(笑)
Sバッシュやっぱ好きですっ! 何が好きって、口調が好きなんです。
有無を言わさないあの言い回し!
惚れますねっ!!

ドキドキするリクエストありがとうございました!!