麒麟の翼

なかなか見ごたえのあるミステリー(?)でした。

テーマは「相手のことをちゃんと知っている?」という感じなのかな。

自分の身近のいるひとのこと、ちゃんと知ってますか?そういうことが問われていたように思います。

自分のお父さんの気持ちに気がつけなかった息子
息子に直接気持ちを聞くことができなかった父

恋人の思いに気がつくことができなかった彼女。
自分の妊娠を彼氏に伝えられなかった彼女

私も娘のこと旦那のこと、実はよくわかってないのかもしれません。

主役は阿部寛。警察官です。

物語のはじめに 男が倒れます。

ある工場の主任をしている男性が、刺されて、日本橋の麒麟の像まで助けを呼ばずにやってきて、そこで力尽きました。手には折り鶴を持って。

そして現場近くで、怪しい男性がいます。この男性は同棲中の彼女に「とんでもないことをしてしまった」と電話し、その後警察官に見つかり、逃げたところでトラックにはねられて意識不明の重態に陥ってしまいます。

容疑者の男性は、殺された男性の会社で派遣社員として働いており、仕事中に怪我をして、労災もなく、派遣切りに合ったことがわかりました。

そのために、その逆恨みで殺されたのではないか?と世間は考えます。

結局、容疑者の男性もなくなってしまいます。

しかし、殺された被害者の男性が、不審な行動を起こしていることがわかります。

日本橋付近で千羽鶴を持って、安産と水難の神様に定期的にお参りをしていたと。

また、不仲であった息子は中学校のときに水泳部をやめていたことなど。

殺された男性は息子と同じ中学校で、過去に学校のプールでおぼれて障害を持った青年のためにおまいりしていたのだとわかります。

この青年は中学校のときに水泳部でリレーの選手に選ばれ、そのために学校に忍び込んで練習しているときにおぼれたのでした。

実はおぼれた少年はリレーの練習でへまをし、そのため息子たちに夜中学校のプールでイジメに近い特訓をさせられていておぼれたことがわかります。

それで息子は、ずっと反省し障害を持った男性のために、おまいりをしていたのですが、偶然お父さんに知られてしまいやめてしまいます。

それで、お父さんがその後を引き継いでいたのだとわかりました。

お父さんが、息子たちのプールでの出来事をなんとなく知ってしまい、それで息子の同級生に連絡します。

同級生と出会ったお父さんが、同級生からプールでの出来事の本当のことを聞きだそうとしますが

同級生は「お前の息子が一人でやった」と嘘をつきます。

お父さんは「息子を警察に連れて行く」とそして「息子と一緒に償う」と同級生に伝えます。

それで、それをされると自分の事もばれてしまうと考えた同級生が、お父さんを刺し殺します。



息子は、お父さんの事件と中学校のときのプール事件は何か関係があるかもしれない、と同級生に伝えた結果

お父さんを殺した同級生は自殺未遂を起こします。


そうしてようやくすべての事件がつながります。

結局、容疑者の男性はかばんを奪っただけで殺してはいなかった。そして彼女の妊娠も知っていた。

息子は千羽鶴つくりをつづけていきます。

みんな日本橋の麒麟の像の前で再スタートをきっておしまい。