「ふたりっ子」
ストーリー 
昭和41年、大阪庶民のシンボル通天閣の近くの商店街で豆腐屋を営む野田光一、
千有希夫妻に双子の女の子が授けられた。
名前は姉が麗子、妹が香子、60年に一度の丙午の年に生まれた二人がこの物語の主人公である。
 そして、10年後の昭和51年、麗子と香子は容姿はそっくりに成長していたが、性格はまったく対照的だった。
頑張り屋で優等生で、クラス委員も努める"マドンナ"麗子に対し、香子は、枠にはまらずすべてからはみだし
て、落ちこぼれ寸前、親や先生に怒られては、一人、通天閣の展望台に上がって
ぼんやりと大阪の街を眺める毎日を過ごしていた。
 そんなある日一人の男佐伯銀蔵(通称銀じい)、賭け将棋を生業とする流浪の真剣師と出会う。
運命の出会いから、勝負の独特な緊張感に魅せられた香子は、以後将棋に取り憑かれていく。
銀じいは言う、「香子の香は香車の香や。この駒は前にだけまっすぐ進む。お前も思い通りに生きたらええ」
、ある日の通学途中、香子に、お互いが入れ替わって、香子が麗子に、麗子が香子に
成りすますことを提案する。ほんのいたずら心だったが、麗子のコンプレックスの歪みから、香子(入れ替わった麗子)が
同級生の男の子に火傷をおわせてしまうという大事件を引き起こす。
 泣いて叫んで香子を怒る千有希、言葉の弾みで「あんたなんか生まなきゃよかった」と口走る。
香子は飛びだし、街を彷徨った。疲れ果て、ふと見かけた銀じいのあとをついていき、夜行列車に飛び乗って
しまう香子。行方を探す光一、千有希、麗子。列車の向かう先は遠く日本海。
 家出事件が治まって8年後の昭和59年、香子と麗子の二人は18歳、高校3年生になっていた。
ただ、同じ高校三年でも麗子は府下一の進学校、香子は最も低いレベルの高校で、しかも留年寸前だった。
 英語の弁論大会で優勝した麗子は、京大一本に絞って大学受験すると宣言。
千有希は教育ママに変身した。豆腐作りの次に生きがいである阪神タイガースのテレビ観戦を
「勉強の邪魔になる」と禁じられた光一は戸惑うばかりだった。麗子は秘かに計画を進めていた。
義理としがらみばかりの下町暮らしが何より嫌で、芦屋での生活を夢みていたのだ。
 芦屋、実は千有希は、芦屋で女子校を経営する理事長の一人娘で、中卒の光一と大恋愛の末、親の反対
を押しきり、野田豆腐店に嫁いできたのだった。以来実家とは絶縁状態、光一はなかなか嫁が来ない商店街
の独身軍団の中で伝説の人物だったが、千有希に対して若干の心苦しさも抱え続けていた。
 その頃、千有希の実家、有沢家では、父・英之と母・理佐子との関係が最悪の状態になっていた。
千有希の駆け落ち以来、父・英之が家庭を顧みず、母・理佐子は少しずつ精神の変調をきたしていた。
一方香子は、唯一の生きがいだった将棋に対しても、燃えるものを失いはじめ、高校を中退して実家の
豆腐屋を継ごうとする。豆腐作りの現場では人が変わったように厳しい光一に対して相変わらず不器用で
失敗ばかり繰り返している香子だったが、ある日、将棋センターに現れた男に完膚なきまで惨敗する。
相手は奨励会三段、森山史郎。将棋への情熱が復活した香子は、試験を受けて、奨励会に入り
プロの将棋指しを目指したいという。珍しく怒る光一、「フラフラしているような奴は出ていけ」と怒鳴る。
その時「出ていきます」と答えたのは麗子だった。
香子の奨励会試験、麗子の華やかな大学生活、理佐子の復讐宣言。千有希の20年ぶりの両親との再会
そして光一と千有希とのすきま風…様々な物語が"波瀾万丈"に展開していく。


主な出演者
野田麗子(ヒロイン)…少女期:三倉茉奈、青年期:菊池麻衣子
双子の姉。まじめな性格で頑張り屋。秀才で京都大学を卒業。庶民的な実家に嫌気がさし、大学は芦屋の祖父母宅から通う。
野田香子(ヒロイン)…少女期:三倉佳奈、青年期:岩崎ひろみ
双子の妹。麗子とは対照的に破天荒でやんちゃな性格。学校の問題児で教師や両親から度々怒鳴られる。
しかし、将棋センターで出会った老人・佐伯銀蔵(銀じい)の勧めもあって将棋に打ち込み、やがて女性初の正式な棋士を目指す。
野田千有希…手塚理美
麗子と香子の母。
芦屋の有沢家の令嬢。なぜか豆腐屋の光一を想い、駆け落ちする。
その後は豆腐屋の女将として店を切り盛りし、二人の娘を育てる。
度々光一と離婚すべきか悩むが、憎むことから生まれる愛情を見出す。
野田光一…段田安則
麗子と香子の父。
天下茶屋の野田豆腐店に生まれ、跡を継ぐ。
芦屋の令嬢であった千有希を駆け落ち同然で奪い、芦屋の義父母とは敵対関係であった。
その後オーロラ輝子に執拗な憧れを抱き、一時期蒸発して輝子の付き人となった(その期間は光野田一(みつの たいち)(本名のアナグラム)を名乗っていた)。
輝子がメジャーデビューするのを機に別れ、野田家に戻り豆腐屋家業を再開。後に輝子が病に倒れると、その死の最期を看取った。阪神タイガースのファン。
黒岩真実…三倉茉奈
のちに麗子・政夫が結婚して出来た娘、玲実の双子の姉
母・麗子譲りの優等生だが、それ故に玲実ほど両親からかまってもらえず、皮肉にも母と同じ苦悩を持つ。
黒岩玲実…三倉佳奈
のちに麗子・政夫が結婚して出来た娘、真実の双子の妹
父と叔母・香子の性格を受け継いだやんちゃな性格。
黒岩政夫…伊原剛志
野田豆腐店のある商店街に店を構えるバーバー黒岩の息子。
娘にも「マサ」の通称で呼ばれる。麗子が幼い頃より麗子に憧れ、ついに結婚する。
豆腐屋事業に苦悩する妻と麗子・香子に性格がそっくりの双子の娘に苦労する。両親の引退で理容店を継ぐことになる。
森山史郎…少年期:伊藤譲二、青年期:内野聖陽
少年時代は賭け将棋に打ち込んでいた父を憎み、父に会おうとした銀じいと香子に将棋の駒を投げつけたことがある。
後には奨励会員となり、高校卒業を間近に控えた香子と将棋対局をし、彼女を負かした。
これがきっかけで、香子に女性が正式な棋士になる道を開拓させることとなり、やがて香子と結婚する。
しかし、勝負師としての本能に目覚めた香子から離婚を望まれ、彼女への愛情からそれを承諾する。
のちに香子とタイトルを争い、その対局中に香子へもう一度求婚する。
海東壮平…山本太郎
とある財閥の御曹司で、アメリカンフットボール・京都大学ギャングスターズのスター選手。
麗子のフィアンセになったことがある。
後に豆腐事業を展開していた麗子と再会し、麗子と政夫の心を揺らす。森山史郎とは学生時代からの旧友。
佐伯銀蔵…中村嘉葎雄
通天閣の地下にある将棋センターの常連客で、賭け将棋を生業としている真剣師。香子には「銀じい」と呼ばれる。
香子にとっては、将棋のみならず人生の師匠となる。
オーロラ輝子…河合美智子
通天閣の歌姫といわれる演歌歌手。孤児院育ちで本名は「小山田てる」。
元々「夫婦みち」を持ち歌に地方を渡り歩くどさまわりだったが、劇中では新曲「まごころの橋」が大ヒットして紅白歌合戦に出場。
その後落ちぶれて通天閣に戻るが、肝臓ガンに冒されており、通天閣で熱唱した後に倒れ、光一に看取られながら激動の生涯を終えた。
頭部に通天閣の置物を乗せ派手な着物といういでたちで一世を風靡。
有沢家(千有希の実家)
有沢英之…高島忠夫
千有希の父。娘の結婚に反対し、千有希を勘当する。
初めは亭主関白だったが、長い間その仕打ちに耐えてきた妻の理佐子に家庭内暴力を振るわれる。
この事件を機に考えを改め、野田家とも和解した。
その後は人が変わったかのように好々爺となり、麗子のビジネスがバブル崩壊の影響で破綻した時は、借金返済のために芦屋の本家を売り、六甲の別荘に引っ越した。
有沢理佐子…香川京子
 千有希の母。夫のワンマンぶりに耐えかねて、ついに家庭内暴力を振るってしまうが、後に英之と和解した。
六甲に引っ越した後は、阪神大震災のショックで痴呆症の兆候が出た英之のリハビリに専念する。
有沢可奈…丹阿弥谷津子
英之の母。
天下茶屋の人々
黒岩良夫…宮川大助
 バーバー黒岩の鴛鴦夫婦。野田夫妻のよき相談相手である。
ドラマの中でも夫婦漫才のような台詞が多い。理髪店を息子政夫夫妻に任せ、和歌山の故郷で余生を過ごす。
黒岩伸代…宮川花子
 バーバー黒岩の鴛鴦夫婦。野田夫妻のよき相談相手である。
ドラマの中でも夫婦漫才のような台詞が多い。理髪店を息子政夫夫妻に任せ、和歌山の故郷で余生を過ごす。
谷武蔵…河島英五
たこやきビリヤードのマスターで、政夫の親友。ビリヤード占いが得意。
梅屋音吉…夢路いとし
通天閣将棋センターの席主。
伊能義臣…麿赤兒
賭け将棋を生業とする真剣師で、銀じいのライバル。
ダイナマイト玲子…叶麗子
演歌歌手。大阪を去ったオーロラ輝子に代わり、通天閣の歌姫として人気となる。
騎士
米原公紀…桂枝雀
棋界のドン・永世名人。森山史郎と野田香子の師匠。
米原桂子…三林京子
米原永世名人の妻。
猿渡夏彦…國村隼
新進棋士奨励会の幹事。初登場時は五段、後に六段。
初めは香子を軽視していたが、次第に実力を認めるようになる。香子と森山の結婚式では幹事を務めた。対局の解説を担当することが多い。
雨宮秋彦…田口浩正
奨励会員。弱気な将棋だったが、銀じいに教えを乞うて攻め将棋に開眼する。
しかし、互いにプロ入りを懸けた大一番で香子に敗れ、年齢制限規定により奨励会を退会する。その後はレストランで働き、棋士を辞めようとする香子を慰留した。
羽柴秀明…茂山宗彦
21世紀編に登場する天才的な若手棋士。突如、香子にプロポーズするが、森山に敗れて引退してしまう。
羽生善治…羽生善治(本人役)
「名人」タイトル保持者。香子が羽生の名人位に挑戦するシーンをもってドラマは幕を閉じる。

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