◇千代田工業事件◇大阪地裁判昭61・10・17
-事件概要-
契約期間満了を理由とするNの解雇問題に関する団体交渉につき、組合は団体交渉当事者適格を欠くとして拒否したことが争われた事件で、大阪地労委の救済命令を不服として会社が行訴を提起していたが、地裁は請求を棄却した。
-判決要旨-
○
交渉団体として不適格
横断的に組織された労働組合であっても、労組法2条の用件を満たすかぎり、適法な労働組合であり、組合員の中に会社が雇用する労働者が含まれているかぎり、組合は右労働者の代表者として、会社と団交をする権利を有する。
○労委の裁量権と司法審査の範囲
不当労働行為事件における労委の権限には、認定された事実に対する労組法等の解釈、適用という準司法的権限も含む。
○労委の裁量権と司法審査の範囲
労委は団交拒否の不当労働行為事件において、その裁量に基づき、単に団交拒否を禁止するにとどまらず、団交の作為を命じうる権限を有する。
○その他
労働組合は、解決可能な事項である限り、組合自身のためだけでなく、組合員のためにも使用者と団交をする権限を有する。
○その他の審査手続
労委は、裁判所による司法救済とは別に、独自の立場で行政救済を遂行する職責と権限を有するのであり、同一事案に関する裁判所の事実認定や判断に何ら拘束を受けるものではない。
○交渉団体として不適格
労働組合制度についての独自の見解に固執して組合を認めず、Nの解雇問題に関する
団交を拒否したことは不当労働行為である。