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烏賊と電脳の綜合百科事典
烏賊の王様

烏賊に纏わる故事・諺・慣用句

俗信・迷信

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『烏賊、蛸三年、ナバ八年』

天然痘に罹れば、治癒後も、食しては駄目な食物を列べ擧げた俗信。猶、ナバは、長崎縣五島地方の方言で茸の事を謂う。

『水鶏が鳴くと烏賊が獲れる』

烏賊の漁期を傳える佐渡地方の俗信。水鶏(クイナ)は、川や湖沼等の水邊や湿地帯に棲むツル目クイナ科の鳥で、秋に成ると北 方から渡來する。1981年に沖縄で新種のヤンバルクイナが發見され話題を撒いた。

『夏の烏賊は眼に附く、冬の烏賊は手に附く』

烏賊漁に關する者で、夏は夜が短いので睡眠不足に成り勝ち、冬は水温が低いので手が凍えるが、其の辛さを我慢しなければ 烏賊漁は成功し無いと謂う長崎縣壱岐地方の俗信。

註:烏賊釣漁は、烏賊が集光性を有する爲、通常夜間行われ、日暮れと共に始まり夜明けと共に終わる。即ち、夜間操業し、昼間 休息(睡眠)する譯で有る。從って、夜の短い夏場に睡眠不足に成ると謂うのは解せ無い。尤も、夏場は盛漁期で有り、捕獲した 烏賊を處理し終える迄、休息(睡眠)出來ない譯で有るから、大漁時には睡眠不足に成る事も有る。現在日本の烏賊漁獲量の大半 を占める南西大西洋(アルゼンチン沖、フォークランド沖)では、夏の最盛期には、連日40屯を超す漁獲が有り、處理に追われ、 睡眠不足に成る事も多々有るが、烏賊漁に於いて、夜が短いので睡眠不足に成ると謂う説明には納得出來ない者が有る。此の件に 關して、納得出來る説を御存知の方は、聯絡頂ければ幸甚に存じます。

『烏賊と砂糖餠』

食い合わせの俗信。

『スルメを燒いて燻(いぶ)すと風邪が逃げて行く』

火鉢にスルメを燒(くべ)ると風邪の神が現れ『煙いから出て行く』と謂って退散したと謂う俗信が三重縣鈴鹿市に傳わる。亦、 小腹痛、一切の眼病、婦人の血の道を治す。外傷には粉末に仕て振り掛けて良しから謂う俗信も有る。

『烏賊の墨は解毒藥』

烏賊の墨は、蝮(まむし)や毒虫や病犬に囓まれた時に解毒や止血に役立つと謂う俗信が有る。

『烏賊の墨は枝葉の繁茂防止に役立つ』

植木の職人には、枝葉が茂り過ぎた時は、木肌を削り烏賊の墨を塗ると、其方側には枝が出なく成ると謂う俗信が有る。

『烏賊、蛸は中(あた)ら無い』

烏賊、蛸の類は少々鮮度が落ちても中毒し無いと謂う俗信。併し、『烏賊は船の上で食べよ』とも謂い、矢張り味覺、食感の觀點 からも新鮮な物を食する方が良い。猶、鯣烏賊(するめいか)等は鮮度の良い時は茶褐色、鮮度の低下と共に白色、更に鮮度が低 下すると桃色に變色するが、桃色に迄鮮度低下すると惡臭を放ち食べられた物では無い。

『河豚(ふぐ)に中(あた)りたるは烏賊の墨を飲む可(べ)し』

河豚毒の解毒に關する俗信。昔から解毒剤が彼れ此れ取り沙汰され『紺屋の藍を飲ませると良い』とか『土中に首迄埋めると良い』 とか『鯣(するめ)の足を燻(いぶ)して鼻の穴から吸うと良い』等有るが、孰れも迷信で有る。現在でも、對症療法が有る丈で、 起死回生の妙薬は無い。