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烏賊の經濟と經營に關する索引
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流通と價格の總括
解説 烏賊類の需要關係は、大きな転換期に來て居ると思われる。1987年、1988年のアルゼンチン沖のアルゼンチンイレックス
の増産が、冷凍スルメイカの價格を大幅に引き下げ、其れに引き擦られて沿岸烏賊釣船が獲る生鮮烏賊の價格迄引き下げて仕舞った。198
8年の其れは漁業者から觀れば過剰生産の年、消費者から觀れば烏賊の刺身が安く食べられた年と謂う事に成る。1988年の市場価格では
アルゼンチンに出掛ける大型烏賊釣漁業で有っても採算に合わないと謂われて居る。
漁業者、加工業者、消費者に取って、烏賊を大量に安定的に安く供給するのが御互いに最も良いので有る。烏賊釣漁業は、日本近海の資源
に關しては乱獲に依り資源破壊を進めたと考えられて居るし、漁船の集魚灯の光力は資源先取り竸争の爲に適正水準を遙かに超えて、明ら
かに油代の過剰投資と成って居る。
近海資源を最適に利用し投資効果を最大にする爲には、現在の漁業の箇別竸争に歯止めを懸ける社會システムが必要で有る。其の様なシ
ステムは人間と人間の關係を調整する社會問題と仕て提起されて居るので有る。
加工流通に關しては、大量の供給に對應して新商品開發が盛んで有る。食用加工水産物で74萬屯の消費量と謂うのは他の魚では觀られ無
い大きな量で有り、其れが実現したのは流通加工部門の需要の掘り起こしが有ったからで有る。今後の供給擴大が予想される中での新規需
要の開拓は、流通加工業界が發展する爲にも、生産者價格を維持する爲にも必要で有る。例えば、或る業者は、烏賊の刺身とトビウオの卵、
セリ、食用菊を組合わせた商品で1億圓の賣上を3箇月間で成し遂げて居る。
今後日本の漁業に取って代わって、韓國を初めとする漁業が活溌化し、日本への輸入増大が懸念される。例えば、ニュージーランドは日本の
中古船を買い取り日本の技術を導入し様と仕て居るし、日本のスルメイカの非自由化品目指定(IQ)には強い不滿を示して居る。輸入制限は
國際問題化して居るので撤廃しなければ成ら無く成るかも知れ無い。然う成った場合、日本の烏賊漁業は、經費の引き下げを行い、價格維持
の爲に生産調整を圖らなければ成ら無い。