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烏賊と電脳の綜合百科事典
烏賊の王様

烏賊の各論と詳細

コウイカ
Sepia esculenta


別称 ハリイカ、マイカ、スミイカ、Edible cuttlefish−甲烏賊

形態 日本で最も普通なコウイカ類の種で、以西底曳網で大量に漁獲されるのは本種で有る。外套長15糎位で、外套背面に横縞が 有り、鰭(ひれ)の基部に沿って白線が走る。特に雄では明瞭で有る。触腕泳膜は狭い。掌部の吸盤は10〜16列で、特に大きい吸盤は無く 同大で有る。雄の第4腕は交接腕に成って居て、先端三分の一の約5〜6列の吸盤が縮小して居る。甲は卵形で極めて薄く、後端に鋭い棘を 有して居り、背側には顆粒状で弱い3本の縦畝が有る。内円錐と癒着し前方に張り出して居る。美味な烏賊で有る。

生態 資源量が餘り多く無い事も有って、大群を成して移動回遊を行う譯では無いが、産卵の爲、接岸する時には雌雄一對で行動 する事が多く、産卵後は産卵場の附近で斃死する。此の斃死体は甲の浮力の爲に海の表面に浮漂するが、産卵を終えた疲労から衰弱が 進み、其の衰弱の程度に依って内灣淺海域で本種が浮沈して居る姿が5〜6月頃觀察される。日本丈で無く、東南亜細亜諸國でも廣く利用 されて居る。

備考 春先、内灣に集まり繁殖するが、雄は2本の腕を擧げ、興奮の爲、躰を光らせ乍ら雌を誘い、丁度人間が両手を組み合わせる 様な格好で交接する。雌は直径1糎位の卵を海藻や沈木に産み附ける。此の間、雄は雌を防御し、他の雄を寄せ附けない。