烏賊と電脳のホームページ

烏賊と電脳の綜合百科事典
烏賊の王様

烏賊の各論と詳細

ドスイカ
Gonatus onyx


形態 外套長24糎程度のスルメイカ型の烏賊で、外套膜は稍(やや)寒天質で柔らかく水分が多い。外套膜の中程は稍膨らんで、 鰭(ひれ)は大きい菱形を呈する。鰭長は外套長の約二分の一に達し、幅は此れより大きい。第4腕は吸盤丈が4列に並んで居るが、第1〜 3腕の中央2列は鈎に成って居る。触腕掌部には細かい吸盤が20列以上並んで居て、テカギイカ属の様な1大鈎は無い。触腕吸盤の角質 環には約15箇の小歯が有る。

生態 冷水性中・低層種で、北太平洋の北縁沿いに、バンクーバー島からアリューシャン列島、カムチャッカ半島、千島列島、三陸 沿岸に掛けて帯状に分布し、日本海全域にも分布する。日本海では底曳網に相当量入網するが投棄して居る。亦、北洋トロール網に多量に 入網するが、本種を選択的に漁獲し無いのは、利用法が開發されて居ない爲で有る。水深300米位の處に棲み、深海トロールに混獲され、 鯨類の餌として重要な役割を果たして居る。躰は肉質が軟弱で稍水分が多く、未利用の潜在大資源種で有る。將來の開發期待種と觀て 良い。現在の處、加工利用実験では、烏賊塩辛に適性の有る事が判明した程度で有る。