烏賊と電脳のホームページ

ツメイカ
Onychoteuthis borealijaponica
形態 体型はスルメイカ型で、開眼型で有る。外套長30糎に達し、外套膜の背面正中線には肉畝が有る。各腕は粗(ほぼ)等長で
外套長の二分の一に相当し、吸盤は2列に並んで其の角質環には歯が無い。併し、触腕の腕頭には約25〜27箇の鈎が2列に並び、鈎列
の初めと終わりの部分に約10箇の小吸盤と肉嘴とが集まって附着噐を形成して居る。亦、直腸背面に發光噐が有るが、楕円形で小さい。
生態 冷水性中層種で、沖合で表層生活者として知られて居る。北太平洋の日田半分に廣布し、トロール漁で大量に混獲されたり、
大型烏賊一本釣漁船に混獲されるが、本種に對する選択的専業漁業は無い。
分布は廣く、太平洋、地中海、印度洋と汎世界的廣布種で有るが、日本では北海道釧路、及び、日高沖等で夏秋の頃相当量の漁獲が有る。
統計は詳細で無いが、1974〜1974年で2千〜5千屯程度の漁獲量が有った様に推定される。
近年三陸沖から道東沖に掛けて漁獲量が増大して居る開發有望種で有る。問題なのは、サキイカの原料として使用した場合に、スルメイカ
類のスルメイカ、アカイカとツメイカ科のツメイカ、及び、テカギイカ科のタコイカ、ドスイカを比較すると、引き裂き肉の毛羽立ちが生物學的分類と
密接な關係が有るらしく、色、味、香り、毛羽立ち等を綜合すると、スルメイカ、アカイカが優位に立つと謂われて居る點で有る。タコイカとドス
イカを含めてツメイカの筋肉組織に適した加工利用法の開發研究が今後の課題と成って居ると考えられる。