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ケンサキイカ
Doryteuthis kensaki, Loligo edulis
別称 ゴトウイカ−剣先烏賊
形態 外套長35糎、体重600瓦位迄に達する。眼は閉眼型を呈する。外套膜の腹中線に肉畝が有り、雄で顯著で有る。鰭(ひれ)は
縦長の菱形で、外套長の70%に及び、鰭の後縁は稍(やや)凹形を呈して居る。第2・3腕の大吸盤の角質環には8〜10箇の高く先端の鋭い
歯が有るが、基部寄りの縁は平滑で有る。触腕吸盤は4列で大吸盤は第3腕の其れに粗(ほぼ)同大で、角質環には30〜40箇の犬歯状の
鋭い歯が並ぶ。雄の第4腕は交接腕に成って居り、先端の二分の一は肉嘴列で、縮小した吸盤を負って居る。墨汁嚢表面に一對の發光噐が
有る。肉質は良く、一番スルメの材料は本種で有る。
生態 本種は青森縣以南に廣く分布するが、九州西方、五島周辺に豐産し、沿岸産烏賊の中での南方暖水域種の代表種と目されて
居る。春から夏に産卵の爲、沿岸淺處に來遊する群を小型の一本釣漁船で漁獲する。外套長10〜20糎位の頃に定置網等で漁獲された者は
鰭長と外套長の比率が成体と異なるので、別種のヒメカリイカと謂われて居たが、成長に伴い体形比率がケンサキイカに納まって來る事が判明
した。卵は砂地に産み附け、1箇の卵嚢には200前後の粒が納められて居る。ヤリイカが冬春季産卵するのと入れ替わりに春から夏に産卵する。