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ニュージーランドスルメイカ
Nototodarus sloani
形態 外形がスルメイカに酷似し胴長40糎に及び、雌は雄より大きく成る。外套膜の背面中央に黒色縦縞が有る。鰭(ひれ)は横長
の菱形で有る。日本のスルメイカより大きく、肉厚も厚い。
生態 南太平洋のニュージーランド周邊の大陸棚、及び、陸棚斜面の水深約400米迄分布して居る。此の近邊の海域には、ニュー
ジーランド北島・オーストラリア南東岸の水深400米以淺の大陸棚・陸棚斜面に分布するオーストラリアスルメイカ、及び、タスマニア島周邊の
大陸棚に分布するミナミスルメイカが棲息して居り、此の三種は識別されず混合で日本に搬入されて居る。猶、ミナミスルメイカの漁獲は極めて
僅かで有り、漁獲の対象とは成ら無い。ニュージーランドスルメイカの産卵期は春から秋に懸けてで有り、數回の産卵が行われる。
漁場は、トロールでは南島南岸、及び、オークランド島周邊の水深200乃至400米の大陸棚斜面で有り、亦、烏賊釣では北島周邊、南島東
西両岸の水深200米迄の大陸棚が中心と成り、漁法に依り漁場が區分されて居る。漁期は、12乃至6月(南半球の夏期から秋期)で、漁業
別では、烏賊釣では1乃至3月、トロールでは1乃至5月頃が盛漁期で有る。
備考 ニュージーランド水域に分布するスルメイカ類の漁業は1969年頃から開始された。1971年に海洋水産資源開發センターが
試驗操業を行い、有望な資源で有る事が確認された後、日本の烏賊釣漁船が出漁する様に成り、亦、烏賊釣漁船も大型化され、日本の大型
烏賊釣漁船の幕開けと成った。
1980乃至1984年迄の年間の漁獲量は、トロールで3乃至5萬屯、烏賊釣で4乃至7萬屯に達して居るが、其の後、ニュージーランドの漁獲
規制が有り、漁獲量は減少して來た。1988年のニュージーランドスルメイカの漁獲量を觀ると、日本1.7萬屯、ニュージーランド3.2萬屯と
成って居る。最近は、ニュージーランドとの合辧船、或いは、韓國・台灣・ロシアの漁船に依り漁獲されて居る。