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烏賊と電脳の綜合百科事典
烏賊の王様

烏賊の各論と詳細

カナダイレックス
Illex illecebrosus


別称 タイセイヨウスルメ、タイセイヨウイレックススルメ、Short-finned squid、Bait squid

形態 外形がスルメイカに酷似し胴長28糎に及ぶ。外套膜の背面中央に黒色縦縞が有る。鰭(ひれ)は横長の菱形で、鰭頂角は40〜50 度、眼は開眼型、漏斗溝は平滑で、縦溝もポケット状側壁も無い。腕の吸盤の角質環外縁に鈍い歯が有るが、基部附近の吸盤の角質環外縁 は平滑で有る。ヨーロッパイレックスの様に雄烏賊の第1・2腕吸盤が肥大して居る事は無く、雌雄共第1・2腕吸盤に差違は無い。雄烏賊の右 第4腕は交接腕で、変形部分は全腕長の15〜25%で有る。肉は美味良質。

生態 主分布域は大西洋の西側北米沿岸で、摂氏7〜15度の水域で多獲されるが、其れより低温域へも分布する。海洋水産資源 開發センターの長年の調査に依ると、春季から夏季に成熟する小型群と、秋季から冬季に成熟する大型群の2系統が南と北に棲み分け、 ニューヨーク沖乃至ハテラス岬で混合して居る事が知られて居る。産卵場は、米国東岸沿いに南下し、ハテラス岬を越えて、フロリダ半島から メキシコ灣の間に形成されると推定される。資源量は大きく、カナダのニューファウンドランド島南岸のフィヨルド灣奥に時期が來れば大群が押し 寄せ、日本海の島根県壱岐島の浦郷灣由良浜に於けると同様に、數千乃至數萬尾が陸上に押し上げられ、自然に斃死する事で有名で有る。

備考 マツイカと謂う名称で最初に称呼された烏賊で、主漁場は、北大西洋の北米西岸のニューファンドランド沿岸の水深約35乃至 270米の大陸棚上で、表面水温が摂氏7乃至15度の水域で有る。此の種は、ニューファンドランド沖でアカウオを対象としたトロール漁船の 混獲物として知られて居た他、鮪延縄(まぐろはえなわ)漁船が經費節約等で鮪の餌として捕獲したのが始まりと謂われて居る。1987年 頃には3萬屯漁獲された事も有るが、近年は1萬屯程度に減少して居る。