旅のトラブル


何回か海外旅行に行っていると,トラブルにも遭遇します。
日本と違って,外国の担当者は簡単には謝罪しませんので,気分を害することもしばしばですが,かといって,何も言わないと何もしてくれません。
まぁ,解決する楽しみが与えられたと思って,気楽にのりきっていくしかないですね。
”るると”と”雄悠”もこれまでにいくつかのトラブルに遭遇しました。そのときの経緯を書いておきます。


No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 No.7 No.8 No.9 No.10 No.11






No.1 エコノミー → ビジネス → エコノミー → ビジネス
 新婚旅行の帰りの飛行機に乗るために搭乗口に向かったのですが,なぜか航空券がはじかれてしまいました。最初は係員も怪訝な顔をしていたのですが,よくよく調べた結果,
「ビジネスクラス」
と言われてしまいました。もちろん,
「サンキュー」
といって乗り込みました。ところがです。ビジネスクラスのシートに座ってくつろいでいると,一人の係員が来て,
「席が間違っていました」
といって,エコノミークラスの最後部のリクライニングも全くしない席に連れて行かれました。これには腹が立ちました。もともとエコノミーの航空券ですから,エコノミークラスになるのは納得も出来るのですが,かなり早い時間にチェックインして確保した窓際の2人並びの席から,クラス最後方のリクライニングもしない席にされたのでは堪りません。このときはさすがに抗議しました。
 その結果,意外にもあっさりと,
「こちらへどうぞ」
というわけで再度ビジネスクラスの席に案内されました。やっぱり主張するべきところは主張しなければなりません。
 まぁ,実際にはこのあともわがままな日本人夫婦のおかげで席の移動が2回もあったのですが,一応,それなりの対応はしてくれたので良しとしましょう。

No.2 油まみれのカバン
 ”るると”とアメリカ出かけたとき,最初の目的地,マイアミでなぜか預けていたカバンが油まみれになってターンテーブルに出てきました。少々の汚れなら気にも留めないのですが,さすがにこのときは酷すぎました。さっそく航空会社のバゲージクレームに行き,現物を見せて対応を頼みました。
 日本のように原因も分からない中でとりあえず謝罪するといったようなことはなく,まずは状況を訊かれました。
「ターンテーブルに出てきた時点で油まみれだった
と説明すると,
「それならクリーニングに出して下さい。レシートを持ってくればその費用を支払う」
と言われました。まぁ,当然の対応かもしれません。しかし,”るると”と”雄悠”にはクリーニングをやっている時間なんかありませんでした。と言うわけで,
「代わりのもの,あるいは現金で補償してほしい」
と主張し交渉を始めました。紆余曲折はあったのですが,最終的には上司の判断で70ドルの補償を受けました。ただし,現金ではなく,後日,銀行にて換金が必要な小切手の形でした。
 補償額としては100%満足できるものでもなかったのですが,まぁ,アメリカ人相手に交渉を行い,ある程度の補償を得ることが出来たのは成果だったと思います。

No.3 スーツケースが出てこない!
 カバンが油まみれになったマイアミからラスベガスに飛んだあと,ターンテーブルで”雄悠”のスーツケースが出てくるのを待っていたのですが,待てども暮らせども出てきませんでした。さすがに次の便の荷物が出て来始めたころにはあきらめて,バゲージクレームに向かいました。カウンターで,
「荷物が出てこない」
と伝えると,係員はここでも謝罪することなく,
「航空券を見せて下さい。それから,どのようなタイプですか?」
といろんなスーツケースの写真が載っているシートを示しつつ,手続を始めました。
 荷物はすぐに見つかったのですが,あるのは乗換地のロサンゼルスで,ラスベガスには明日の朝しか着かないとのこと。しかたがないので,翌朝,ホテルまで配達してもらうことにしました。
 翌日はまた別のフライトがあってドキドキしたのですが,何とか出発の時間までには荷物を受け取ることが出来ました。でも,このとき,荷物が遅れて着いた”雄悠”は機内持ち込み荷物の方に最低限の着替えと洗面用具を入れていたので何も困らなかったのですが,”雄悠”のスーツケースに入れていた洗面用具が着かず,”るると”は非常に困っていました。一つ学習しました。

No.4 部屋がない!
 出張でリヨンに行ったときのこと。ホテルに着いていざチェックインをしようとすると,
「予約の記録がない。今日は満室だから部屋は用意できない。」
と言われてしまいました。実は出発の直前に宿泊者を変更したのですが,どうもそれがうまく伝わっていなかったようです。結局,
「当初予約して**に代わって私が来た。**は来ない」
と伝え,何とか納得してもらいましたが,ちょっと冷や汗でした。

No.5 なぜか始発駅から遅れる列車?
 イタリアからドイツに帰るとき,ミラノ中央駅からイタリアが誇る振り子列車のチザルピーノに乗車しました。しかし,これが始発駅のミラノ中央駅を出る時点から遅れるのです。まぁ,いろんな要因があるのだろうとは思いますが,やはり最大の原因はイタリア人の性格とシステムの悪さだと思います。なにせ,列車の出発時刻の表示が飛行機のように5分おきにしかなっていないのです。しかも,同時発車もたくさんある。つまりは,準備が出来て,線路がオープンになれば出発するという,まさに飛行機のようなコントロールをやっているのです。これでは遅れますよね。
 それにしてもこのような列車が乗り入れてくるスイスやドイツは大変だと思います。日本ほどではないものの,割としっかりした鉄道システムを持っている両国ですが,イタリアから来る列車がこれでは・・・。そのためか,チューリッヒではかなり長い停車時間が取られていました。これで,遅れも回復できるかと思っていたのですが,結局,遅れは取り戻せず,シュトュットガルトで乗り継ぐ予定の列車には間に合わず。その後はもうめちゃくちゃでしたが,車掌の
「どの列車に乗ってもいい」
という裏書きのおかげで,ルートも列車種別も関係なく,最も早い列車で帰ることが出来ました。迅速に対応してくれたのはよかったです。

No.6 ATMが使えない!
 大晦日にベルギー・ブリュッセルに行ったときのこと,いつものように三井住友銀行の国際キャッシュカードでATMから現金を引き出そうとしたのですが,なぜかATMが使えませんでした。三井住友銀行の国際クレジットカードはVISA系列であれば使えますし,海外では事実上,全てのATMで使えると思って差し支えないのですが,このときはどこに行ってもダメでした。最も堅いと思われたシティバンクにも行ってみたのですが,これでもダメでした。
 最終的にはあきらめてレートの悪い現金から現金への両替にしたのですが,レートの悪さよりも,ATMをかけずり回っていたおかげで行きたかった博物館に入れなかったのが本当に残念でした。考えてみれば,翌日からは欧州の主な通貨がユーロになるという日であり,これが影響したのかもしれません。いずれにしても,カードだけに頼るのはやはり危険だと思いました。


No.7 部屋がない! Part 2
 出張でマインツに行ったのですが,このときまた「部屋がない」という状況に遭遇しました。そのとき,通訳として来ていただいた女性が”雄悠”と同じ名字だったのです。ホテルの予約は”雄悠”がまとめてやったのですが,このときホテル側は”雄悠”と通訳の女性は夫婦だと思ったようで,同じ部屋にしたのです。
 まぁ,このときはホテルの部屋に余裕があったので別の部屋をすぐに用意してもらって,事なきを得たのですが,それにしても,予約する際,あえて違う住所にしておいたにもかかわらず,同部屋にされるとは。フロントの係員曰く
「夫婦だと思った」
とのこと。でもそれには齢が離れすぎています。もちろん,”雄悠”の方が断然若いのです!


No.8 部屋がない! Part 3
 またまた「部屋がない!」と言う事態になりました。”るると”とドイツを旅したとき,ICEでベルリンに着いたのはすでに22時を過ぎていました。一応,予約はしていたので,それほど心配せずにホテルに向かったのですが,なぜかホテルの玄関は明かりが落ちていました。それでもまぁ,小さなペンジオーンだったので「そんなものかなぁ」と思って玄関に入っていたのですが,中から出てきた女将は非常に驚いた様子でした。
「予約してあります。」
といって予約確認書を出したのですが,
「そんなはずはない。今日は満室だ。」
とのこと。こちらこそ,
「そんなはずはない。」
です。予約確認書を再度確認してもらったところ,女将は,
「申し訳ありません。当方のミスです。かわりの部屋を用意しますので,お待ち下さい。」
とのこと。といってそのホテルはすでに満室だったので,別のホテルを紹介してもらいました。
 結局,同じクラスのホテルを同じ料金で案内してくれたので事なきを得たのですが,このときもちょっと冷や汗ものでした。


No.9 ”るると”,ストとの遭遇
 ”るると”3回目のドイツ旅行の帰り,アムステルダム空港で突然のストに遭遇してしまい,搭乗するはずのフライトがキャンセルさせてしまいました。こうなると”るると”には荷が重すぎます。泣くような声でケルンにいる”雄悠”に電話を掛けてきました。というわけで,”雄悠”がアムステルダム空港まで行くことになりました。
 アムステルダム空港では,結局そのまま空港で一晩を明かしてしまいました。でも,結果的にはそれが正解でした。翌日,チケットカウンターが開くや否や,すぐに代替便のチケットを受け取ることが出来ましたし,しかも,出てきた席はビジネスクラスでした。
 でも,このときのKLMの対応はよくありませんでしたね。まぁ,KLM自体,全く予想していなかったストだったのですが,スト当日とその翌日,アムステルダム・スキポール空港は大混乱でした。”るると”はたまたま翌日の振替便のチケットを入手出来たのですが,案内も十分ではなく,本当に困ってしまいました。後日,その点をKLMに抗議したところ,ホテルに案内できなかったことに対する金銭的な補償と迷惑を掛けたことに対して,いわばお詫びマイルの加算がありました。会社を1日休んだことや,肉体的な疲労を考えると大変だったのですが,少なくともKLMの誠意は感じました。でも,これもこちらから言わなければやってもらえなかったことだと思います。やっぱり主張すべきは主張すべきです。
 でも,”るると”,実は案内された席のリクライニングが壊れていたにも関わらず,主張できなかったとか。日本では「控えめ」はいいことですが,海外ではちっともいいことはありません。ハイ!


No.10 まさか!スキミング被害
 2004年にマレーシアに出かけた際,クレジットカードがスキミングされてしまいました。クレジットカードを使用したのはクアラルンプール国際空港でキャッシングをしたのと,ホテルで精算を行った2回だけ。もともと,マレーシアではスキミングの被害が多いというのは事前の情報でわかっていたので,できるだけ使用回数を限定して,国を代表する空港内の銀行ATMと高級リゾートホテルのフロントだけにしたのですが,結果的には被害に遭ってしまいました。これ以外に,現地の旅行代理店にホテルの予約を頼んだときにインターネットのセキュリティーサイトからクレジットカードの番号を入れましたが,このいずれかの時にスキミングされたものと思われます。
 最終的にはクレジットカード会社の方で補償していただき,金銭的な負担はなかったのですが,カード番号が変わったことで,いろいろな手続きが必要となり,それなりのダメージを受けました。
 スキミング被害が予想される国に旅行するときの対策としては,その旅行の期間だけ使用するつもりのクレジットカードを新規に作成し,旅行が終わったらすぐに解約する,といった対策が必要になると思います。


No.11 駐車券のエラー
 カッセルの地下駐車場に車を止め,見物や食事が終わった後,いざ出庫しようとして事前精算機に駐車券を入れたところ,何回やっても駐車券が戻ってきました。精算機を変えてもダメで,
「これは係員のところに行かないとしょうがないかなぁ」
 と思っていたところ,係員の方からインターホンで呼びかけてきました。ただ,このときのドイツ語がすべては聞き取れず,こちらから事務所の方へ動き始めてしまいました。実はこれが失敗で,係員は,
「そこで待っていろ」
と言ったようで,係員の方が”雄悠”を探していたため,今度は係員がつかまりません。何とか作業車で走り回っている係員をつかまえて事情を話したところ,
「じゃ,料金はここで私が受け取る。出口ではインターホンを押して,このことを話してくれ。そうすれば出れるよう,無線で連絡しておくから」
といってくれました。助かりました。これで駐車場から出れます。で,出口のバーがあるところまで来て,インターホンのスイッチを押したのですが,その次の言葉が出てきません。ドイツ語で,
「イッヒ,イッヒ・・・(私は,私は・・・)」
というばかりで次の言葉が出ないのです。そんなことをしていると,係員の方でバーを開けてくれました。「まったく,困ったやつだ」と思われたことでしょうが,まぁ,出られて何よりです。