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旅のタイトル | アメリカ横断ウルトラ疲れた! |
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旅の期間 | 2001年6月8日〜6月16日 |
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旅の目的 | セブンマイルブリッジドライブとグランドキャニオンハイキング |
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主な訪問地 | アメリカ | : マイアミ,キーウエスト,ラスベガス,グランドキャニオン |
旅日記 | プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 9日目 エピローグ |
プロローグ | ![]() ![]() |
またまた”るると”と”雄悠”が旅行に行きたくなりました。思いたったのは年が明けた1月ぐらい。当初はスイスに行こうと考えていて,GWの航空券をJTBのKa長さんのところにお願いに行ったのですが,すでのどの航空会社も満席とのこと。というわけでスイスはあっさり断念です。「それならばアメリカは」と訊いてみたところ,こちらも「満席です」とのつれない返事。GWの旅行はあきらめざるを得ませんでした。 それでも一回「行こう」と考えると簡単にはあきらめがつきません。もちろん,GWは航空券が取れないので物理的に無理ですが,それなら別の時期にということで,2人の休みを調整して見ると,6月の中旬頃に何とかなりそうだと言うことになりました。目的地はやっぱり6月のスイスはまだ寒いだろうから,アメリカに行こうと言うことになりました。”るると”は前々からグランドキャニオンに行ってみたいと言っていましたし,”雄悠”は前年の出張で行ったニューヨークにもう一度いってみたいと思っていました。さらに,フロリダキーズをドライブするという希望もありました。しかし,この3地点,さすがに1週間程度で訪れるのは無理です。さんざん言い合った結果,今回はニューヨークをあきらめ,フロリダキーズとグランドキャニオン,それにラスベガスということにしました。 アメリカを周遊するのであればアメリカ系の航空会社が最も便利です。選択肢はいろいろあったのですが,当時,関空からダラスへのフライトがあり,アメリカ国内線も充実していたアメリカン航空を利用することにしました。アメリカンにした最大の理由はスケジュールですが,前回のオーストラリア旅行以来,アメリカンのマイレージも貯め始めていたので,その点も理由の一つでした。 アメリカン航空 は当時からインターネットサイトが充実していて,オンライン上でスケジュールを検索することも可能でした。試行錯誤した結果,関西−ダラス−マイアミ−ダラス−ラスベガス−サンノゼ−成田−伊丹というルートを作って,JTBのKa長さんのところに行ってみました。そのときはこのルートで全区間予約が入るとのことだったのですが,その後,マイアミ−キーウエスト間をオープンジョーにして,関西−ダラス−マイアミ…キーウエスト−ダラス−ラスベガス−サンノゼ−成田−伊丹というルートに変更お願いしました。ところが,肝心のキーウエスト−マイアミ間の予約が取れないと言うことで,いったん,このルートはあきらめようと思ったのですが,どういう訳か,キーウエスト−マイアミ−ロサンゼルス−ラスベガスにすれば全区間予約がOKになるとのこと。ロサンゼルス経由になると,少しだけ所要時間が伸びますが,アメリカ大陸を東から西に移動する距離と時間からすればそれは誤差範囲なので,結局,そのルートで航空券の予約をお願いしました。航空券はいわゆる格安航空券で,成田−伊丹の国内線をプラスして99,000円(空港税別)でした。距離的にはほとんど変わらないヨーロッパと比べるとかなり安いですね。合計8区間も飛行機に乗って10万円を切るのですから。 次に手配したのがホテルです。最初の2泊,マイアミとキーウエストは アップルワールド で手配しました。2つのホテルに通算3泊したラスベガスはJTBのKa長さんにお願いしました。それ以外にグランドキャニオンに2泊したのですが,このホテルはラスベガス発のツアーに参加するという形にしました。 さらに,今回はマイアミからフロリダキーズをドライブするのが”雄悠”の最大の目的でした。よってレンタカーの手配もしました。利用したのは ダラーレンタカー で,日本で1ヶ月前ぐらいに予約しました。早期予約割引でハーツより安くなりました。 もう一つ,上述のようにラスベガスからグランドキャニオンへは現地発のツアーを利用したのですが,実際に参加したのは シーニック航空 の2泊3日のツアーでした。これはラスベガスからグランドキャニオンまでの往復の飛行機とホテル2泊,さらにサンライズかサンセットのツアーがセットになったもので,航空運賃やホテル代を考えればかなりお得なツアーでした。 |
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1日目 | ![]() ![]() |
アメリカへのフライトですから,関空の出発は夕方になります。午前中は一応会社に出て,午後から休暇を取って,一旦家に戻ったあと,いつものように電車とバスを乗り継いで関西空港に行きました。アメリカン航空は格安航空券でも事前座席指定が可能なので,それほど急ぐ必要もないのですが,やっぱりやるべきことはさっさとやってしまいたいので,チェックインスタートと同時にチェックインを済ませ,搭乗口に向かいました。 アメリカン航空の機材はボーイング777で,エコノミークラスでもシートテレビが付いています。また,座席配置は2+5+2なので,事前座席指定などを使えば,窓側の2列席を確保することも可能です。実際,”るると”と”雄悠”も窓側の2列に席を確保しました。さて,フライトが安定すると機内食となりました。ビーフを選んだのですが,機内食としては美味しかったです。その後,映画を見たりしていたのですが,日本時間で言えば夜にかかるフライトなので,そのうち寝てしまいました。 ダラスまでは11時間以上のフライトでしたが,前述のようにあっさりと寝てしまいましたし,何かあっという間に着いてしまいました。ただし,これが不思議なのですが,日本を夕方出て,一晩機内で過ごしたにもかかわらず,ダラスに着いたのは日本を出た日と同じ日付の昼頃。なんか合点がいかないのですが,それもこれも太平洋上に日付変更線があるためです。ダラスでは入国審査の長い列に並び,いったん荷物をピックアップして,再度チェックインカウンターに持っていったのですが,あとで聞いた話では,チェックインカウンターに行かなくても荷物を預ける専用の場所があったとのことでした。 ダラスではマイアミ行きに乗り継がなければならないのですが,機材整備の都合とかで約2時間ほど遅れました。というわけでマイアミに着いたのは21時ぐらいになっていました。日本からのフライトではかなり寝ることができたとはいえ,やっぱりあたりが暗くなってきますと眠くもなってきます。早くホテルに入って横になりたいというのが正直なところでした。幸い,ホテルは空港ターミナルに隣接した マイアミインターナショナルエアポートホテル を予約していたので,あとは荷物を取って,チェックインをするだけでした。ところが,ここからが大変でした。荷物をピックアップするためにターンテーブルのところで待っていると,やっと自分の荷物が出てきたのですが,なぜか油でべっとりと汚れていました。さっそく,バゲージクレームに行って文句を言ったところ, 「クリーニングをして,その領収書を持ってくれば代金を支払う」 といわれました。しかし,明日にはキーウエストに向かわなければならない,”るると”と”雄悠”にはそんな時間はありませんでしたので, 「クリーニングに出している時間はない。金銭で補償して欲しい」 と伝えました。ところが, 「金銭での補償はできない。しかし,かわりの鞄を提供する」 といわれました。”雄悠”は新品のアメリカン航空の鞄がもらえるものだと勝手に思っていたのですが,何と連れて行かれたのは,忘れ物の鞄が堆く積まれた場所でした。「いったいどうなることやら」と思っていたのですが,運悪くというか,幸いにも同じような鞄がなかったため,担当の係員は結局上司に連絡を取りました。やってきた上司は最終的に”雄悠”の言い分を認めてくれて,以下のようなやりとりになりました。 「金銭で補償する。で,この鞄はいくらで買ったのだ」 「150ドルだ」 「いつ買ったのだ」 「2年前だ」 「じゃ,65ドルしか払えない」 「せめて70ドルにしてくれ」 「わかった,70ドルなら払おう」 というわけで,何とか決着しましたが,本当に長い一日でした。 |
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2日目 | ![]() ![]() |
今日はアメリカドライブ・デビューの日です。というより,日本以外で運転するのは初めてです。というわけでめちゃくちゃ緊張しました。目も相当早く覚めましたし,何度地図を見返しても安心はできませんでした。 さて,ドライブに出発する前にやらなければならないことがあります。それは昨日の一件でなくなった鞄を購入しなければならないということです。幸い,宿泊しているのは空港ターミナルに直結したホテルなので,ターミナルビルに行けば旅行鞄として適当なものは容易に入手できます。というわけで,5軒ぐらい店を見て回った結果,99ドルの鞄を購入しました。昨日の補償額からすれば大幅赤字ですが,まぁ,お土産だと考えればいいでしょう。 レンタカーのカウンターに行くといろいろと説明されました。ただ,全ては聞き取れなかったので,「イエス」,「イエス」と答えていったら,車のクラスが2つも上がり,ガソリンまで購入させられてしまいました。まぁ,それでも予算内ではありましたし,給油の手間がなくなったことを考えればよかったのかもしれません。 駐車場で見つけた車はいかにもアメリカ車で,やたらと図体の大きいものでした。そのため,左ハンドルには割とすぐに慣れたのですが,この車体の大きさにはかなり悩まされました。とは言いつつも,いよいよドライブスタートです。公道に出るときはドキドキしました。そして,すぐに右折。でも,やっぱり大回りしてしまい,いきなりセンターラインよりの車線に出てしまいました。あぶない。あぶない。 その後はハイウェイに乗ったので快適なドライブになりました。景色もどんどん海が近づいてきたのを実感できるものに変わってきました。キーラーゴを過ぎるといよいよ小島を結ぶ橋が多い箇所になってきます。まさにフロリダキーズに入ってきました。ただ,景色は単調になってきます。なにせ,大きな空と海と橋しかないのですから。でも,この広がる景色に”雄悠”はうっとりでした。むかし,コマーシャルでセブンマイルブリッジを見て以来,こんなところが地球上に実在するとは信じでいなかったのですが,とうとう来てしまいました。橋はおよそ11km。それがセブンマイルブリッジの由来なのですが,吊り橋とかではないので,言ってしまえば阪神高速の高架橋のようでした。それでも広々とした景色は本当によかったです。 マイアミからおよそ4時間のドライブで目的地のキーウエストには着きました。ホテルのチェックインにはちょっと早いので,島を1周してサウザンモーストポイントに行ってみました。そこで,写真を撮ろうとすると,ガイドブックに出ていたとおり,シャッターを押すことでチップをねだるおっちゃんがいました。まぁ,きれいな写真を撮ってくれたし,1ドルなら渡してもいいのですが,予備知識なしでこの体験をすると,ちょっと気分が悪くなるかもしれませんね。 ホテルは フェアフィールドイン・バイ・マリオット というマリオット系列のモーテルでした。典型的なモーテルなので部屋の造りは簡素ですし,それほど広くもないのですが,シャワー・トイレは完備していますし,ベットも大きいのでリゾート地で滞在するには十分です。ただ,アップルワールドで予約したのですが,ちょっと高かったです。後に気づいたのですが,ホテルのサイトから直接予約した方が良かったようです。 さてチェックインはしたものの,まだ日没までには時間がありましたのでホテルのプールで少し水浴びをしました。それから,日没に合わせてサンセット・セレブレーションが開催されるマロリー・スクエアに行ってみました。サンセット・セレブレーションと言っても,大道芸人がそれぞれに自分の芸を披露しているのですが,もうそれはお構いなしに沈み行く夕日を”るると”と見ていました。結構ロマンチックな夕暮れでした。 |
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3日目 | ![]() ![]() |
アメリカに来て初めてゆっくりできるこの日は案の定,かなり起きるのが遅くなりました。それでもまだ朝食に間に合う時間だったので,プールサイドの朝食コーナーに行きました。このホテルはアメリカのホテルとしては珍しく朝食付きだったのですが,メニューとしてはベーグルやマフィン,それにフルーツとヨーグルトなどの簡単なものでした。まぁ,それで十分ではあるのですが。それにしも,プールサイドでの朝食とはいかにもリゾート地らしいです。 ホテルをチェックアウトするとキーウエストの最大の観光ポイントであるヘミングウェイの家に行ってみました。車を近くの駐車スペースに停め,中に入っていくと,いました,いました,たくさんの猫。人間慣れしているから,”るると”と”雄悠”が横をあるいてもピクリともしません。本当に悠然としたものです。ヘミングウェイの家は一応ガイドツアーに従って回りました。家の中を見たあと,曰く付きのプールや1セントコインなどを見たりして過ごしました。家自体がヨーロッパの館みたいにすごい造りであるとか,そういうわけではありませんが,悠然と過ごすには本当にいい場所です。 その後はお土産屋をのぞいたりした後,昼食に向かいました。海の近くなので海鮮のフリッターを頼んでみたのですが,これがはっきり言って×です。素材はいいはずなんだから,からっと揚げてくれればそれでいいと思うのですが,ここはやっぱりアメリカです・・・。 昼食もおわると,飛行機の時間が近くなってきたので空港に向かいました。その前にレンタカーを返却する仕事が残っており,またまたドキドキしたのですが,係員は契約書などを簡単にチェックすると, 「OKだ。空港まで送るからあのバンに乗れ」 と,ほんの数秒で手続は終わりました。アメリカでのレンタカー利用って,結構おそれていたのですが,本当に簡単でした。運転もすぐに慣れましたし,「もう少し運転してもよかったなぁ」とも思ったのですが,やっぱり腹八分目がちょうどいいところなのでしょう。 キーウエストからマイアミへのフライトは40人乗りぐらいの小さなプロペラ機でした。”るると”は乗り物酔いに弱く,プロペラ機と聞いただけで気分が悪くなってきたようですが,なんとかマイアミまで持ちこたえました。その後乗り継いだロサンゼルスまでのフライトは767型機でしたのでまぁ一安心です。でも,5時間もかかる大陸横断フライトなのに,映画は有料だとかで,ちょっとせこいなぁと思った次第です。ロサンゼルスからラスベガスまでは1時間程度のフライトであり,乗り継ぎもちょうどいい感じだったのですが,少しずつ出発の時間がずれこみ,結局2時間近く遅れてしまいました。ラスベガスに着いたのは22時を過ぎており,東部時間なら2時をまわっているのでさすがに疲れました。 しかし,こういうときに事件は起こるものです。待てど,暮らせど,”雄悠”の荷物がターンテーブルに出てこないのです。相当粘ったのですが,次の便の荷物が出始めたときにはさすがにあきらめました。しかたなく,バゲージクレームに行って, 「荷物が見つからない」 と言ったところ,係員の女性は同情やお詫びの言葉も示さず,ひたすら端末をたたいて, 「あなたの荷物はロサンゼルスにあります」 と,あくまでもビジネスライクに対応してきました。いちいち日本みたいにバカ丁寧に対応してもらう必要はありませんし,荷物があるのがわかているのであれば大きな問題はないので, 「明日ホテルに早めに配達してくれ」 と言って空港をあとにしました。 向かったホテルは サン・レモ・ラスベガス。今となっては唯一の日系資本のホテルであり,空港から最も近い場所にあるホテルの一つです。タクシーで乗り付け,チェックインをして部屋に入ったときには本当にホッとしました。このように3日目もまたまたひと騒動があった日でしたが,さらにもう一つ。”雄悠”の鞄が到着しなかったために,”るると”が大変困ることになりました。実は”るると”,自分の鞄に余裕がなかったので,洗面用具を”雄悠”の鞄の方に入れておいたのです。一方で”雄悠”はこういうこともあろうかと,1泊分の着替えや洗面用具は機内持ち込み荷物の方に入れ,常に自分で持ち歩いていたのです。と言うわけで,最後にあべこべな影響が出てしまいました。 |
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4日目 | ![]() ![]() |
4日目は午後のグランドキャニオンツアーの集合時刻まではフリーです。ゆっくりと起きて,出発を待っていたのですが,昨日来なかった鞄はチェックアウト時刻の11時になっても配達されてきませんでした。仕方がないので,チェックアウトだけして,あとはカジノで遊んでいました。しかし,貧乏性の”るると”と”雄悠”にはスロットマシーンに挑戦するのが精一杯でした。最初の方は”るると”のビギナーズラックが炸裂したのですが,結局は数千円ほど負けてしまいました。まぁ,この程度の投資では大きなリターンはないとは思うのですが,やっぱり「虎穴に入らずんば虎児をえず」と言うところなのでしょう。 そうこうしいるとやっと鞄も配達されてきました。そして,グランドキャニオンツアーの送迎バスもやってきました。やってきた運転手はちょっと太めの陽気な兄ちゃん。その兄ちゃん曰く, 「これから長いドライブになる」 ”雄悠”は空港が少し離れているというのは事前の情報で分かっていたので,数十分はかかるのだろうと思ってはいたのですが,一応, 「どれぐらいかかるのだ?」 と訊いてみました。すると兄ちゃんは, 「おれにはわからん」 といって黙り込みました。で,その1分後に口から出た言葉が, 「着いたぞ」 「△※×?!」 まんまとだまされてしまいました。実は宿泊したホテルから今回利用した航空会社シーニック航空のターミナルまでは僅かに2分ほど。”雄悠”はてっきりラスベガス北部にある別の空港に行くとばかり思っていたのですが,実は昨日到着したラスベガス国際空港の一角でした。 グランドキャニオン行きの飛行機は40人乗りのプロペラ機でした。ジェット機ではありませんが,これなら乗り物酔いに弱い”るると”でも何とか持ちこたえるでしょう。離陸して30分ほどするとコロラド川の渓谷が見えてきました。ところがこのころから飛行機が揺れ始めました。上下左右に,いわゆるローリング状態です。こうなると”るると”はぐったりです。グランドキャニオン空港に着いたときは本当にへろへろでした。なんとかグランドキャニオンのビレッジに行くバスにはたどり着けたのですが,その後はしばらく動けませんでした。でもこのバスも次の飛行機の便を待ってしばらく動きませんでした。おかげで”るると”も復活です。 グランドキャニオンのビレッジに着くとまずはロッジにチェックインしました。ロッジと言うことだったので,それほど期待はしていなかったのですが,この マズウィック・ロッジ は大当たりでした。森に面した静かな場所に立つ2階建てのロッジで,部屋も広く,シャワーやトイレも完備されていました。 夕方はサンセットツアーに出かけました。沈み行く夕日が峡谷の壁面を赤く染めていく光景は本当に見事でしたが,日没後は急に冷え込んできました。急ぎ,バスでビレッジに戻り,マズウィック・ロッジに隣接するカフェテリアに夕食に出かけたのですが,この食事,やっぱりアメリカ料理でした。 |
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5日目 | ![]() ![]() |
5日目は早起きでした。その時刻は3時半。なぜこんなにも早いかというと,サンライズツアーに出かけることにしたからです。4時ぐらいにバス乗り場に向かっていくとすでにツアーの募集が始まっており,それに参加することにしました。連れていってもらったのは前日のサンセットツアーで回ったところでしたが,この日は今ひとつ天気が悪く,結局大きな太陽が昇って来るという光景は見ることができませんでした。エアーズロックに続き,どうも朝方はうまくいきません。 さて,この日のメインイベントはブライトエンジェルトレイルのハイキングです。目指すは3マイルポイント,片道約5kmの距離です。往復10kmですから,帰りが登りになることを考えても3時間のハイキングと考え,6時半に出発しました。何しろ早く出発して早く戻らないと気温がどんどん上がってきて過酷になってきます。というわけで断崖を上に見ながら下り始めました。途中リスが出てきて,最初はいちいち, 「かわいい」 などと入って写真を撮っていたのですが,3回目ぐらいになるとどうでもよくなってきました。 「自分の子供でも3人目になるとこんなもんだろうか」 などと,冷めた会話をしながら下りていきました。 下りはいっきに歩いて3マイルポイントまで来ました。この先,プラトーポイントまで行けばコロラド川の流れが見渡せるのですが,さすがに帰りのことを思うとあきらめざるを得ませんでした。3マイルポイントでは20分ほど休憩した後,スタート地点に戻るべく,来た道を登り始めました。最初は傾斜もきつくなく,気温もまだそれほど上がっておらず,体力も十分残っているので,かなりのペースで登っていったのですが,さすがに途中からは疲れてきました。最後の方は3分ぐらい歩いては同じぐらい休むということの繰り返しで,なかなかゴールは近づきませんでした。それでも,登り始めてから約2時間でなんとかスタート地点に戻ってきました。ゴールしたときは本当にうれしかったです。それにしても直射日光にまともに当たるこのトレイル散策,かなり陽に焼けてしまいました。 午後からはイーストリムの方に行ってみました。一通りトレイルを歩き,主だったビューポイントに行ってみたのですが,トレイルを歩いている途中からみたグランドキャニオンの景色が最も雄大で,きれいに見えました。その後はビレッジの中心にあるスーパーにお土産を買いに行ったりしたのですが,1つだけやらなければならない用事がありました。あのマイアミでもらった小切手の換金です。 ビレッジ内には銀行があるのでそこに行けば換金可能だと思い,出かけてみました。まさか,小切手をもらうような事態になるとは全く想定していなかったので,窓口で何と言えばいいのかも分からなかったのですが,とにかく小切手を示して 「キャッシュが欲しい」 と言ったら,窓口の係員は理解してくれたようでした。小切手の換金に当たっては身分証明書とサインが必要なのは言うまでもありませんが,最終的に拇印も必要でした。印鑑のシステムがないアメリカで拇印とはちょっと驚いたのですが,これは”雄悠”がアジア人だったからなのでしょうか?それともアメリカ人でも拇印を求められるのでしょうか? その日の夕食は アリゾナステーキハウス に行きました。行ってみたところ,少し混んでいましたが,10分ほど待つとノースリムが見渡せる窓際の席に案内してくれました。たまたまとはいえ,これはよかったです。それからステーキを注文したのですが,その際,焼き加減を訊かれました。これまでのアメリカでの食事のことを考えると,ここも味は期待できないだろうと,勝手に思いこみ,それならしっかり焼いてもらおうと言うことで「ウエルダン」でお願いしました。出てきたステーキは紛れもなくウエルダンの焼き加減でそれはよかったのですが,このステーキ,思いの外美味しかったです。というより,もうめちゃくちゃ美味しかったです。こういうことならミディアムなりレアで焼いてもらえばよかったと心底後悔しました。確かにこのレストランはガイドブックなどで美味とは紹介されていましたが,所詮アメリカですし,しかも観光地なので多くを期待していなかったのです。しかし,いい意味で完全に裏切られてしまいました。本当にこのレストランはお勧めです。 |
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6日目 | ![]() ![]() |
グランドキャニオンでの予定も終え,この日はまたラスベガスまで戻ります。搭乗する飛行機は往きと同じ40人乗り程度の双発プロペラ機でした。”るると”はそれを見た瞬間,またもや気分が悪くなり始めたようですが,なんとかラスベガスまで無事たどり着きました。 空港からホテルへは大型バスでの送迎となったのですが,空港から近い順に客を降ろしていくので,”るると”と”雄悠”が泊まる予定のホテルは割と後の方になってしまいました。おかげでそれぞれ特徴のあるホテルのにわか観光ができてしまいました。さて,その日宿泊予定のホテルは モンテカルロ でした。今となっては少し地味でこれと言って特徴がないのですが,その分,日本人の団体などはほとんど来ないので落ち着いて過ごすことができます。骨休めに来た”るると”と”雄悠”には打ってつけでした。ところで,ホテルに着いたのはまだ午前中でした。さすがにチェックインは無理かなぁと思いつつ, 「今,チェックインできますか?」 と尋ねたところ 「シュア(もちろん)」 と言う返事が返ってきました。海外のホテルは部屋さえ空いていればチェックイン時刻に関係なく部屋に入れてくれるので本当に助かります。とりあえず,荷物の保管場所ができただけでも大きな意味があります。部屋は12階ぐらいの結構高層部分だったのですが,ストリップとは反対側で見晴らし自体は平凡でした。でも,広々としており,またバスルームもグレードが高いのですごく贅沢な気分です。 さて,時刻はまだ12時ぐらい。”るると”も元気だったので,郊外にあるファッションアウトレットに行ってみることにしました。アウトレット行きのバスは向かいの MGMグランドホテル から出ており,そこに行ってチケットを買ってからバスに乗り込みました。砂漠の中を走ること1時間。バスは目的地に到着しました。バスのチケットは往復で,帰りの時刻も指定されていたのですが,それだと滞在時間が2時間しかなかったので運転手に遅い便に変更してもらいました。時間的余裕もできて,さぁ買い物の開始です。とりあえずは店内を1周してから,ラルフローレンやバーバーリーなどの店でいくつか買い物しました。こんなに買ったのは”るると”と”雄悠”の旅行では珍しいことです。 アウトレットから帰ってくると夕食の時間が近づいていました。夕食はラスベガス名物のバフェにしようということは早くから決めていたのですが,実際にどこに行くかまでは決めていませんでした。ガイドなどをさんざん読んだ結果, バリーズ のが味もいいと書いてあったので,そこに出かけることにしました。 行く途中には ベラッジオ という高級ホテルがあります。そこの前の池で噴水ショーがあるということなので,とりあえずはそれを見ることにしました。5分ほど待っているとショーが始まりました。有名な曲に合わせて噴水が踊るように噴射されます。照明の効果も相まってきれいなものでした。ただ,このホテル,北イタリアのリゾート地コモ湖をイメージして作ったとあるのですが,翌年,実際にコモに行った限りではどこがどう,コモ湖なのか分かりませんでした。 バリーズのバフェはいわゆるバイキング形式の食べ放題です。確かにいろいろとメニューはあるのですが,どうも同じようなものばかりで,しかも焼いた肉や揚げ物がほとんどなので,少し食べれば飽きてしまう代物でした。しかも,味がアメリカン。価格的にはそれほど高くもないのですが,やっぱり損した気分でした。 |
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7日目 | ![]() ![]() |
アメリカも実質最後の日になりました。朝はゆっくりと起きてバフェに向かいました。でも朝からバフェというのもヘビーですね。マクドかなにかのモーニングメニューの方が良かったかもしれません。 それからホテルのプールでしばらくのんびりしました。やっぱり休みはこうでないといけませんね。プールは普通のプールや流水プール,ジャグジーなどがありましたが,いちばんおもしろかったのは波立つプールでした。”るると”は今回の旅で最高の笑顔を見せていました。それを見た”雄悠”も本当にうれしかったです。 プールのあとはラスベガスにあるいろんなテーマホテルを見て回りました。行った順に挙げると,ニューヨーク・ニューヨーク,MGMグランドホテル,パリス,アラジン,ヴェネチアンなどでした。それぞれ,テーマに合わせていろいろと工夫されているのですが,なかでもパリスはすごかったですね。もちろん,本物のパリというわけには行きませんが,雰囲気は出ていました。 ホテル回りをしていると夕刻になってきました。今日はどうしても夕食はイタリアンにしたかったので,ヴェネチアンに出かけることにしました。ヴェネチアンは名前の通り,ヴェネチアの風景を模したホテルで,館内には運河があり,カンツォーネを唱う船頭がボートで運河巡りをさせてくれます。そこまで凝っています。さて希望通りに入ったイタリアンレストランでパスタ2品とサラダを注文したのですが,その量が半端ではありませんでした。日本の感覚で言うと3人前ぐらいはありました。おまけに唐辛子がめちゃくちゃに効いていて,辛い,辛い。とてもじゃありませんが,全ては無理でした。 夕食は食べたのですが,外はまだ明るくもう一回りしてみることにしました。そこで行ったのがトレジャーアイランドの海賊ショーでした。このショーは無料のショーなのですが,無料とは思えないほど大がかりで,お金もかかっています。しかし行ったときには開演寸前で,すでに人だかりができており,見るのに十分な位置を確保できませんでした。そこで,90分後にある次回公演を見ることにし,それまで隣にあるショッピングモールに行ってみました。 ショッピングモールには1時間ぐらいいましたが,次回の公演に備えて早めにトレジャーアイランドに戻ってきました。今回はまだ誰もいなくて,いちばんいい場所を確保できました。これなら背の高くない”るると”でも問題ありません。ショーは本当に無料とは思えないほど大がかりです。ふんだんに使用された火薬が勢いよく燃えたり,約10mの高さからのダイブがあったり,もう大満足でした。 |
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8日目 | ![]() ![]() |
いよいよ帰国の日になりました。ホテルを早めにチェクウアウトし,タクシーで空港に向かいました。搭乗するのはアメリカン航空の129便で,形式上は成田行きです。でも,実際にはサンノゼ経由で,さらにサンノゼで飛行機が変わります。 アメリカは「去る者追わず」の考えなのか,公式な出国審査はありません。チェックインカウンターで出国カードを回収されるだけです。その後,セキュリティーチェックは通りますが,入国が厳しい割には出国は至って簡単です。さて,セキュリティーチェックを抜けて,空港内トラムで国際線ターミナルに着くと,最後の一仕事である,お土産の購入が待っていました。いろいろ悩んだのですが,最終的にはチョコレートにしました。まぁ,これが無難ですね。 サンノゼまでは僅かに1時間ほどです。それにしてもサンノゼ空港は混雑していました。アメリカの空港は本当に混雑しています。日本に比べて鉄道が発達しておらず,多くの人が気軽に飛行機に乗るというのが最大の理由なのですが,ターミナルが狭いというのも事実だと思います。結局,待合室でイスにはありつけませんでした。 サンノゼから日本までのフライトは約11時間なのですが,アメリカン航空の場合はシートテレビが全席に備え付けられているので,映画を3本見て,2度の機内食を食べたらもう日本に着いていました。やっぱりシートテレビはありがたいです。 |
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9日目 | ![]() ![]() |
アメリカから日本に帰ってくる場合,ちょうど日本からヨーロッパに行くときと同じ関係になります。つまり,昼ぐらいまでに出て,夕方までに着くというパターンです。この点は同じなのですが,日本とアメリカの間には日付変更線があるため,日本に着いたときには日付が一日進んでしまいます。寝てもないのに1日が経ってしまい,しかも夕刻となるとかなり損した気分ですが,まぁ,往路は逆に1日得しているので仕方ありませんね。 日本に近づくと窓の外は雨でした。そういえば日本は梅雨のシーズンです。からっとしたラスベガスから来ると,本当に大きな差です。飛行機を降りたときは本当に湿気でむっとしてしまいました。 成田で国際線を利用したのは出発,到着含めて今回が本当に初めてでした。飛行機は第一ターミナルに着いたのですが,伊丹往きの便は第2ターミナルからの出発なので,まずはシャトルバスで第2ターミナルに向かいました。ところで,成田−伊丹の便は国際線用の機材で運行されていて,しかもビジネスクラスの席が一般席として開放されます。これに座らない手はありません。さっそくその席にアサインしてもらいました。 せっかくのビジネスクラスですが伊丹までは僅かに45分ほど。もう少し座っていたいと思いました。今回の旅行では飛行機を10回乗り継ぎ,フライト時間は合計37時間ぐらいになりました。そのうちの僅か1時間だけがビジネスクラス。まぁ,仕方ありませんが,でも最後に乗れたのはよかったです。疲れている体には最高のサービスですし,もし最初に乗っていたら後々辛かったでしょうから。 大阪は雨は降っていませんでしたが,長旅の最後でもあるので,結局,伊丹から自宅までタクシーを奮発しました。ちょっと高かったですが,やっぱり楽でした。 |
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エピローグ | ![]() |
アメリカといえば2001年9月11日に大規模なテロ事件が起きました。”るると”と”雄悠”が行ったのはその年の6月。僅かに3ヶ月前でした。もちろん,テロが起こる前はテロが起こるなんて考えもしませんでしたし,快適なアメリカ旅行ができたのですが,今となっては本当にそのときに行っておいてよかったと思います。 現在でもアメリカに行くこと自体,恐怖感があるとかそういうことは一切ないのですが,やっぱり入国審査や荷物のチェックなどがかなり厳しくなっており,なにかと煩わしいようです。そういう状況ですから,やっぱりあえてアメリカに行く用事がないのであれば,今回は他方面にしておこうかと言う気持ちにもなります。 でもアメリカはやっぱり楽しかったです。特に自然がいいですね。街並みはやっぱりヨーロッパの方が上ですが,フロリダキーズやグランドキャニオンなどの大自然は堪能できました。あとは食事がせめて日本人が食べれるものにしてくれれば文句ないのですが・・・。 それからラスベガスでは結局ショーを見ませんでしたし,カジノにもほとんど行きませんでした。今回は時間がなかったというのが最大の理由ですが,もう少し楽しんでもよかったのかもしれません。でも,貧乏性の”るると”と”雄悠”にはなかなか無理なのかもしれません。 今回の旅行記では掲載できる写真が全くありません。もちろん,写真はたくさん撮りました。しかも今回からは基本的にデジタルカメラを使用しました。そして,帰国後これらのデータをパソコンに写そうとしたときに事件が起こりました。誤って全ての写真を消去してしまったのです。5枚ぐらいは何とか復活しましたが,のこりはダメ。参りました。でも,”るると”と”雄悠”はすぐに考え直しました。 「また写真を撮りに行こう」 |