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旅のタイトル | 花火とユーロで2002年の幕開け |
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旅の期間 | 2001年12月28日〜2003年1月4日 |
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旅の目的 | ケルン訪問とベルギー・ルクセンブルクの旅 |
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主な訪問地 | ドイツ ルクセンブルク ベルギー | : ケルン : ルクセンブルク : ブリュッセル,アントワープ |
旅日記 | プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 エピローグ |
プロローグ | ![]() ![]() |
10月から”雄悠”がドイツに留学しましたので,”るると”は年末年始の休みを利用してドイツを訪問することにしました。といっても”るると”にとっては初めての海外一人旅。果たしてどうなることやら・・・。 さて,旅行に関する準備ですが,航空券は新婚旅行やアメリカ旅行でお世話になっているJTBのKA長さんのところに頼みました。ドイツに行くのですからルフトハンザか日系のエアラインが考えられるのですが,ケルンがアムステルダムから近いこと,また”雄悠”がすでにKLMでマイルを貯めていることから,KLMを利用することにしました。7月のはじめには予約だけ入れておきました。価格は188,000円でした。まぁ,年末年始のこの時期仕方ない額かもしれません。 今回は基本的にケルンの”雄悠”のアパートに宿泊するつもりでしたが,1泊だけブリュッセルに出かけることにしました。よって,ブリュッセルのホテルは アップルワールド で手配しました。ツイン朝食込みで価格は5,200円。冬場のヨーロッパは旅行には向いていないシーズンですが,ホテル代などは極端に安くなるのでメリットが全くないわけでもありません。 ケルンからブリュッセルまでのタリスは”雄悠”が現地で手配しました。最も安価な「ミニ」はすでに売り切れていましたが,その次に安い「ツーリスト」を予約することができました。日本からの予約だと正規運賃だけになってしまうので,やっぱり現地にいるメリットは大きいものです。 その他に用意したものがJR尼崎からの関空バスの回数券と関西空港施設使用料のチケットです。いずれも梅田の金券ショップで購入しました。ほんの僅かですが,金券ショップだと安くなります。 |
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1日目 | ![]() ![]() |
いよいよ出発の日です。あまりにも大きなスーツケースを購入した”るると”はそれを引きずって駅まで歩いたり,乗換をしたりするほど丈夫ではないので,関空バスが出発するJR尼崎駅まではタクシーを利用しました。そこまで行けば,後はバスに乗るだけですし,荷物は係員が出し入れしてくれるので心配はありません。関空まではおよそ1時間。まぁ,ヨーロッパまで行くことを考えればほんの序の口です。 関空は思いの外すいていて,チェックインはすぐに終わりました。本格的な混雑は翌日からのようです。でも,チェックインが早めに終わったために暇になってしまいました。免税店を見たり,クイズを解いたりしていたりして待つこと2時間,やっと搭乗が始まりました。実はKLMは格安航空券でも座席の指定ができます。しかも席番まで指定できるので,”るると”はトイレに気兼ねなく行ける中央4人掛けの通路側を予約しました。 さてフライトが安定するといよいよ機内食になりました。といっても,もともと食は期待できないオランダのエアライン,その上アメリカ同時多発テロ以後,各航空会社はコスト削減に躍起になっているのでなおさらです。案の定,決して楽しめるものではありませんでした。ただし,間食に出たアイスクリームはよかったそうです。ところで,KLMは簡素と言えば聞こえはいいのですが,他のエアラインが盛んに機内設備を充実させている今となっては,ちょっと物足りなくなってきました。エコノミークラスにはシートテレビはありませんし,映画と言えば通路上に設置された小さなスクリーンでしか見れません。この点はちょっと改善して欲しいですね。 そういうわけで機内では暇で仕方ないんですが,それでも無事アムステルダムにつきました。さて,アムステルダムでは乗り継ぎをしなければなりません。英語が全くと言っていいほどできない”るると”にとっては1つの難関です。でも,ここアムステルダムならまず問題はありません。アムステルダム・スキポール空港の利便性はおそらく世界でもナンバー1だと思います。ターミナルビルは1つしかないため,全ての搭乗ゲートに歩いていけます。これがKLMを利用する大きなメリットでもあります。というわけで”るると”も簡単に乗り継いでケルンまでやってきました。ただ,アムステルダム−ケルンのフライトは50人乗り程度のプロペラ機であったため,結構揺れたようであり”るると”にとっては地獄の45分間でした。 ”雄悠”は到着ゲートのすぐ外で待っていました。周りにいる,久しぶりにあったドイツ人同士などは抱き合ったり,キスしたりしていますが,日本人はそこまではできませんね。久しぶりの再会でうれしかったのですが,淡々としたものでした。 |
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2日目 | ![]() ![]() |
2日目の朝はわりと早く目が覚めたのでルクセンブルクに出かけることにしました。ケルンからは3時間半ぐらいの距離なのでそれほど遠くはありません。とりあえず,駅まで行って”るると”用の Bahncard を作りました。これでドイツ鉄道線は半額で利用できます。”雄悠”がすでに Bahncard を持っているので,配偶者は半額で加入できました。その後,ルクセンブルクまでの切符を買って列車に乗り込みました。乗車した列車はIRで,日本でいえば急行に当たります。でも,座席はコンパートメントになっていて,結局1室をずっと二人で占領し行くことができました。でも,真冬にも関わらずちょっと暖房の効きが悪くて寒かったです。 冬のヨーロッパはなかなか夜が明けません。列車には7時半ぐらいに乗ったのですが,結局夜が明けたのは9時近くになっていたと思います。場所はコブレンツの近くまで来ていました。コブレンツでは進行方向が逆になり,モーゼル流域に入って行きました。このあたりはモーゼルワインの産地で川の両岸はブドウ畑が続いていました。でも,逆に言えばこのような傾斜地の場合,果樹しか生産できないといいうことでもあります。モーゼル流域になると結構雪が降っていました。トリアーでルクセンブルク行きに乗換え,さらに40分。ルクセンブルク駅に到着しました。 ![]() 「バケツ一杯来た」 と言うぐらいで,もうおなか一杯でした。 その後は候宮,ボックの砲台,ノートルダム教会と回り,来た道とは逆の方の道を通って駅に戻りました。帰りの列車にはまだ時間があったので,カフェに入ってお茶を飲んだのですが,そこで飲んだカプチーノは美味しかったです。雪があったので少し歩くのが辛かったのですが,ヨーロッパの建物が雪化粧をしたのもなかなかよかったです。 帰りの列車はコブレンツまでは順調だったのですが,そこからはかなり遅れたりしていました。結局駅員の案内に従ってREに乗ったのですが,途中で何度も抜かれたりして,ケルンにはかなり遅れて到着しました。 |
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3日目 | ![]() ![]() |
3日目はベルギーに向かう日です。今日も8時ぐらいの列車に乗らなければならないので早起きです。乗車するのはタリスで,最高速度は300km/hなのですが,それはブリュッセル−パリの間の話。ケルン−ブリュッセルは普通の列車とほとんど差がありません。それにしても,タリスの2等車は座席間隔が狭いです。また,窓割りも全くあっていませんので,座席によっては壁しか見えないという席もあります。はっきり言って座席の快適性という点では新幹線の方が遙かに上です。![]() その後はあるいてグランプラスに行きました。ここはブリュッセルの中心部で,市庁舎などがあります。が困ったことにベルギーフランがなかなか入手できません。いつもならATMで引き出せばそれで終わりなのですが,なぜかブリュッセルはどこに行っても使えません。困っているのは”雄悠”と”るると”だけではありません。周りの多くの人も同じように困っていました。最終的にはドイツマルクを両替したのですが,両替に手間取ったため,結局入るつもりであった博物館に入館できませんでした。仕方がないので,近くにあったマネケンに行って,本場のベルギーワッフルを食べました。”るると”はフルーツたっぷりのワッフルを注文していましたが,本当に幸せそうに食べていました。 その後は小便小僧の見物にいったり,王立美術館に行ったりしました。王立美術館のコレクションの充実度はなかなかのものでした。見学後,ホテルにチェックインに戻りました。ホテルは Vandome という3つ星ホテルでした。アップルワールド で予約したのですが,なんと朝食付きで5,200円。いったいどんな部屋にされるのだろうと思っていたのですが,割と広いツインルームでバスタブもあるまぁまぁの部屋でした。 ベルギーは食べ物が美味しいことでも有名な国です。夕食はそれを目当てにいってみました。昼間のうちにレストラン街の目当てはつけていたのですが,実際にいってみると客引きが多く,しかも日本語のメニューや日本語で話しかけてくる店の多さに驚きました。概して,そういう店は美味しくないので,そのレストラン外からは離れ,グランプラスの半地下にある一軒のレストランに入ってみました。結構混んでいたのですが,なんとか二人分の席を見つけました。注文したのはエビコロッケとシコンとチキンのシチュー,それにサラダでした。ビールはウェイターにお勧めを訊いて,ベルギーのベールを注文しました。ここで食べたものは本当に美味しかったです。とくに,シコンとチキンのシチューがよかったです。 |
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4日目 | ![]() ![]() |
![]() その後,アントワープを少し歩いてみたのですが,さすがに大晦日です。教会やその他の観光施設も閉まっているところが多く入ることはできませんでした。仕方がないので駅まで戻り,冷えた体を温めるためにコーヒーを飲むことにしたのですが,入ったカフェはたばこの煙と臭いが強烈でした。ヨーロッパは割とたばこに寛容で,レストランやカフェなどではほとんど分煙されていませんから,嫌煙家にはちょっと大変です。でも,飲んだカプチーノは美味しかったですよ。 それからブリュッセルに戻ったのですが,こちらも博物館やレストランなどは早じまいで,結局ファーストフードで夕食を取りました。帰りの列車の時間までにはまだかなりありましたし,トラムの回数券も残っていたので循環運転するトラムに乗って街を一周してみました。最初は街並みに興味を示していたのですが,そのうち飽きてきて,日も暮れてきたので最後は半ば苦痛になってしまいました。 ブリュッセルからケルンまではタリスで2時間40分ぐらいで着きます。着いたのは23時ぐらい。新年まで1時間ぐらいになっていました。このまままっすぐアパートに帰っても仕方がないので,駅のすぐ隣でラインにかかるホーエンツォレルン橋に行ってみました。そうすると,たくさんの人が好き勝手に花火を上げていました。隣にいたドイツ人が, 「日本でもこうやって新年を祝うのか」 と訊いてきたぐらいですから,これがドイツの新年の祝い方なのでしょう。ちなみに後で聞いた話では,この花火にドイツでは約3億円が使われるとのことでした。 花火を1時間ぐらい見て,2002年になったのを確認してからアパートに帰り,年越しそばを食べました。何もドイツで食べなくてもよさそうなものですが,”雄悠”は和食に飢えていたのでこれは正直うれしかったです。その後,日本にいる両親に新年の挨拶のため電話を掛けに行き,ついでにこの日から流通開始となったユーロ紙幣をATMで引き出してみました。当たり前ですが,みんな新札でしかもマルクに比べると色合いが明るいので,なにか子供銀行のお札のようでした。さすがにそこまですると時刻は3時ぐらいになっていました。もう寝るしかありません。 |
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5日目 | ![]() ![]() |
ドイツの元旦は静かな一日でした。電車やバスも9時ぐらいからしか走り出しませんし,もちろん店もほとんど休みです。”雄悠”と”るると”もゆっくりと起き出し,それからドイツ風おせち料理などを作ってみました。といっても,サーモンの薫製にチーズの盛り合わせ,サラダ,それに雑煮代わりのぜんざいです。乾杯はビールと12月にイタリアで買ってきたワインでした。 ”雄悠”と”るると”の正月の恒例行事はウィーンフィルのニューイヤーコンサートをテレビで見ることです。今年は小沢征爾さんが指揮をしたので見た方も多いかもしれませんが,ここドイツでもちゃんと放送がありました。こちらの時間だと午前11時からになるので,まさに1年の幕開けという感じですね。どのようなコンサートになるかと思っていたのですが,どちらかというとオーソドックスな選曲だったと思います。ただ,会場ののりはよかったようです。最後のラデツキー行進曲では,これもおきまりなのですが一緒に拍手をしていました。 その後は腹ごなしに大学まで歩いて行き,日本の友人に新年の挨拶を電子メールで送ったりしました。本当に世の中便利になったものです。 |
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6日目 | ![]() ![]() |
![]() ![]() その後昼食に向かいました。言ったのは大学の学生食堂(メンザ)です。とにかく安くてボリューム満点なのが売りです。しかも,ケルン大学のメンザは非常にオープンで一般にも開放されています。結局,全員学生料金で食べることができました。 その後,ケルンの中心部でショッピングを楽しんだ後,夕食に向かいました。言ったのはケルンのビールメーカー直営の居酒屋で,決して高級ではありませんがドイツ風の料理と美味しいビールを堪能できます。ケルンのビール「ケルシュ」は上面醗酵なのですが,色合いは薄く,しかもフルーティーで飲みやすいビールです。料理の方はとにかく量の多さにみんなで驚きました。なんと言っても最後に頼んだデザートが豪快で,オレンジムースだったのですが,”るると”曰く, 「洗面器をひっくり返したみたい」 とのことでした。本当にドイツ人の量に対する感覚は完全に日本人とはずれています。 |
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7日目 | ![]() ![]() |
7,8日目は日本への帰国です。ケルンの出発は11時ぐらいなので,8時頃アパートを出て中央駅経由で空港に向かいました。チェックインを一番乗りで行い,その後出発まで待ったのですが,ケルン・ボン空港はそれほど大きな空港ではないのであまり楽しみはありません。 さて,いよいよ別れの時となりました。僅か7日間ですが,やっぱり一緒にいるとなにかと楽しいものです。次は3月末ぐらいになるので,結構間があるのですが,まぁ仕方ありません。最後はお互い,笑顔で別れました。 ”るると”はこの後,例のプロペラ機でアムステルダムに向かい,そこで関空行きに乗り継ぐわけですが,アムステルダム・スキポール空港の免税店の充実度はやはりすごく,ちょっとずつ店を覗いていたらあっという間に搭乗の時刻になりました 関空行きのKL867便はドイツに来るときと同様,退屈なフライトです。一応,映画は2本見れたのですが,それが終わってしまうともう寝るしかありません。 |
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8日目 | ![]() ![]() |
8日目の朝は機内で迎えました。すぐに朝食が出されたのですが,あまり食欲はなく,フルーツをつまんだぐらいでした。 ほぼ予定度入りに関空には到着し,荷物をとって税関を抜けた後,尼崎行きのバスに乗りました。意外に元気な”るると”は結局,最寄りの駅まで電車にのり,最後は大きなスーツケースをごろごろと引きながら家まで帰ったようです。 |
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エピローグ | ![]() |
冬のヨーロッパはやっぱり寒いです。しかも,年末年始は寒波が襲来していて,後から振り返ってみるとその冬,最も寒かった時期でした。寒いだけなら,観光するのにそれほど問題はないのですが,ルクセンブルクで雪に降られたときはやっぱり大変でした。でも,ヨーロッパの重厚な建物が雪化粧をしたのはきれいでした。また,一般的に食べ物は冬場の方が美味しく,今回もムール貝やシコンのシチューなどが本当に美味しかったです。 さらに,今回のエポックはユーロの流通開始その日にその場にいたということです。通貨というのは国の根幹をなすものですが,ヨーロッパではそんなことにこだわらず,通貨を統一してしまいました。ドイツではそれまでのマルクと比較するとだいたい2分の1の割合になったのですが,意外にみんなあっさりとユーロに慣れたようでした。 |