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旅のタイトル | な〜んにも決まっていないハネムーン |
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旅の期間 | 1999年7月8日〜7月16日 |
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旅の目的 | ウィーンとパリの観光 |
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主な訪問地 | オーストリア フランス | : ウィーン : パリ |
旅日記 | プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 9日目 エピローグ |
プロローグ | ![]() ![]() |
"るると"と"雄悠"は結婚することになりました。結婚までにはいろいろとどたばたもあったのですが,そちらは一切割愛して,いざ新婚旅行に行くことになりました。目的地は二人の希望を妥協した結果,ウィーンとパリになりました。旅行の形式は個人旅行と決めていたので,早速,JTBのKa長さんのところに航空券を手配に行きました。最初はマイル獲得のことを考えてKLMを利用しようとしたのですが,あまりにもスケジュール的に不利で,また航空券も高くなるので,素直にエールフランスにすることにしました。 次に手配したのがホテル。一応,新婚旅行なのでちょっとはましなホテルに泊まろうということで,ウィーンはヒルトンをJTBで手配してもらいました。でも,根が貧乏性の"るると"と"雄悠"は1泊20,000円に驚き,パリは10,000円程度のツーリストホテルにしてもらいました。 それから,何を思ったか"雄悠"が「コンサートに行ってみたい」などと言い出しました。仕方がないので,これもJTBで手配してもらいましたが,あとから考えたら手数料がめちゃくちゃ高かったです。 |
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1日目 | ![]() ![]() |
というわけで,出発の日になりました。一応,荷物は前日までに詰めてはいたのですが,実際に現地で何をするかとか,どこに行くのかとか,そんなことは全く決まっていませんでした。結婚式から少しは間があったのですが,やっぱり旅行のことまで考える時間はありませんでした。というわけで,電車とバスを乗り継いで関西空港に着くと,航空券を受け取った後,搭乗手続きを済ませ,すぐに本屋に駆け込んでガイドを見あさりました。でも,ここでも時間はなく,結局ほとんど予習できないまま飛行機に乗ってしまいました。 エールフランスのエアバス機には99年当時からエコノミークラスにもシートバックテレビが装着されており,これは本当に良かったです。ヨーロッパまでですから,およそ12時間はかかるのですが,映画を3本ぐらい見て機内食を食べたりしていれば,ほとんどその時間は過ぎてしまいます。退屈することなく,パリに着くことができました。 シャルル・ド・ゴール空港は前年に続いて2回目ですが,第二ターミナルは初めてでした。乗り継ぎにはターミナルの移動が必要でしたが,時間は十分あったので問題はありませんでした。で,特に面白そうな店もなかったので,さっさと搭乗口に向かいました。搭乗口に行けば免税店などもあると思っていたのですが,その期待は完全に裏切られてしまいました。本当にただの待合室でした。シャルル・ド・ゴールは今でも免税店などの充実度はいまひとつであり,なんとかして欲しいところです。 ウィーンまでの便はエールフランスの便名はついていましたが,オーストリア航空の運行でした。機内では全身,赤ずくめの乗務員が待っていてくれました。特に女性はストッキングまで赤であり,ちょっとそそられてしまいました。 日の長い7月ではありましたが,さすがにウィーンに着く21時ぐらいになるとどっぷりと日も暮れてきました。空港では現地通貨をATMで引き出した後,バスで市内に向かいました。そのバスの目的地が今夜宿泊するヒルトンホテルでした。夜遅くついた場合など,立地のいいホテルは本当に便利です。「高い」とは思ったのですが,やっぱりここにしてよかったと思いました。通された部屋はやや眺望は悪いものの,キングサイズのベッドが置いてある広い部屋でした。客室内に表示されていた価格は"るると"と"雄悠"が支払った価格の倍ぐらいだったので,やっぱり得は得でした。 |
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2日目 | ![]() ![]() |
さて,ウィーンでの実質1日目は朝食の場所探しから始まりました。一応,チェックインの時に場所は教えてもらったのですが,どうしても見つかりませんでした。さんざん訊いた挙句,やっと見つけたのですが, 「あなたたちの食事場所はここではない」 と言われてしまいました。確かに朝食が出されているところではあるのですが,どうも違うようです。さらに尋ねまわった挙句,やっとわかったのですが,その場所は公園に面した眺めの良い,広いレストランで,いわゆるバフェ形式のところでした。さすがに高級ホテルに高いお金を払って泊まるだけのことはあります(とってもそれほど高級でも高いわけでもないのですが・・・,まぁ,まだ若い二人は純真だったのです)。スペースも広いし,朝食も豪華なのに感動してしまいました。で,バフェとなると根が貧乏性の"るると"と"雄悠"。とにかく食べまくりました。もう完全に許容量をオーバーして食べたので,昼食なんか食べれるはずもありません。まぁ,おかげで昼食代は節約できたので,高価なホテルも結果的には良かったのかもしれません。それにしても,こんなことをいちいち考えるとは,やっぱり根っからの貧乏性です。 さて,朝食も終わり部屋に戻ると,本当にここまで来てやっとウィーンで行く場所を決めようということになりました。もちろん,王宮やシェーンブルン宮殿などは行くつもりでしたが,どこをどう廻るかというのは全くもって決めていなかったのです。2人していろいろと考えた挙句,とりあえずは王宮などがある地区に行ってみようということになりました。 やって来たのはホーフブルク宮殿の近く。地下鉄を降りて最初に立ったのがマリア・テレジア広場でした。そこには美術史美術館と自然史博物館がありました。一応,科学者の端くれである"雄悠"にとっては美術なんかよりも,自然科学に興味が行きます。というわけで,美術史美術館に行きました!思えばこのときから,"るると"中心で時間が流れるようになりました・・・。でも,"るると"が美術に興味があるとはこのときまで知りませんでした。いや〜,結婚は奥深い。 さすがはハプスブルク帝国が誇る美術館です。数も多し,質も高い。宗教画にはちょっと飽きてきますが,たくさんの絵画や彫刻などは興味深かったです。ただ,教科書に出てきるようなものはなく,知らないものばかりでしたが・・・。 広大な美術館を一通り見た後,自然史博物館は再度無視して(泣),王宮の方に向かいました。王宮も博物館になっていて,銀製の食器や武具などが所狭しと並べられていて,ハプスブルク王朝の栄華を目の当たりにすることができました。王宮の周りにはやたらとモーツァルトの格好をした人がいました。何をしているのかといえば,夕方から開催されるコンサートのチケットを売っているのです。"るると"と"雄悠"は一応,日本でコンサートのチケットを手配しており,翌日に行く予定にしていたのですが,好きな音楽家のコンサートがあり,しかも安価なので,それも買ってしまいました。 その後,ケルントナー通りまで行き,一通りウインド−ショッピングを楽しんだ後,ペスト塔やシュテファン寺院などを見てから,夕食に向かいました。ウィーンに来た以上,ヴィーナー・シュニッツェルを食べようと考えていたのですが,どこに行けばいいのかよくわかりません。ぶらぶらと歩いていると,メニューの写真を掲示した店がありました。どちらかというと観光客相手の店のようでしたが,ドイツ語がわからない"るると"と"雄悠"には最適でした。早速その店に入り,シュニッツェルとサラダとパスタを頼んでみました。シュニッツェルは早い話がトンカツなのですが,ふんだんに絞ったレモンで食べると,さっぱりとしていておいしかったです。 夕食が終わるとホテルに戻り,ちょっとましな格好に着替えてコンサートに向かいました。会場は市立公園の南側にあるクーア・サロンと言うところで,ヨハン・シュトラウス一家の曲のコンサートでした。ヨハン・シュトラウスの曲はワルツ中心で,比較的軽い曲が多いので,素人でも楽しめます。というわけで,行ってみたのですが,時差的に最も苦しい時間帯であり,約1/3は寝てしました・・・。でも,現地の人は気軽にこのようなコンサートを楽しめていいなぁと思いました。曲によっては老若男女を問わず,ダンスを始めたりで,自分たちもいつか踊れるようになったらいいなぁと思ったものです。 |
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3日目 | ![]() ![]() |
ウィーンの2日目はシェーンブルン宮殿です。シェーンブルンは少し郊外にあるので,地下鉄で出かけ,それから歩いて宮殿に向かいました。既にたくさんの観光客が訪れていましたが,比較的スムーズに入場できました。まずは内部の見学です。すべての部屋が公開されているわけではありませんが,当時の豪華絢爛たる王宮生活を垣間見ることができました。それから宮殿の庭に出て,さらに丘の上にあるグロリエッテに向かってみました。すぐ近くに見えていたので歩いていったのですが,丘の上にあるため,行き着くまでにはかなりの時間と体力を消費してしまいました。というわけで,栄養の補給です。早速,グロリエッテの中にあるカフェに入り,生クリームがこれでもかと載っているケーキを食べました。"るると"大満足です。 ケーキのあとはグロリエッテの上に上がってみました。もともと丘の上にあるので,ウィーンの街の眺めが一望にできました。その後,シェーンブルンの庭を散策してから,地下鉄で市内に戻りました。 市内に戻って向かったのはベルベデーレ宮殿の中にあるオーストリア美術館でした。昨日に引き続いての美術館めぐりです。ベルベデーレ宮殿は上宮と下宮に分かれており,美術館はその両方に入っています。まずは下宮を見たのですが,ここではナポレオンの絵が印象的でした。次に向かった上宮にはクリムトの絵が多数ありました。中でも有名な「接吻」もここにありました。"るると"はまたまたうっとりです。 美術館の見学が終わると,早めの夕食を取り,それからいったんホテルに戻って着替えた後,昨夜に引き続いてコンサートに出かけました。今日のコンサートはわざわざ日本から手配したもので,結構期待して行ったのですが,昨日のコンサートに比べ格式は高いと思うのですが,その分堅苦しくて,楽しかったかといわれると,そうでもありませんでした。額面以上の高いお金を払ったのにちょっと残念でした。 |
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4日目 | ![]() ![]() |
あっという間にウィーンも最後の日になってしまいました。当然,ホテルもチェックアウトしなければならので,大きな荷物は預けてから,最後の観光に出かけました。最初に向かったのが,ヨハン・シュトラウスの家です。一応,ヨハン・シュトラウス二世は好きな音楽家ですから,そこを訪問してみました。 ヨハン・シュトラウス二世の家は中心部からドナウ川を渡っていくのですが,帰りにはそのドナウ川の河原に下りてみました。「美しき青きドナウ」のイメージがあるのですが,実際の川は灰色に濁っており,曲名からは程遠いものでした。 次に向かったのは楽聖たちが眠るウィーン中央墓地です。ヨハン・シュトラウス親子やその他多くの音楽家たちが眠るところであり,墓碑もなかなか趣向が凝らされています。墓地の入り口には花屋が出店しており,そこで5束ほど花を買い,それから思い入れのある音楽家のお墓の前でささげました。墓地というと,やや暗いイメージもありますが,ここはよく整備さており,ちょっとした公園のようでした。 市内に戻り,最後に向かったのがウィーン市立博物館です。ちょうど,ヨハン・シュトラウス二世の没後100周年を記念して,展示会が開催されており,それを見てみました。 これぐらいでいい加減,飛行機の時間になるだろうと思っていたのですが,実はそれでもまだ時間が余ったので,最後にリンク・シュトラーセを走る環状の路面電車に乗ってみました。ウィーンの主だった建物はこのリンク・シュトラーセに面して立っており,ちょっとした遊覧観光気分です。それにしても3日間,市内交通が乗り放題のウィーンカードを買っておいて正解でした。 空港に向かったのは15時過ぎでした。搭乗手続きを済ませると,すぐにセキュリティーチェックを受け,ショッピングゾーンに向かいました。このころはまだユーロが導入されておらず,残ったシリングを使いきるためです。ちょっとしたお土産やTシャツなどを買ったのですが,最初に引き出した金額が多かったので,最終的には銀行の窓口でフレンチフランに両替してもらいました。円→シリング→フランですから相当目減りしているはずです。 パリ行きの飛行機は往路と同様オーストリア航空の運行でした。2時間程度の運行ですし,国際線なので機内食も出てきます。1食浮いてラッキーでした(相変わらず,貧乏性です)。 パリについたのは20時前。すぐにバスに乗ってパリ・リヨン駅に向かいました。今日からの宿はリヨン駅に隣接しているフランツール・パリ・リヨン(現メルキュール・パリ・リヨン)です。夕方から夜にかけて現地に到着する場合,いわゆる空港ホテルか空港からダイレクトにアクセスできるホテルが便利です。その点,今回利用したホテルはウィーンもパリも正解でした。 ホテルに着くと片言の日本語を話す兄ちゃんができてきました。本当にぎこちない日本語であり,こっちだって英語はある程度できるのだから, 「無理に日本語を話してもらわなくても」 とも思うのですが,その努力には感謝したいと思います。で,最後の一言が, 「ヨイ・イチニッチ・ヲー」 でした。 「ありがとう」 です・・・。 パリのホテルはさすがに値段相応で,まぁ日本のビジネスホテル程度のものでした。しかもクーラーの設備もなく,仕方なく窓を開けていると隣のリヨン駅の構内放送がうるさく聞こえるところです。でも,空港からのアクセスと立地のよさ,価格を考えるといい選択だったと思います。 |
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5日目 | ![]() ![]() |
![]() 登ること,約20分。1階には割と簡単に到達できました。まだまだ体力もあったので,2階にも歩いて登ることにしました。さすがに,今度は疲れも蓄積してきており,やや辛かったのですが,それでも階段の途中から見えるパリの景色はすばらしく,それはそれで楽しかったです。そして,上にたどり着いたときの達成感は本当によかったです。 結局,エッフェル塔はここまでとし,一番上のフロア−までは上がらなかったのですが,自分の足で登ることができ,いい思い出になりました。でも,これが契機となって,今後もひたすら自分の足で歩く,登るという旅行が増えることになってしまいました。 ![]() ![]() ![]() というわけで疲れた一日でしたが,最後は夕食を食べようということになりました。"雄悠"は前年にもパリに来ており,東駅前に宿泊したのですが,そのときに行った店で,比較的味もよく,安価なレストランに行ってみることにしました。ルーブルからはあえてバスに乗り,街の景色を見ながら行きました。 東駅や北駅の前には比較的安いレストランが集まっており,手軽に食事をすることができます。入った店は名前こそわかりませんでしたが,いくつかのコースがあって,前菜とメインを自由に選べるというものでした。"るると"と"雄悠"は中間のコースを選び,それぞれ相手と重ならないように前菜とメインを注文しました。といっても,フランス語がわかるわけもなく,適当に頼んで,「何が出てくるか,さぁお楽しみ」という状態でした。 一方,飲み物ですが,まずはビールということで軽く1杯ずつ飲み,それからちょっと気取ってワインのボトルを頼みました。価格も見ずに頼んだのですが,テーブルの横にワインクーラーを持ってきて,しかも目の前で封を切り,テイスティングまでさせられる代物で,「これはもしかしたら,めちゃくちゃ高いのでは」と一瞬,あせってしまったのですが,いまさらどうすることもできません。「まぁ,新婚旅行だし,おいしいワインだからいいや」と気を取り直し,そのワインを二人でがぶ飲みしてしまいました。一方,料理の方は肉料理とサーモンの料理でした。予測していたものと大きくは違っておらず一安心です。味は比較的に日本人にもあうもので,この店にしたのは正解でした。でも,例のワインを二人でがぶ飲みしたものですから,"るると"は完全にフラフラになってしまいました。"雄悠"の方はまだ何とかなったのですが,今から考えればよく,あの状態で地下鉄に乗ってホテルまで帰ることができたものだと思います。ちなみに"るると"は完全にこのときの記憶がないそうです・・・。 ところであのワインですが,後になって散々考えてみたのですが,結局,請求された値段には入っていなかったようです。単にギャルソンのミスなのかどうかはわかりませんが,結局はかなり得してしまいました。ちなみにこれに気づいたのは帰国後,クレジットカードの明細を見てからです。すでに時効でしょう。 |
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6日目 | ![]() ![]() |
昨日の今日なので,さすがの"雄悠"も朝から頭痛です。とにかくじっとしていたいのですが,そうも言っておられず,ヴェルサイユ宮殿に向かうことにしました。ホテルを出て,痛い頭を抱えつつ,何とかRERに乗り込み,ヴェルサイユに向かったのですが,どうしてこういうときは電車に乗っている時間が短く感じられるのでしょう。「もう少しじっとさせておいてくれ〜」です。![]() 宮殿内部の見学が終わると,次にこれまた広大な庭園に出てみました。とにかく広くて,宮殿の前から奥を見渡すと,遥か先までヴェルサイユの庭園なのですが,もう遠くは霞んでいます。そんな庭園を半分ぐらいまで進み,少し散歩してみました。頭痛もこの頃には少し軽くなってきており,爽やかな気分になりました。 ![]() 買い物のあとはオペラ・ガルニエなどを見たあと,いったんホテルに戻り,それから夕食に向かいました。昨日の夕食は結構,食べたし,飲んだしで,今日はそれほどでなくても,ということで駅の近くのイタリアンに入りました。旅も長くなると食べ慣れたものが欲しくなります。といって日本食は高いですし,中華は日本で食べているものとはちょっと趣が違うし・・・。でも,イタリアンは大丈夫です。ピザやパスタなら日本で食べているものに近いですし,値段も安く味も悪くありません。というわけでリヨン駅近くのイタリアンに入りました。すでに何を食べたかまでは細かく覚えていませんが,チップを多めに払ったのは覚えています。きっと美味しかったからなのでしょう。 |
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7日目 | ![]() ![]() |
新婚旅行も実質最後の日になりました。名所旧跡や美術館ばかり巡るのもいい加減飽きてきたので,最後は気楽に遊ぶことにしました。で,向かったのがユーロ・ディスニー。性格がひねくれている"雄悠"はアメリカや東京のディズニーにはたいして行きたいとも思わないのですが,ユーロとなると俄然行く気が出てきます。要は,日本人があまり行かないようなところに行こうと言うだけなのですが・・・。 ユーロ・ディズニーまではRERで約1時間ぐらいだったと思います。駅を降りるとそこが入口になっており,アクセスは簡単です。東京のディズニーランドなんかに比べたらはるかに人も少なく,のんびりと入場できました。でも,これはあとになって分かったのですが,その日はフランスの革命記念日で祝日でした。祝日でこれぐらいゆったりしているとは本当にうらやましい限りです。それぞれのアトラクションもそれほど待たずに乗れましたし,園内では簡単にベンチなんかも見つけることが出来ました。やっぱり日本とは人口密度が違いすぎます。 さて,ディスニーランドに来た以上はいろいろとアトラクションを楽しまないわけには行きません。というわけでスプラッシュマウンテンやスペースマウンテン,サンダーマウンテンなどのジェットコースターものに乗りました。ところが,"るると"はこういうコースター系に極めて弱かったのです。"雄悠"に遠慮しているのか,乗るのは乗るのですが,降りてくると30分はグロッキー状態でした。仕方なくベンチに座ってじっとしていたのですが,このとき,多くの人々が 「こいつ,なんで女の子をいじめるんだ」 というような目で"雄悠"の方を見ていくのです。この視線には結構参りました。 「別にいじめたわけではない」 と訴え返したつもりだったのですが,誰も納得してくれていたとは思えませんでした。 ディズニーランドはそれなりに楽しめたのですが,コースター類にたくさん乗ったのは"るると"には堪えたようです。翌日以降の"るると"は悲惨でした。 さて,ディズニーランドもひととおり楽しんだので,パリにもどることにしました。ただ,この日は革命記念日であり,夜はエッフェル塔の近くで花火が上がるとの情報がありました。こうなると,花火好きの"るると"はじっとなんかしておれません。昼間はあれほどグロッキー状態になったにも関わらず,おでかけです。普段はラッシュ時でも日本のそれに比べれば遥かに楽な地下鉄の車内もこの日の夕方は非常に混んでいました。ほとんど身動きも取れないような状態でエッフェル塔が正面に見える公園の最寄の駅まで行き,なんとか花火の見える場所を確保して,エッフェル塔越しにパリの夜空に上がる花火を見ていました。そういえば,このときの"るると"の表情がこの旅行の中では一番よかったような気がします。"雄悠"も"るると"が喜んでいる姿をみるのは好きです。それにしても実質最終日のこの日は本当に疲れました。 |
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8日目 | ![]() ![]() |
帰国の日になりました。この日は空港に行き,飛行機に乗るだけなのでゆっくりと起床し,それから朝食を食べに行きました。いつものようにバイキング形式なので,好きなものを好きなだけ取ればいいのですが,さすがに飽きても来ました。でも,"るると"はいつものようにたくさん持ってきました。そしてそれを全部平らげた挙句,ひとこと, 「今日は食欲がない・・・」 「うっそだろう,そんだけ食べといて・・・」 と思ったのですが,本当でした。旅の疲れもあるでしょうし,新婚旅行ということで気づかれもあるのでしょうが,それ以降の"るると"は悲惨でした。 さて,朝食を食べ終わった時点ではまだ"るると"も元気でしたし,とりあえずは荷物をまとめてシャルル・ド・ゴール空港に向かいました。来たときと同様,バスに乗る手もあったのですが,それでは面白くないので,RERで向かいました。空港まではシャトレ・レ・アルで乗換,約40分だったと思います。空港駅で列車を降りると,改札口を警官が封鎖していました。何事かあったのでしょうが,しばらくすると通してくれました。それにしても日本線が発着するターミナルFは遠いです。駅を降りてから10分ぐらいは歩いたような気がします。 さて,朝方,「食欲がない」といった"るると"でしたが,このあたりから本当に少しおかしくなってきました。空港について搭乗手続きが終わると,後の時間はほとんどベンチに座っていました。その後,最後のお土産を買ったりして,搭乗の時刻までを過ごしたのですが,本人にしたら本当に辛かったのかもしれません。結婚早々の"雄悠"にもどの程度深刻なのかは当時わからず,あまり気にしていなかったのですが,今から思えばかわいそうでした。 搭乗の時刻になったのでゲートに向かいました。チェックインの時に窓側の2列を押さえてあるので,あとは「座って日本に帰るだけ」のはずでした。ところが,ここから一騒動ありました。ゲートで搭乗券がはじかれるのです。こちらも初めての経験ですし,係員も慌ててチェックしたりしていたのですが, 「ビジネスクラ〜ス」 と言われてしまいました。反射的に, 「サンキュー」 といいましたね。これはほんとにラッキーです。"るると"と"雄悠"が利用したチケットは当然,格安航空券です。アップグレードなんて全く考えていなかったのですが,たまにはこういうこともあるもんです。 というわけで,新しい搭乗券をもらい,喜んで機内に入り,指定されたシートに座り,アメニティーグッズなんかを開たりして,ビジネスクラスを楽しんでいたのですが,そうすると一人の係員がやってきた, 「席がまちがっていました」 と言われてしまいました。そういわれれば仕方がないので,席を移ることにしたのですが,新しい席として連れて行かれたのはエコノミークラス最後部の全くリクライニングもしない席でした。これには腹が立ちました。もともとエコノミークラスの航空券しか買っていないわけですから,エコノミークラスになるのはまぁ仕方がありません。でも,"るると"と"雄悠"は早めにチェックインを行い,窓際に2人掛けの席をキープしたのです。それにも関わらず,こうなるとは・・・。とくにリクライニングがしないというのは大きな苦痛です。体調を崩している"るると"にとってはもちろん,元気な"雄悠"にだってリクライニングもしない窮屈なエコノミー席で11時間もフライトすることはとてもじゃありませんが,受け入れられません。というわけで,客室乗務員に対して,経緯を説明し, 「ビジネスクラスとはいわないが,当初アサインされた窓側の2列の席にしてくれ。リクライニングもしないこの席では体調の悪い"るると"にはきつすぎる」 とかなり強い口調で訴えました。これぐらいいう権利はあると思いました。当然,一人の客室乗務員が決めれることでもなく,その乗務員は相談に行ったのですが,最終的には席の変更を認めてくれました。で,向かったのがビジネスクラスの席。やっぱり言ってみるものです。こういうとき,日本人はわりと文句を言わず,あきらめてしまうのですが,やはり主張すべきところはすべきだと学習しました。 というわけでビジネスクラスの席にまた戻り,やっと座って日本へのフライトとなったのですが,この後もまた一騒動ありました。当時,エールフランスの便はまだ喫煙ブースがありました。その喫煙ブースのすぐ後ろに座っていた日本人の老夫婦が「タバコの煙がいやだ」といって騒ぎ出しました。こうなると,即席でアップグレードされた"るると"と"雄悠"は悲惨です。客室乗務員から, 「かくかくしかじかで,席を替わって欲しい」 といわれました。こちらとしてもやや無理を言ってビジネスクラスに座らせてもらったという引け目があるので(そんなことは本当は考えなくてもよかったのですが),席を替わることにしました。まぁ,おなじビジネスクラスの席だし,タバコの煙といっても実際にはほとんど気にならなかったので,その席でもよかったのですが。 ところが,騒ぎはまだ収まりません。そうやって席を替わった老夫婦が今度は, 「フットレストが動かない」 といって文句をいい始めました。まぁ,高い金を払ってビジネスクラスに乗っているのですから,文句をいう権利は当然あると思うのですが,それをいちいち添乗員に言いつけて,自分たちで直接,客室乗務員にいうことはしません。添乗員も直接お金をもらっている建て前,バカ丁寧にその老夫婦の言うことを聞いており,最終的にはこちらに被害が及びます。本当,「いい加減にしてくれ〜」です。というわけで,またまた席の交換です。結局この機内で延べ5箇所の席に座りました。この騒動に,"るると"は完全にグロッキーで,日本までのフライトはほとんど寝ていました。おかげでビジネスクラスのちょっとマシな機内食はほとんど口にできず,あとあとまで嘆いていました。それにしてもビジネスクラスはやっぱり楽です。これなら11時間のフライトもきつくありませんでした。 |
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9日目 | ![]() ![]() |
日本に着いたのは翌日の11時ぐらいでした。"るると"はかなり参っていましたが,なんとか飛行機を降り,パスポートコントロールと税関を抜け,梅田行きのバスに乗ることができました。さらに,梅田から一駅,阪急に乗り,中津で降りてゴロゴロとスーツケースを引きずりながら家まで帰ってきました。この時点では比較的元気だったのですが,そのあと,"るると"は寝込み,結局3日間もほとんど起き上がることができませんでした。特に熱があるとか,胃の調子が悪いとか,そういうわけでもないのですが,とにかく動けないということでした。"雄悠"はこのときになって,初めて,パリの最後の朝食のあとで"るると"が言った, 「今日は食欲がない」 といった言葉が本当だったのだと痛感した次第です。 というわけで,"るると"は寝込みましたが,"雄悠"のほうはビジネスクラス効果もあり,比較的元気でした。結婚後のどたばたも残っていたので,平日のこの日にいろいろと用事をすませ,それから久しぶりの和食を楽しみました。しかも,デパ地下のちょっと豪華なやつです。おそらく,"るると"はまだこのことを知らないはずです・・・。だって,くたばっている"るると"が悪いのです。 |
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エピローグ | ![]() |
新婚旅行でした。 あま〜い,あま〜い・・・。 そんなことは断じてありませんでした。ウィーンでもパリでもやたら高いところに登ったのですが,いずれも徒歩。思えばこのときから"るると"と"雄悠"の旅行では歩くのがあたりまえになりました。 それにしても無計画な旅行でした。もちろん,飛行機と宿は決めていたのですが,あとはいずれもその日の朝に決めては出かけるというパターンでした。でも,そんな感じでも一通り,見るべきところはみれましたし,少々郊外の遠い場所でも行くことができました。なんとでもなるものです。 この旅行は"るると"と"雄悠"にとっては貴重な体験でした。旅行が楽しかったことはもちろん,お互いの好みや興味あること,体力などが分かりあえましたし,ものの考え方などもそれまで以上にわかりました。新婚旅行というものは一種の記念ではありますが,このように実利的な面もあるものだと感じた次第です。そして,自分自身でもこのとき初めて気づいたのですが,"るると"が喜んでいる顔をみたときが自分にとっても,もっともうれしい瞬間であるんだなぁと。これからは"るると"が心から喜べる旅行にしていきたいです。 |