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温故知新という言葉がありますが、へら竿において最もマッチした握りは綿糸握りではないのかと、最近改めて考える様になりました。 僕にはデビュー当時より綿糸握りへのこだわりがあり、当時の握りは着色こそしていましたが殆んどが綿糸握りでした。 最近の傾向として、綺麗で目を引く凝った握りをあちこちで見かけるようになりましたが、竹竿本来の機能を最大限に引き出してくれるのは綿糸握りなのではないでしょうか? 見た目の綺麗さの評価や、汚れが落ちにくいといった事をよく耳にしますが、綿糸は使い込む程にかもし出される独特の風合いが竹竿にマッチするのではないのでしょうか? とは言うものの僕は見た目の綺麗さには人一倍のこだわりを持っているのですが、先人達が残してくれた綿糸握りを今一度見つめ直し、壮志の握りのバリエーションの一つとして、少しオシャレに味付けした綿糸握りを追加したいと思います。 その中のほんの一例として、左の画像のように全面綿糸で、握り上部の親指のはらが当たる部分にだけ同色の乾漆粉でやや盛上げ気味に2本のラインを入れ、機能とデザインを両立させた新しいスタイルを生み出しました。 |