10年ほど前、櫓聲ファンのある友人と釣りをした。

その日友人が使っていたのは「櫓聲13尺」。

脇銘は忘れたが、確か黄色の袋に入っていたと記憶している。

勉強の為にと友人のすすめもあり使わせてもらう事にした。

その竿は13尺にしては極端な細身で

振り調子といえばフワフワとしてすごく頼りない調子に感じたのに

いざ魚が掛かると竿全体が鋼のごとくシャキっとバネが効き

なおかつ魚を全く暴れさす事なくスムーズに取り込む事ができた。

スレ掛かりした時はさすがに焦って友人の顔を覗き込んだが

友人はどうって事ないよといった顔で平然としていた。

案の定焦りとは裏腹にスレ掛かりした魚は

まるで魔法に掛かったかのようにスムーズに

玉網に吸い込まれてきた。

魚の抵抗にも勝った硬調子の竿もいいけれど

大型でもスレ掛かりでもピタリと魚の動きを止め

なお且つ釣り味は最高といった

へら竿の原点の様な竿に出会って新しい感動をおぼえた。