弟子時代に

12尺、13尺、14尺と3本の竿を作らせてもらった。

辛い修行の成果が初めて形になった瞬間で

喜び勇んで親方に見てもらった時

言われた言葉が「もっと穂先がぬける(削れる)はずや」というアドバイスだった。

以来、穂先削りには人一倍こだわりと執念を燃やすようになった。

たかが一本の穂先だが

その竿全体の調子や味わいが凝縮されていると信じている。

特に先半分の削り方にそれぞれの竿師の個性が強くでているように思う。