こんくらべ






「ねえ、ザンザス。今年いくつになった?」
 10月10日は二人の記念日。ザンザスがこの世に生まれた二人の記念日。
「44」
 言いたくもなさそうにザンザスは言う。おじさんと言われてもイイ年齢で、一応まだヴァリアーのボスとはいえ、幹部は何人か変わっていた。
「そっかぁ、44かあ。もう20年なんだね。そろそろ、許してくれると思う?」
「家光か?」
「うん」
「無理だろう。だってオレはともかく、てめぇはまだ十分結婚出来る年齢じゃねえか」
 綱吉ももうすぐ誕生日を迎えるが、現在33才の男盛りである。
「オレがザンザス以外と結婚してもイイの?」
「………………」
「でしょ? オレだって嫌だよ。だってさ、母さんからはとっくの昔にお許し貰ってるんだし、リボーンだって、守護者の皆だって、好きにしていいって言ってくれてるんだよ? なのにさぁ」
「ジジィがおっ死んだからな。反対する奴が他にいないから家光も仕方がねえんだろう。ボンゴレを存続させる為にはな」
「でも…でもオレ、この組織をぶっ壊すって決めたから、跡継ぎなんて残すわけなんかないのに。それに、オレはザンザスがいたら、他に誰もいらない。なのに、なのに……」
「おい、30もこえた男が泣くんじゃねえ」
 ザンザスが綱吉の瞳からはらりはらりと落ちていく涙を拭う。
「ごめん」
「いや。でも、まあ、そろそろ家光にも腹を括ってもらおうか」
 ザンザスが綱吉の手をとって立ち上がる。
「ザンザス、どうしたの?」
「力づくでも認めてもらおうじゃねえか、家光に。屋敷の一つ二つぶっ壊すかもしれねぇがな」
 ニヤニヤと楽しそうにザンザスが言うと、さっきまで泣いてた綱吉もぱぁっと笑顔になる。
「うん、そうだよね! この際、門外顧問もお役御免にして母さんとゆっくり過ごしてもらおうよ!」
「てめえにしちゃイイ考えだな」
「へへ、ザンザス、行こうか!」
「ああ」
 扉を開いて二人が向かった先、二人の未来は何処へ行く?