08.着替え中、 ザンザスの場合。 けだるい朝、シャツを羽織るあいつの背中を見る。 最初に会った時はあんなに小さかったのに、今じゃ驚くほど成長した。 視線を感じたあいつが振り返る。 「どうしたの、ザンザス?」 言いながらチュッ、と軽い口づけ。 「何でもねえ、早く行きやがれ」 オレはそっぽを向いた。 これ以上見ていたら、また欲しくなってしまうから。 ツナの場合。 急な任務が入ったと情事の余韻を無理矢理消すようにベッドから出る彼。 彼の身体は、古傷だらけ。 中にはオレがつけた傷もある。 ああ、そんな無防備に背中を晒してると。 「何触ってやがる、くすぐってぇからやめろ」 「……ごめん」 オレは自分以外につけられた彼の古傷に嫉妬する。 彼の全てが自分のものじゃないような気がして。 |