境界線
光の残像
新しい世界に君がいる
もともとなにもなかったのだ
背中を押す手

ひとつだけ、教えてあげよう
嘆くくらいなら 前を向いて進め
神様の名前
よごれないひと
耳が聞こえない調律師

ずっとここで ひとり
待つことしかできない
君が歌うことで僕は救われる
今更、どうして、なんて
一本橋は落ちた

千と一の間
どこまででも歩いてゆこうと思った
いつかまた 一瞬の輝きのような出会いを
上り詰めても あるのは新しい階段
願うような仕草

君がいたから 僕らは生きていたのだと思う
交差点の真ん中で立ち止まる
天使の 羽根のような人だった
貴方はどうか ただ 信じて
色が漂白された薔薇

死しても生きるこの感情
動きを止めない硝子の人形
初めまして今日から神様を始めてみないか
そこに至るまでの軌跡
そう言って笑った彼を 今でも忘れられない

世界は何の変化ももたらさなかった
時間を確かめては息を吐く
貴方は知らないのだ 唯一というものの大切さを
たどり着いた先で
銀色ライター

君が居たという確かな、
凍った君の手
バスは遠くへ遠ざかるばかり
空っぽの箱の隅には何があったか
平たく丁寧に並べられた遺書

心を開けて電池交換
白装束を脱ぎ捨てて
僕はひとりで大丈夫
あぁそうだ あれは僕だった
願わずにはいられないのだ

会いたくて涙がでた
あァなんとあわれなことか!
死んだのは私ではなく君だった
知りうる限りの
最後は案外あっけないもので